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内部告発も…認可保育園を強制退園させられる時

認可保育園はきょうだいがいるとさらに複雑に

苦労して獲得した認可保育園の枠は絶対に手放したくない!そんな風にママ達が思ってしまう現状ですが、実は「退園を迫られること」も充分ありえます。

そして「自分から申告しないといけないこと」もあるんです。

そんな認可保育園に入った後のことを紹介します。

変更届というものがある

認可保育園の入園は書類の審査で決まります。親が子どもを保育できない状況や、家族の状況などに関する書類を何枚も提出しますよね。

実は「提出した書類の内容と異なる状況になったら、それを自分で申告しないといけない」ことになっています。

例えば、日中、子どもを保育できない理由が「子どもの出産のため」だった場合、出産したら「保育できない理由」がなくなりますよね?

また、転職や雇用形態の変化などで就労条件が変わると、申請時に書類に書いた内容と違う状況になりますよね?

さらに「育休中」で申請していたものの、認可外保育園に預けるなどして仕事に復帰したら「認可以外の場所に預けて働いている」ということになりますよね?

こうした「申請したときとは異なる状況になった場合」は、必ず書類で市役所に連絡しなければなりません。この変更届を知らなかったり、忘れている人は意外に多いようですよ。

虚偽申請で退園させられることも

認可保育園の申請は間違ってはならない
待機児童数が多い自治体や、まめにチェックしている自治体の場合、「現状確認」として抜き打ちで(?)就労状況などの審査が入ることがあります。

この時に、申請していた時と違う状況にあった場合は「虚偽申告で不正に在籍資格を取得し続けていた」という風に判断されて強制的に退園させられる可能性もあります。

というのも、状況が変わって再審査した場合「待機している他の人の点数が高くなり、そちらを優先すべきと判断されるケース」があるんです。

退園の容赦ない現実
保育園利用の必要性が低い人を優先して入園させていた、となると不平等ですよね?

実際に強制退園を迫られるケースは少ないようですが、子どもが入園してからリストラなどで退職したけれど預けている。そんなケースもあります。

この事実を自治体が把握すれば高い確率で退園を迫られるでしょう。

自治体は「書類で状況を確認し、点数化し、入園の可否を判断」します。いくら「そんなつもりではなかった」と言っても、書類を出していないと「虚偽申告」と判断されても仕方がありません。どこの自治体も待機児童が多いので「変更届」「自己申告」に注意したいですね。

内部告発もあるよ

認可保育園入園に不正が有ると足元をすくわれます
待機児童が多く、また兄弟姉妹で同じ保育園に入園できるかどうか。そんなことでピリピリしがちな今、実は保育園に子どもを預けている保護者から「Aさん、不正入園している!」という連絡が自治体に入ることもあります。

壁に耳あり障子に目あり、と言いますが、周囲のパパ・ママや近所の人の目に晒されていることを忘れてはいけません。

何が何でも認可保育園に子どもを入れたくて、会社経営している親戚に頼んで従業員にしてもらう等して入園した。そんな人も、いつ、指摘が入るかわかりませんよ。

ちょっとツライのは、私のように自宅で仕事をしている人です。大抵、服装はいつもラフですし、なにより在宅ですから「本当に仕事しているの?」と疑われやすいんですね。私はフリーランスで仕事をするようになった時、個人事業主として開業届を税務署に提出しました。その書類に「屋号」を書きました。法人ではありませんが、会社名のようなものを決めて届出書に書いたんです。そして、この屋号入りの表札を作って玄関に掲げてあります。

仕事でやり取りする書類の中に、屋号名で送られてくるものがあって表札が必要だった、ということもありますが、保育園などでの予防策でもあります。もちろん、自治体に提出した入園申請書類に、この屋号名も盛り込んであります。

監視されたり、チクられるような感じがして嫌だなぁ、と思うかもしれません。ですが、それくらい認可保育園を切望する人が多い、ということと言えるでしょう。

下の子の育休中になったら強制退園?!

これは裁判になったので多くの方が知っていると思います。上の子を認可保育園に預けて仕事をしていたが、下の子を妊娠・出産して育休中となった時に「日中、親が子を保育できない状況とはいえない」として、上の子が認可保育園を退園させられた、という事例です。

自治体の言い分
そもそも育休というのは、子どもを保育するための制度。会社を休んでいるが籍を置いたまま社員の身分を保証されている状態で、手当ももらっている。会社側からそうした配慮を受けながら「日中、子どもを保育できない状況にある」として認可保育園の枠を確保し続けるのは矛盾している。

親の言い分
乳児の世話をしながら、上の子の世話をするのは非常に大変。また、下の子の育休明けに兄弟・姉妹を揃って保育園に預けられるのか? 再度、保活した時に確実に仕事復帰できる保証はあるのか? そのような状況では安心して子どもを産み育て、社会で女性が活躍することはできない。

乳児を抱っこして記者会見に臨むママ達の姿を私は複雑な気持ちで見ていました。あの場に居ること自体、本当に大変だったと思います。裁判に打って出た覚悟は相当なものだったと推察されます。

ですが、私は100%賛成! という気持ちで原告側のママ達を応援する気にはなれませんでした。

私は長女(早生まれ)の保活で非常に苦労しました。「育休中は認可に預けられません」と自治体の担当者にバッサリと切り捨てられました。そして長女は認可保育園に入れないまま小学生になりました。保育園は保育できない理由・優先度が高い人から順に預ける権利を得られる所、と理解していました。だから私は認可外保育園を必死に探し、姉妹で預け、毎月15万円近い保育料(通常保育料+時間外保育料+教材費など)を支払い続けていました。

これでも認可外を確保できたからマシな方だ、と思っています。こんな私は「なんだかワガママにも聞こえる言い分だなぁ。その枠があったら待機している子が入園できて社会で活躍できる女性がいるんだよ?」と思ってしまいました。

「保育園落ちた! 日本しね!」とブログで叫んだママもいます。彼女と同じような境遇の人が「私は今、育休中で家に居ます。でも、育休明けの私が安心して仕事復帰できるように、認可の枠を確保したままにしてね」というような言葉を聞いたら、どう感じるでしょう? 今すぐ、その枠が欲しい! と切望する人が居るのも事実です。

でも「安心して子育てし、社会で活躍したい」というのも理解できます。長期的な目で見れば、子どもの入園枠が確保されている、ということは、子どもを産み育てながら安心して仕事も続けられる、ということに繋がるとも言えます。

自治体の言い分も、退園を迫られた親の気持ちもわかります。でも、待機している親の気持ちも痛いほどわかります。こっちを立てればあっちが立たず。非常に難しい問題ですよね。

あの裁判以降「上の子が年長なら、親が下の子の育休中でも預け続けられる」というように柔軟な対応をする自治体も出てきているようです。退園を迫るが、下の子の育休から仕事復帰する時に優遇する、とか、自治体も対応を考えているようですね。

待機児童が増え、大きな社会問題となっている今、入園できた子どもも、入園を待つ子どもも、本当に不安定な状況にいると言えるかもしれません。

自分のこと、待機児童のこと、将来のことを考えよう

認可保育園の問題は難しい
保育園は決して「入った者勝ち!」ではありません。状況が変われば、変更届が必要です。まして、虚偽申請で入園枠を確保することはもってのほかです。

しかし育休中の退園、という社会問題があるように将来の日本、社会進出する女性のことを考えると「今の保育園入園制度がベストか?」疑問に思えます。

いろいろな問題提起をし、色々な立場の人達が意見を出し合って制度や社会を改善していくものですよね。

自分のこと、来年のこと、もっと先の日本の社会のことなど、広い視野で考えながら意見を発出していきたいですね。

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