赤ちゃんが離乳食を始める時期になってくると、気になるのがアレルギーです。
毎日離乳食を作ったり食べさせたりするママは、アレルギーを避けるため、とても気を遣っています。
しかし、そんなママを見て
- 「どうしてそんなに必死なの?」
- 「そんなに神経質にならなくてもいいんじゃない?」
と不思議に思うパパもいるのではないでしょうか。
しかし、ママが離乳食に気を遣うのはちゃんとした理由があるのです。
ここでは、パパ向けに、離乳食期に気をつけたいアレルギー対策の基本についてお伝えします。
なぜ離乳食はゆっくり進めなければならないの?
赤ちゃんの消化器官はまだ未熟です。
そのため、母乳やミルク以外の食べ物はゆっくり、一口ずつ様子を見ながら食べさせることがすすめられています。
特にタンパク質は、未熟な腸では分解できないため、そのまま吸収されます。そうすると、そのタンパク質に対する抗体ができ、次に同じタンパク質が体内に入った時に、アレルギー反応を起こす可能性が出てきます。
赤ちゃんのアレルギーは、消化機能が成長するにしたがって解消することも多いものですが、一度アレルギー症状が出てしまうと、その食品を除去する必要があります。
特に、卵や乳製品などは、さまざまな加工食品に含まれているため、除去するのが非常に大変ですし、手間がかかります。それを避けるためにママは慎重になって、ゆっくりゆっくり離乳食を進めているのです。
まず、パパはこの点を理解しておきましょう。
アレルギーを予防するための離乳食のポイント
それでは、アレルギーを予防するためにママが行っている離乳食の進め方のポイントを説明しましょう。
1.初めて食べるものは1日1つまで
赤ちゃんが初めて食べるものは、1日1つの食品までにとどめます。これは、複数の新しい食品を食べさせると、もしもアレルギー症状が出た場合に、どの食品が原因かわからなくなってしまうためです。
2.初めてのものは平日の昼間に食べさせる
もしも、新しい食品を食べさせてアレルギー症状が出た場合、すぐに病院へ行く必要があります。そのため、ママは平日の昼間、かかりつけ医がやっている時間帯に初めての食べ物を食べさせます。
決して、パパがいない時を狙っているわけではありませんから、誤解しないようにしましょう。
3.アレルゲンになりやすい食品は慎重に
パパは、どんな食品がアレルゲンになりやすいかご存知でしょうか?
よく知られている3大アレルゲンの卵、小麦、乳製品のほかにも、ごま、魚介類、ゼラチン、大豆、りんご、バナナなど、アレルギーの原因となる可能性がある食品は意外に多いものです。
こうした食品は、それぞれ与え始めてよい時期になってから、少しずつ様子を見ながら食べさせます。
パパに注意してもらいたいこと
離乳食はママにお任せというパパも、赤ちゃんのアレルギーを予防するために、次のようなことには注意しましょう。
1.ママに内緒で食べ物を与えない
赤ちゃんが欲しがるからといって、自分が食べているご飯やおつまみを勝手に離乳食期の赤ちゃんに食べさせるのはNG。
赤ちゃんが今どんな食品を食べているか把握していない場合は、勝手にいろいろなものを食べさせないようにしましょう。
2.避けるべき食品を知っておく
離乳食について、詳しいことは知らなくても、避けるべき食品、食べさせてはいけない食品についての知識は持っておきましょう。
- はちみつや黒砂糖にはボツリヌス菌が存在し、非常に重篤な感染症を引き起こすと言われています。1歳までは絶対に食べさせてはいけません。
- 生卵、刺し身など生の状態で食べるものは、アレルギーとともに細菌感染を起こしやすいため、2~3歳くらいまでは避けます。
- また、そば、えび、カニなどアレルギー性が強い食品も3~4歳までは避けた方が無難です。
3.パパの実家の食卓では目を光らせる
おじいちゃんおばあちゃんが、赤ちゃんにいろいろなものを食べさせようとして、ママとトラブルになるケースは多いものです。
パパやママの親の世代は、生後2ヶ月から果汁やスープを与えることをすすめられてきていますから、赤ちゃんにも同じように接してしまう可能性があります。
また、現在ほどアレルギーを持っている子供が多くなかった時代に子育てをしているため、アレルギーに対して理解がなかったり、鈍感だったりします。ですから、自分の実家で、両親が赤ちゃんにむやみやたらと何かを食べさせようとする場合は、パパがしっかりと「ダメ」と伝えてください。
もちろん、ママも赤ちゃんを守りますが、ママがいくら「食べさせないでください」「まだ早いので」と言っても、舅や姑は、嫁の意見を都合よく聞いていないことも多いものです。ここは、パパがしっかり制止し、おじいちゃんおばあちゃんがママに内緒で赤ちゃんに何か食べさせようとすることがないよう、目を光らせましょう。
赤ちゃんのオムツ交換やミルクの授乳、寝かしつけなどは問題なくできても、離乳食についてはよく知らない、というパパは意外と多いのではないでしょうか?
ママのように完璧に、とまではいかなくても、離乳食の基本的な進め方や、アレルギーを予防するためのポイント、食べてはいけない食品については、知識として頭に入れておいてくださいね。