嫁姑問題はどの家庭にも、多少なりともあるものですが、それがいよいよ表面化してきたその時、夫としてどう立ち回るべきか、考えたことはあるでしょうか?
「自分の母親と妻の間に挟まれても、自分は中立の立場を貫く!」
なんて考えている夫もいるかもしれませんが、実はこの考えは危険を伴うものかもしれません。
家庭に裁判官はいらない!
意見の食い違う母親と妻に、なんとか仲良くして欲しいとの思いから、夫が家庭内で裁判官のような立場をとってしまうケースを、よく耳にします。
どちらの肩を持つわけでもなく、自分の母親と妻、どちらが悪いのかをしっかり見定めて、公平に接しようと考えている夫は、以外に多いのかもしれません。
しかし、そうした夫は、なぜか妻から愛想を尽かされてしまうことが多いようなのです。
その理由は簡単。
「家庭に裁判官はいらない。夫は常に妻の味方であるべき」
だからです。
本当に守るべきなのはどちらなのか?
嫁姑問題で上手く立ちまわるために大切なのは、夫が嫁の側に立つこと、そして嫁の愚痴は否定したり意見したりせずに、全面的に聞いてやること。
どちらが悪いかを判断することではなく、妻の味方をし、しっかり妻に寄り添うことです。
それを放棄して夫が裁判官になってしまうと、姑との関係に悩んでいる妻は、自分の味方がいないと感じ、孤立感を深めてしまうのです。
たとえ同居していたとしても、自分が守るべきなのは、ともに家庭を築いていく妻と子供であることを忘れてはいけません。
夫は、なぜか「母親+自分+妻+子供」をひとつのセットとして考えてしまいがちですが、そこから自分の母親を切り離す必要があるのです。
守るべきは妻と子供、そして、夫としての立場です。
決して、息子としての自分の立場を大切に守ろうと思ってはいけません。
嫁姑問題は嫁と姑だけの問題ではない。嫁姑夫の問題である
嫁姑問題は夫にとって妻と母親だけの争いではありません。夫は第三者ではなく当事者です。
例えば、姑が妻に毎日長電話をかけてきて迷惑しているケースを想定してみましょう。
妻は姑からの電話をムゲにはできませんので、仕方なく長話に付き合います。最初はにこやかに対応するかもしれませんが、やがて妻は夫に相談します。
それに対して夫は次のパターンで対応すると考えられるでしょう。
- 1)「母さんも寂しいんだから相手してあげてよ」と妻を説得する・・・妻が姑と夫に不満を持つ。
- 2)「妻が嫌がってるから」と母親を説得する・・・姑が嫁に不満を持つ。妻が夫に不満を持つ。
- 3)「非常識だから控えて欲しい」と自分の意見として母親を説得する・・・姑が夫に不満を持つ。
いかがでしょう。いずれにしろ誰かが夫に不満を抱く結果になります。つまり嫁姑問題は夫は第三者ではないのです。だからといって無関心を装ってスルーするのは最悪です。妻が一気に愛想を尽かします。
裁判官の立場に立つことは何もしていないことと同じ
夫が裁判官になるということは、家庭内の問題に「自分は関係ない」と言っているようなものです。
関係ないと思っているからこそ、公平な目でジャッジできると思ってしまうのです。
確かに、どちらの味方もせずに中立の立場を貫けば、自分は損も得もしなくて済むように思えます。
しかし、夫も家庭内の問題の当事者であることを忘れてはいけません。嫁姑問題は自分に関係ないなどと思わず、妻とともに戦う覚悟を持つべきです。
自分の母親とわざわざケンカしたり絶縁したりする必要はありませんが、公平な裁判官を装っていても、問題は何も解決しません。大岡裁きで一件落着などと悦に入っていても、実際は何もしてないのと同じです。
嫁姑問題が発生したら、常に妻の味方でいること。それが、夫としての役割だと考えます。