
生後5か月からスタートする離乳食ですが、なかなか食べてくれなくて頭を悩ませるママも少なくありません。そして体重が増えないどころか、減ってしまうケースもあります。
そんな離乳食を食べなくて体重が増えない時の対処法を紹介します。
母乳がメインではなくなる月齢
生後5か月頃に離乳食を開始しますよね。離乳食=食事で栄養を摂る、と考えがちですが、スタートさせたばかりの頃の離乳食に栄養面でのメリットはほとんどありません。
最初の一か月くらいは母乳やミルク以外のものを口に入れることに慣れたり、顎や舌の使い方を練習するのが目的です。
離乳食に栄養面でのメリットが出てくるのは離乳食をスタートさせて3か月くらい経ってからです。
生後9か月頃になると母乳やミルクから得る栄養が40%くらいで、離乳食から得る栄養が60%くらいになります。この頃になると離乳食の方が栄養面で重要になってくるのです。
生後9か月を過ぎても離乳食を食べる量が増えなくて母乳がメインでは、得られるエネルギーが足りないだけでなく、ミネラル類も不足してきます。このため、鉄分などの栄養素が不足したり、体重が増えない(または減っていく)ということになります。
体重が増えないのは、摂取するエネルギーよりも消費するエネルギーの方が多いからです。体重はエネルギーの過不足をチェックするバロメーターになるので、定期的に測定してみてください。
赤ちゃんの体重の測り方
赤ちゃんの体重は自宅で簡単に測れます。次のような順序で測定してみてください。
- (1)赤ちゃんを抱っこして体重計に乗る
- (2)赤ちゃんを降ろして体重計に乗る(自分の体重を測る)
- (3)(1)-(2)=赤ちゃんの体重
ざっくり測定するだけでOKなら、100g単位で体重が表示されるデジタルの体重計を準備しましょう。
10g単位で表示されるデジタルの体重計は少々、値段が高くなります。なお、アナログの体重計なら安くて細かなメモリまでチェックできていいですよ。
他にも、ショッピングセンター内にある赤ちゃんルームや赤ちゃん用品店で体重測定ができることもあります。月1回くらいは体重を測定して成長具合をチェックしてみてください。
2種類ある赤ちゃんの成長
赤ちゃんの体重が増えなければ心配になりますが、次のような時は過度に心配せず、様子を見てみてください。
赤ちゃんの体の成長には、背が伸びる成長と体重が増える成長の2種類有ります。体重が増えていないけれど背がドンドン伸びているような場合は、ちゃんと成長しています。大丈夫ですよ。
また、体重の増え方が鈍くても、成長曲線の中に体重が納まっている場合も様子をみるよう、医師に言われるケースが多いようです。
そして成長曲線を外れていても、もともと小さく生まれていて小さいなりに成長し続けていたり、一時的に体重増加が止まっているような場合も「様子をみましょう」と言われるようです。
体の大きさ、成長度合いは子供によって大きく違います。赤ちゃんは体重を定期的に測定して、どれくらいの割合で体重や身長が増えているかチェックするようにしてください。
早急に手をうたなければならない&病気の心配があるのは、急激に体重が減ったり、成長曲線の中にいたのに大きく外れてしまうケースです。このような時は小児科で医師に診てもらったり、保健師などに相談するようにしてください。
体重を増やすには炭水化物
手っ取り早く体重を増やすには、炭水化物を多く摂ることです。炭水化物といえば、米、パン、麺類です。
赤ちゃんの場合は、おかゆ、軟飯、白飯、うどんの中で食べやすいものを選びましょう。パンも小麦粉がメインで炭水化物が摂れますが、バターや砂糖といった脂肪分や糖分も多く含まれています。
菓子パンばかり食べるようでは、いわゆる「お菓子しか食べない」という問題が心配です。できれば、菓子パンはおやつ程度にして、いわゆる食事(主食・主菜・副菜を食べる食事)に慣らしていくようにしたいですね。
体重増加と食育|役割の異なる2種類の離乳食を用意しよう
赤ちゃんの中には、とろみが付いた飲み込みやすいおかゆが好きな子もいれば、比較的硬いご飯の方が好きな赤ちゃんもいます。
体重が増えない赤ちゃんの場合は
- とりあえず食べるご飯
- ステップアップしていく離乳食
の両方を食事に取り入れてください。
とにかく体重を増やすことを第一目標に掲げて一定量を食べさせ、離乳食の食育(食事の大切さや質)は少しずつ後から追加するイメージでいきましょう。
赤ちゃんの大好きな旨みで離乳食を大好きになったもらおう
おかか・青のり・のりなどを砕いてご飯にのせたり、だしやほんの僅かですがしょうゆを使ったスープで食欲をそそったり工夫してみてください。
赤ちゃんには生まれつき体得している甘味、旨味、塩味という味覚があります。甘味はお米、旨味はだし汁、塩味はしょうゆ、この3つで「美味しい!」と感じさせましょう。
うどんは小麦粉なのでエネルギー源になりますし、消化しやすく、お腹に優しい炭水化物です。また、塩を含んでいるので塩味があり、だし汁で食べると旨味もプラスされて、赤ちゃんは「美味しい!」と感じるでしょう。
お米をあまり食べない赤ちゃんは、うどんの方が合うこともあります。固さ、トッピング、旨味やほんの僅かな塩味などで赤ちゃんの食欲をそそり、炭水化物をできるだけ多く体に入れるようにしてみてください。
混ぜご飯がお勧め!
食が細かったり、なかなか集中して食べてくれない赤ちゃんには、混ぜご飯がお勧めです。
大人で言えば、どんぶり飯です。おかゆや軟飯におかずになるものを混ぜる献立をメインにしましょう。
ご飯とおかずを混ぜてしまう混ぜご飯なら、一口で炭水化物とタンパク質、ビタミン類などをまとめて摂ることができます。
少ない回数で多くの食材を口に入れることができるのでママも楽ですし、赤ちゃんも色々な味で変化が付けられたお粥や軟飯が食べられるので、食欲が出てくるのではないでしょうか。
洗い物(食器)も少なくて済みますし、献立も丼と決めておけば悩まずに済みますね。
食べる量が少ない子の体重を増やすには
赤ちゃんの中でも、食が細い子って居ますよね。なかなか食べない赤ちゃんは、どうしても1回の食事の量が少なくなってしまいます。
離乳食は5~6か月頃は1日1回食、7~8か月くらいに2回食、9~11か月くらいは3回食が目安です。
ですが、1回に食べられる量が少ないなら、離乳食の回数を思い切って増やしてみましょう。
朝・昼・夜以外にも、午前中のおやつ、午後のおやつ、寝る前など、チョコチョコと離乳食を口にする機会を設けてみましょう。
おやつにも小さなおにぎりだったり、パンだったり、手軽に口に運べる炭水化物を準備しておくといいですよ。
離乳食の栄養バランスは大丈夫?
離乳食の柔らかさや食材を選ぶ以外に、食べさせているものの内容(なにを食べさせているのか)を見直すのもひとつの方法です。
- 「果物なら食べるから」といって果物ばかり食べさせている
- 「お菓子なら食べる」といって、おやつばかり食べさせている
- 重湯やつぶしがゆなど、水分が多く固形物が少ない離乳食ばかり食べている
こうした場合は食事の内容を変えましょう。果物やお菓子は糖質が多くて満足感を得やすく、赤ちゃんも喜んで食べますが体の成長を促す栄養素が足りません。
炭水化物とタンパク質をバランスよく組み合わせて多く食べさせるようにし、お菓子や果物の量をは控えめにしましょう。
離乳食を食べてもらえず不安な時は
なかなか離乳食を食べられない場合は、フォローアップミルクを活用してみてください。
離乳食を食べる時や、おやつを食べる時の飲み物にフォローアップミルク利用してみてください。そうすれば、カロリーやミネラルなどの栄養素を手軽に摂ることができます。
また、シチューのようなスープ類を作る時にフォローアップミルクを活用するのもお勧めです。ミルクが苦手というママも居ると思いますが、赤ちゃんの体重が増えない・減ってしまうなら利用してみてください。
月1回の体重測定で成長曲線をチェックして
体重が増えない時は、ついついこまめに測定したくなりますよね。しかし、毎日のように体重を測定し、その増減に一喜一憂するのはやりすぎです。
月1回、身長と体重を測定し、約1か月間でどれくらい増えたのかチェックするくらいにしましょう。
あまりに体重を気にしすぎて、楽しく食べることを忘れてしまうと、そのストレスや辛さが赤ちゃんにも伝わってしまいます。
離乳食を食べさせるときは笑顔で赤ちゃんのそばに寄り添い、離乳食の内容を見直したり、回数を増やしたりしながら、赤ちゃんにあった方法を探っていってください。