待望の赤ちゃんが生まれると、それまで良好だった嫁姑関係が、少しずつ変化していくことがあります。
その原因は、姑の過干渉。
- 「母乳はちゃんと出てる? 足りないんじゃない?」
- 「そんなに抱っこばかりしてたら、抱き癖がつくわよ」
などというお決まりのセリフを何度も繰り返したり、孫に会いたい一心でアポなし訪問をしたり、お宮参りや初節句などのイベントを勝手に仕切ろうとしたり……。こんな調子では、赤ちゃんを産んだばかりで精神的にピリピリしている嫁は、姑に大きな嫌悪感を抱いてしまうのです。
それなのに、肝心の夫が何もしてくれないために、ストレスをためる嫁は多いもの。
過干渉な姑を止めることなく、嫁にストレスを与える夫のままでいると、どうなってしまうのか、想像したことはあるでしょうか?
嫁が我慢すれば全て丸く収まると思ってませんか?
姑世代の女性は、自分の経験から、若い嫁に良かれと思ってアドバイスしたり、指導したりしたがる人も多いのですが、それも度を越してしまうと、単なる過干渉になってしまいます。
有益なアドバイスならありがたいのですが、頼んでもいないのに家事や育児に口を出し、ああしなさいこうしなさいと指示してくる姑は、嫁にとっては大きなストレス。
姑があれこれと口を出し、世話を焼くのは、夫にとっては「嫁のことを思ってしていること」「自分の母親の言うことだから正しい、過干渉ではない」と思えるかもしれません。
しかし、これは例えて言うならば、夫が嫁の父親に1日じゅうべったり張り付かれて、
- 「今日の仕事はどうだったんだ? ミスしなかったか?」
- 「それくらいの残業で疲れたなんて言うな! 俺の時は……」
- 「貯金はちゃんとしているのか?」
などと言われ続けるようなもの。想像すると、どれだけ鬱陶しくて厄介なものなのか、わかるでしょう。
また、「母親に注意するのは口答えするようで気が引ける」「そもそも面倒だから関わりたくない」という気持ちから、わかっていてもあえて何も言わない夫もいるかもしれません。
しかしそれは、裏返せば「嫁さえ黙って我慢していれば、丸く収まる」と、ひそかに思っている証拠ではないでしょうか?
自分が母親に逆らうことで、怒らせて面倒なことに発展したり、うるさく責められたりするのが嫌だからこそ、嫁に我慢させてやり過ごそうとしているのです。
きちんと話し合いができないのは「エネ夫」の証拠
本来、妻の味方であるはずなのに、嫁をないがしろにしたり貶したりして、エネミーつまり敵となってしまう夫は、ネットではしばしば「エネ夫」と呼ばれることがあります。
そのエネ夫の特徴として、
- 姑の肩ばかり持ち、嫁の味方やサポートをしない
- 姑と一緒になって嫁をけなす
- 姑の言うことは絶対で、姑になんでも従う
などがありますが、もうひとつ大きな特徴として「きちんと話し合いができない」というものがあげられます。
これこそ、夫の「面倒」「嫁さえ我慢していれば」という気持ちが如実にあらわれている特徴。
エネ夫は、姑の話になり、嫁から過干渉を何とかするように言われても、すぐに逃げたり、話をそらしたりします。挙句の果てには、
「お袋の気持ちも考えろよ!」
などと逆ギレしておしまい。真剣に話し合わず、正論で追い詰められると、わざと不機嫌になってかわそうとする。
姑の過干渉という問題で嫁が苦しんでいることを知りながらも、エネ夫は「面倒だから嫁が我慢すればいい」という自分勝手な気持ちが勝っているため、建設的な話し合いをせず、真剣に問題の本質と向き合うことを避ける傾向が強いのです。
嫁に我慢させ続けていると最悪の結果になることも
こうして、自分の母親が家事や育児に過剰に干渉し、嫁がどんどんストレスをためているのに、まともに問題を解決しようとせず、のらりくらりとかわし続けるエネ夫に、未来はありません。
姑の過干渉は、時に離婚の原因にもなり得るほど、嫁にとっては苦痛なことです。それなのに、どんなに夫に訴えても、夫は姑の味方。
「まあ年寄りの言うことだし、ちょっと我慢してよ」
なんて言うだけで、何もしてくれない。ストレスは溜まる一方。そうなれば、嫁は自分を守るためにストレスの原因から遠ざかるしかありません。
過干渉な姑を放置して、嫁に我慢を強いていれば、いずれは別居や離婚という最悪の結果となることも考えられるでしょう。
夫婦関係に大きな亀裂を入れたくないのであれば、自分の母親がしていることを客観的に見て、嫁がどう思っているのか、どうして欲しいのかをきちんと聞いて理解し、誠意を持ってしっかりと対処することが大切です。
既婚女性を対象としたあるアンケートでは、嫁姑問題の中で最も多いのは姑の過干渉であり、嫁姑問題があると回答した7割近くの女性が「夫は嫁姑問題があることを知りながら、何も対処してくれない」と感じているという結果が出たそうです。
いつまでも「お袋が一番」ではいけません。
夫が守るべき、味方すべきなのは、自分の母親ではなく、嫁です。嫁が我慢すれば丸く収まるというエネ夫のような考えは早く捨てて、過干渉な自分の母親としっかり対峙してください。