言葉の受け取り方は人それぞれ違って当たり前ですが、男女の間では言葉や態度の受け取り方、コミュニケーションの方法が大きく異なるもの。
それが、夫婦の間に大きな溝を作ってしまう原因になることもあります。育児中は特に、不満をため込んでしまうママと、それに気がつかない、あるいは気がついても上手くママを気遣えないパパとの間で、衝突が繰り返されることもあるでしょう。
- それでは、パパはママにどんなふうに気を遣い、声をかけてあげればいいのでしょうか?
- ママが本当に嬉しいと思ってくれる声のかけ方とは、一体どんなものなのでしょうか?
今回は、男女のコミュニケーションの違いから、ママへの気遣いを言葉にして円滑な夫婦関係を築くための方法を探ってみましょう。
男女の違いは気遣いの違い? 180度違う男女のコミニケーション
一般的に、男性は親しい間柄になればなるほど、相手と自分との垣根を取り払い、遠慮のない言動を見せる傾向があります。
遠慮がいらない間柄は、信頼関係の証。
一番信頼をおいている身近な存在の妻は、夫にとって一番遠慮しなくてもいい相手になります。
また、男性は親しい他人を自分と同じように考えます。つまり、妻と自分を同じように考えるため、気を遣う必要性を感じないのです。
そして、男性は仕事をしている時や頑張って作業をしている時、周りから声をかけられるのを嫌うことが多いようです。
男性の脳は多くの情報を一度に処理するのに時間がかかるため、声をかけられると集中力が途切れるとともに、その言葉をうまく受け入れられません。そのため、他人からの声かけを「いちいちうるさい」「オレを信用していないのか」と、ついマイナスに受け取ってしまうこともあります。
こうした特徴があるため、男性は普段から「妻のことを気遣って積極的に声をかける」という行動に出ることが少ないのかもしれません。
しかし女性は、その反対。
周囲、特に家族に対する観察力に優れ、何らかの変化があれば即座に気がついて声をかける、つまり気遣いをします。また、何かに取り組んでいる最中でも、誰かにその都度声をかけられることで安心感を得るもの。
細かいことに気が付き、自分の行動に不安を感じやすいため、一つ一つのステップを踏むごとに「これでいいんだ」と確認し、安心したいと考えます。そしてそれがないと、「私はどうでもいい存在なの?」と、周りから放置され、孤立したように感じることもあります。
このように、男女の考え方や望むコミュニケーションは180度違うものなのです。
気を遣って声をかけたつもりなのにママに伝わらないのはなぜ?
パパはママに気を遣っているつもり。でも、ママは不機嫌モードのまま。
あるいは、「気遣いが足りない」「もっと気にかけてよ!」と言われてしまう。
そんなすれ違いが起こることは、珍しくありません。
それも、男女の好むコミュニケーションの違いや、受け取り方の違いにあります。
上で述べた通り、男性は仕事や作業、考えごとをしている途中であれこれ声をかけられるのを嫌う傾向が強いもの。しかし、女性は反対に、周りからの声がけによって安心感を得るものです。そのため、パパが気を遣って声をかけたとしても、ママはそれでは物足りないと感じることも。
また、男性と女性では重視するものも違います。
男性は物事の結果を求め、結果が一番大切であると考える一方、女性はその結果を導くためのプロセスに重きを置くため、パパが結果だけを褒めたり認めたりしても、ママは納得してくれないこともあります。
これは、仕事で考えるとわかりやすいかもしれません。ある仕事が成功を収めた時、上司から
「一部は問題があったが、結果は大成功でよかった」
と言われたとしましょう。この上司の言葉に、男性は「大成功か、バンザイ!」と単純に結果だけを喜ぶのに対し、女性はプロセスに目を向けてしまうため、「大成功でも問題があったのね」と、素直には喜べないことが多いのです。
ママは、自分が努力してきたプロセスを認めてもらえないと納得しません。
結果よければ全て良し的な考え方をするパパにとって、プロセスはさほど重要ではないため、ママが気遣って欲しい、褒めて欲しい、認めて欲しいと考える部分をスルーしてしまっている可能性は十分にあります。
そのため、結果的に声をかけても的はずれなことになってしまう、というわけなのです。
今日からすぐに使おう!ママが喜ぶ声のかけ方3選
- 物事の結果よりもプロセスを大切にする
- プロセスごとに声をかけて認めてもらうことで安心する
という特徴を持っています。たとえ結果が良くなくても、努力したプロセスを認めてもらうだけで、ママは嬉しいものです。
子育てにおいては、そう簡単に目に見える結果が出ないだけに、パパはママのことを褒めたり認めたりすることが少なくなりがちです。しかし、意識してママに声をかけるだけでも、夫婦の関係は想像以上によくなります。
以下に、「パパがママの努力に気づいて認めている」ということが伝わる声のかけ方の例をまとめてみましたので、今日から早速実践してみましょう。
1.ママの努力に感謝を伝える声のかけ方
子育て中の一日は実に慌ただしく、あっという間に過ぎていきます。赤ちゃんの体調や機嫌によっては、お昼寝もせずに1日泣き通しのこともありますし、ママの体調がすぐれないこともあるでしょう。家事をするにしても、泣いている赤ちゃんをあやしながら、通常の倍以上の時間をかけているかもしれません。
ママは一日中、パパの見えないところで頑張っているのです。それを想像して、一日の終わりにこうした言葉でママに感謝を伝えることを日課にしてみてはいかがでしょうか。
子育て中は外とのつながりも薄れますし、他人から認められたり感謝されたりすることが少なくなりますので、パパがママの頑張りを言葉にして認めてあげてください。
2.赤ちゃんの成長とママの育児を認める声のかけ方
赤ちゃんが成長した様子が見られた時、それにパパが気づいて、ママの子育てを認めたり褒めたりしてくれるのはとても嬉しいものです。
子育てにはこれという正解はありませんので、ママは常に不安を抱えています。一番身近な存在であるパパが「大丈夫だよ」という気持ちを込めて、日々の子育てを認めてあげましょう。
赤ちゃんが笑った、喃語を発したなどちょっとした成長も、ママの努力があるからこそ、ということを言葉にしてあげてください。
3.大変さを理解してねぎらう声のかけ方
赤ちゃんの夜泣きやぐずりで大変な時期は、ママも相当なストレスがたまります。しかし、外で仕事をしているパパに負担をかけまいとして、1人で抱え込んでしまうことも多いもの。そうしたママの気持ち察して、苦労をねぎらってあげましょう。
子育てをしていてママが最も辛いと感じるのは、眠れない、一人になれないという部分。それをパパが理解してくれると、ママは「わかってもらえた」という安心感を得られます。
しかしこの場合、ただ大変さをねぎらう言葉を伝えるだけでなく、パパも率先して家事をする、ママが一人になれる時間を確保するなど、実際にママをサポートする行動が伴っていることが望まれるかもしれません。
「大変だね」と声をかけるだけなら、赤の他人でもできます。ハードルが高いでしょうが、夫だからこそ、ママの大変さをたまには肩代わりするのも気遣いのひとつでしょう。
いかがでしょうか?
言葉にして感謝やねぎらいの気持ちを伝えたり、ママのことを認めたり褒めたりすることはちょっと照れくさいと感じるパパも多いでしょう。しかし、女性はやはり、その時々で声をかけてもらいたいし、自分のしていることを認めてもらいたいと思う人が多いものです。
これも夫婦間の気遣いであり、コミュニケーションであると考えて、ぜひ積極的にママに声をかけてあげてくださいね。