たびたびお伝えしてきたように、男性と女性とでは、考え方や会話のすすめ方に大きな違いがあると言われています。それが夫婦間のすれ違いやトラブルのきっかけ、原因となることも多いもの。
先日実施したアンケートで、既婚男性に「妻のどんなところに不満を感じますか?」と尋ねたところ、やはり
- 会話がかみ合わないと感じる
- 妻と話していても何が言いたいのかわからない
といった意見が寄せられました。
そこで今回は、男性と女性の考え方、話し方、聞き方の違いをもとに、夫が妻と話す時、どんなポイントを意識すればイライラしたり不満を抱いたりしなくて済むのか、についてお伝えしていきましょう。
男女の会話はこれだけ違う!まずはお互いの特徴を理解しよう
男性と女性の話し方、考え方の違いは、これまで何度か取り上げてきたテーマではありますが、以下に、あらためて男性と女性それぞれの会話の特徴をあげてみます。
ここでもう一度、その違いをおさらいしてみましょう。
男性の会話の特徴
会話に正確な情報や結論を求める
男性は、目的を持って会話をします。会話の中で伝えるのは、正確な情報や自分の意見、はっきりとした結論。
事実を客観的に把握しようとし、それをもとに何らかの結論を導こうとします。
会話は問題解決の手段、親しい人だからこそ本音で議論がしたい
男性にとっての会話は、問題点を明らかにしてそれを解決しようとするためのもの。
原因や解決方法を見出そうとすると同時に、親しければ親しい人であるほど、本音でぶつかり合うことを最善と考え、議論しようとします。
会話の中で感情をあまり出さない
幼いころから「男なんだから泣くな」などと言われることが多い男性は、会話の中でも感情を言葉にすることはあまりありません。
感情を出すと自分が無防備になったような気がするため、悲しい、辛いといったネガティブな感情はもちろん、嬉しい、楽しいといったポジティブな感情さえ、言葉にして伝えることは避けてしまいがちです。
「俺が」「俺は」が多くなる
男性は会話=議論と捉えると同時に、縦社会で生きているため、階級や序列をはっきりさせるために会話の中で自分の意見を主張し、自分の地位を守ろうとします。
そのため、会話の中でも「俺はこう思う」と自分の意見を主張することが多くなります。
女性の会話の特徴
会話には議論はいらない!何よりも共感を求める
女性が会話に求めているのは、男性のような問題解決や議論、それに伴う結論ではなく、共感です。
- 「うんうん、そうだよね」
- 「わかるわ~」
といった言葉で相手に寄り添うことが重要であり、共感が得られなければ話を聞いてもらえた実感がわきません。
会話は親密さをあらわす手段、しかし親しい人にも本音は言わないことも?!
女性は、親密な相手にほど共感を求めます。
親しい人にこそ自分をわかってほしい、そしてわかってあげたいと思うため、自分と違う意見を聞いても議論することを避け、本音を隠して「わかるわ」と同調し、共感の姿勢を見せることもあります。
会話の中で感情を整理する
女性の会話には、感情表現があふれています。
感情と言葉がとても巧みに連携しているため、会話の中でも「わあ」「すごい!」などという感嘆詞をよく使いますし、「嬉しい」「楽しい」「悲しい」など、感情をそのままあらわします。
しかし、女性はそれによって自分の気持ちを整理したり、決断を導き出す助けにしたりしています。
男性にとっては、長い割に中身がない、くだらないと感じる女性同士の会話にもきちんと意味や目的があり、本人たちはそれで満足し、結論を出すための重要なプロセスと捉えているのです。
自己主張は控えめ
女性は、小さな頃から横社会で過ごしています。
横のつながりを意識し、みんなで仲良く歩調を合わせることを最善とし、そこから外れることや、他人と差異を生むことを最小限に抑えようとします。
そのため、会話の中でもあまり激しい自己主張はしませんし、したとしても遠回しな言い方になることが多いもの。いわゆる「察してちゃん」な言い方になりやすいのは、そのためと考えられます。
夫が妻と話をする時に心がけておきたい3つのポイント
こうした特徴を踏まえて、夫婦で会話をする時に、夫が心がけると妻にイライラせずに済むかもしれないと思われるポイントを3つにまとめてみましょう。
1.妻にはとにかく共感の一言を
女性の会話は、男性からすると単なる感情の羅列に思える上に、要領を得ないため、聞いているのが嫌になるかもしれません。
しかし、だからといってほかのことを考えながら聞き流していると、鋭い妻はその態度を見抜いて「どうしてちゃんと聞いてくれないの!」と怒ってしまい、会話を続けるどころではなくなってしまいます。
妻とスムーズに会話を進めるには、その感情にまず共感を示すことがとても大切。
「そうだね」「わかるよ」といった言葉とともに、「嬉しかったんだね」「それは大変だったね」など、あらわされた感情をくり返してあげると、妻には夫に話を聞いてもらえたという実感がわき、その後の会話も進めやすくなります。
女性の会話は、共感がなければ何も始まりません。
ちょっと面倒だなと思っても、まずは妻に共感することを心がけましょう。
2.「要するに何?」は禁句
感情的、直感的で、話があちこちに飛んでしまう妻との会話にうんざりした夫は、ついつい「で、要するに何なの?!」などと、話の途中で聞いてしまいがち。
男性はどうしても結論を早く知りたいと急いでしまいますが、こう言われた妻は決していい気持ちにはなりません。それどころか「お前の話は長い、聞きたくない」と夫に言われたと感じて、不満をつのらせます。
結論を知りたい時は、もう少し柔らかい言い方にチェンジしましょう。
「つまり、こういうこと?」などと、うまく要約して返してあげると、妻も自分の言いたいことが何なのかを確認でき、話を次のステップに持って行きやすいと考えられます。
3.「君はどう思う?」と妻の感情を引き出す
妻の話が長い、要領を得ない、何を言いたいかわからない、と感じるのは、愚痴を聞かされている時や、「AとBではどっちがいい?」なんて話を振られた時に多いかもしれません。
そんな時は、
- 「君はどうしたいと思っているの?」
- 「俺はこっちがいいと思うけど、君はどっちが好きなの?」
といったように、妻に対して質問してその感情を引き出してあげる方法が有効です。
女性は会話の中で感情を整理し、それに含まれるさまざまな情報をもとに考えをまとめていきますので、それを助けてあげるつもりで質問を返すと、結論までの道のりが明確になります。
また、妻は夫が真剣に自分のことを考えてくれていると感じ、満足のいく会話ができたという充実感を得やすくなるでしょう。
これ以外にも、男女の会話の違いや、注意したいことなどはさまざまなものがありますが、ひとまず、この3つのポイントを意識するだけでも妻との会話はだいぶスムーズになり、イライラも軽減されるでしょう。
女性との会話ではとにかく、「感情」「気持ち」に着目することがカギとなります。
夫婦間のコミュニケーションを円滑にするためにも、夫は妻の話を聞きながらうまく共感し、感情の表出を上手にコントロールして結論まで導いてあげることを心がけてみてくださいね。