
赤ちゃんを寝かせる時、ほとんどの人は仰向けで寝かせるでしょう。
しかし、仰向けで寝ていると赤ちゃんがふいに「ビクッ!」として両手を大きく動かす、あの恐怖のモロー反射が起こりやすくなります。
スヤスヤ寝ていてもあの「ビクッ!」で突然大泣きが始まり、うんざりするママも多いかもしれません。
今回は、そのモロー反射を軽減する、赤ちゃんの寝る姿勢についてお話しましょう。
赤ちゃんは横向きで寝るのが好き?
ママのお腹の中にいる赤ちゃんは、頭を下にして手足を折り曲げ、横向きあるいはうつ伏せに近いような姿勢をとっています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、ママのお腹の中にいた時の環境に近づけてあげると安心して眠ることができるといわれていますから、赤ちゃんを寝かせる時も横向きの姿勢にしてあげると、思いのほか寝付きがよくなるのです。
また、横向きに寝かせるのは消化を助ける効果もあり、ゲップがなかなか出なくて苦しそうな時などは、横向きにしてあげると落ち着くこともあります。
赤ちゃんの腕は大丈夫
しかし、横向きで寝る場合、気になるのが
- 下になっている手はしびれたりしないか
- うまく呼吸ができるか
- 寝返りをしてうつ伏せになってしまわないか
といったことだと思います。
赤ちゃんの手がしびれるといったことはないようですが、横向きに寝かせる時は下になる手を伸ばしてあげるとよいようです。
一番注意したいのは、赤ちゃんが寝返りをしたりしてうつ伏せになってしまうことです。赤ちゃんがうつ伏せで寝ると、乳幼児突然死症候群の発生率が上がる傾向にあるというデータもありますから、横向きで寝かせるときはくれぐれも注意が必要です。
深い眠りに入ったら、そっと仰向けの姿勢に戻してあげるなど、工夫するといいかもしれませんね。

「それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡してしまう病気」
とされ、生後2~6ヵ月児に多いとされています。
うつぶせ寝が関係していることから、乳幼児突然死症候群は窒息が原因だと思われがちですが、そうではなく、原因不明の呼吸停止から引き起こされた突然死です。乳幼児突然死症候群になる要因として、うつぶせ寝・タバコの煙・赤ちゃんの体温上昇などが挙げられています。
予防としては、
- 赤ちゃんはなるべく仰向けで寝かせる。
- ベッドマットは固いものを使用し、寝るときに顔や頭に寝具がかからないようする。
- 布団に柔らかいものや、枕、ぬいぐるみは使わない。
- 室温は適温に設定し、赤ちゃんは大人より一枚薄着にさせる。
- 赤ちゃんのいるところではタバコを吸わない。
- できるだけ母乳で育てる(授乳中はアルコールを飲まない)。
などが挙げられています。
残念ながら乳幼児突然死症候群の原因はいまだ解明されていません。赤ちゃんは苦しくても自分で助けを呼ぶことができないので、ママが赤ちゃんの異変に気付くしかありません。ですから、この時期はなるべく赤ちゃんから目を離さないようにしてあげて下さい。
赤ちゃんが安心するラッコ抱きの効果
息子が泣いてなかなか寝ない時、私がよくしていたのが「ラッコ抱き」です。
ラッコ抱きは、仰向けに寝ているママの胸の上で、赤ちゃんがうつ伏せになるように寝かせる方法。ママの心臓の音が聞こえるので、赤ちゃんはとても安心するようです。
月齢が上がると赤ちゃんも重くなり、長い時間抱いているのは苦しいのですが、ラッコ抱きをしていると出産直後のカンガルーケアを思い出して懐かしい気持ちになり、泣いている我が子が改めて可愛く思えたりもするので、オススメです。
この時も、赤ちゃんの顔は横に向けて、窒息しないよう十分に注意します。ぐっすり寝入ったらママは赤ちゃんを抱えてそのまま横になり、そっと赤ちゃんをおろしてあげましょう。
横向き寝やラッコ抱きは、いずれも赤ちゃんが安心する姿勢です。しかし、このような姿勢を取る時には、赤ちゃんの様子をこまめに観察し、安全を確認してくださいね。