
手足の動きが活発になってくる生後3ヶ月の赤ちゃん。新生児の頃よりも視力も少しずつ発達してくるため、パパやママの顔を目で追ったり、目の前でガラガラなどを振ると見つめたりすることも増えてきますよね。
この頃になると、赤ちゃんはおもちゃを握ったり口に入れたりして遊ぶことができるようになってきます。
そこで今回は、生後3ヶ月の赤ちゃんへの
- おもちゃの与え方や遊び方
- おもちゃの消毒方法
- おもちゃに興味のない赤ちゃん
- 赤ちゃんとテレビとの関係
などについてお伝えしていきましょう。
生後3ヶ月になったらおもちゃは必須? 赤ちゃんへのおもちゃの与え方
赤ちゃん向けのおもちゃは、いつから与えなければならないという決まりなどはありません。
しかし、せっかく自分の思うように手足を動かせるようになってきて、首も座り始め、視力も発達し始めてきた生後3ヶ月くらいからは、赤ちゃんの興味を引くようなおもちゃで遊んであげるのは、発達を促すためにも良いことだと言えます。
生後3ヶ月頃から使えるおすすめのおもちゃ、人気のおもちゃには、次のようなものがあります。遊び方のポイントとともに、取り上げてみましょう。
ガラガラ、ラトル
赤ちゃんが握りやすい形で、振ると心地の良い音がするガラガラ。ラトルと呼ばれることもあります。赤ちゃんの手の動きや握る力を鍛えたり、色や音の刺激を与えたりするおもちゃです。
最初は赤ちゃん自身で握ることが難しいため、パパやママが手に持って赤ちゃんの顔の前で動かして、色を見せたり、音を聞かせたりすることから始めましょう。ガラガラを目で追い、手を伸ばして握りたがるようなら、赤ちゃんの手に持たせてみます。
赤ちゃんがガラガラを握って振ると、自分の顔に当ててしまうこともありますし、ガラガラを口に入れることもありますので、固い素材のものは避けて、布などでできた柔らかいものを選んでくださいね。
歯固め
赤ちゃんの歯が生えるのは、早い子で4~5ヶ月頃からと言われています。
歯固めは、歯が生え始めるむず痒さを緩和し、赤ちゃんのぐずりを予防するために有効だとされるアイテムですが、生後3ヶ月ころから使えるものもたくさんあります。
赤ちゃんは何でも口に入れてものを確かめる傾向があるため、最初から口に入れることを想定して歯固めをおもちゃとして与える方法も有効ですね。
ガラガラと同じように、赤ちゃんの顔の前で動かして興味を持ってもらい、赤ちゃんに握らせたり、あるいは口に近づけて吸ったり噛んだりしてもらってみましょう。
布絵本
髪の絵本だとまだ持って読んだり遊んだりすることが難しい赤ちゃんでも、布で出来た柔らかい絵本なら、握ったり引っ張ったり自由にしながら遊ぶことができます。
見て、読んで、握って、触って、いろいろな方法で楽しめる布絵本は、早い時期から使える知育玩具のひとつです。パパやママが読み聞かせしてあげながら、赤ちゃんに布絵本を触らせて、さまざまな感触を楽しませてあげましょう。
ガラガラや布絵本などは、手作りをするママも多くいます。身近な材料を使っておもちゃを作ることも育児の楽しみのひとつですから、手芸が得意なママはぜひこの機会にチャレンジして、世界で一つだけのおもちゃを作ってあげてはいかかでしょうか。
そのほか、目で見て、手を伸ばしたり触ったりして楽しめるオルゴールメリーやベビージム、起き上がり小法師、赤ちゃんが掴みやすく柔らかいオーボールなども、赤ちゃんのさまざまな感覚を刺激し、月齢が上がるまで長く楽しめるおもちゃです。
赤ちゃんのおもちゃ、洗浄や消毒はどうする?
赤ちゃんは、手にしたものを何でも口に入れます。これは大切な発達の段階でもありますので、危険なものを口に入れるのでなければ、無理にやめさせる必要はありません。
しかし、赤ちゃんが口に入れて舐めてしまうことも多いおもちゃは、そのままにしておくと雑菌が繁殖するおそれもあるため、清潔を保つためにも次のような方法でこまめに消毒しましょう。
薬液消毒
プラスティック製、シリコン製のおもちゃは流水で洗った後に、哺乳瓶と同じようにミルトンなどの薬液に漬けておきます。
煮沸消毒
大きめの鍋にお湯を沸かし、おもちゃを入れて煮立たせます。素材によっては煮沸消毒できないものもありますし、熱を加えると変形や褪色が見られるものもありますので、事前によく確認しましょう。
洗濯、日光消毒
布でできたおもちゃの場合は、洗濯洗剤などで洗えるものは洗い、よくすすいでから日光に当てて乾かします。薬液消毒も煮沸消毒もできないおもちゃは、流水で洗うかウェットティッシュなどで拭いて、日光消毒しましょう。
ウェットティッシュは、アルコールや香料などが含まれているものはできるだけ避けた方が良いかもしれませんね。
また、赤ちゃん用のおもちゃを消毒・除菌する専用のスプレーも販売されています。自然由来の原料や、赤ちゃんの体に影響が少ないと考えられる成分を使っているものも多くありますので、そうした商品を使うとより安心です。
おもちゃの消毒についてはそれほど神経質になる必要はありませんが、赤ちゃんがハイハイなどを始めて何でもかんでも口に入れるようになる頃、生後5~6ヶ月までは念の為に気をつけたいところです。
おもちゃに興味がない赤ちゃん、どうして?!
赤ちゃんの中には、ガラガラや歯固めなどに興味を示さない子もいるようです。目の前でおもちゃを動かしても目で追わなかったり、ガラガラを握らない、あるいはおもちゃに興味を持つどころかぐずって泣いてしまう、といった様子が見られると、不安になってしまうママも多いかもしれませんね。
赤ちゃんがものを握る「把握反射」
小さな赤ちゃんには、把握反射という、手のひらにあたったものを握ろうとする反射が見られます。
この反射は1歳くらいまで残ることもあるとされていますので、赤ちゃんの手におもちゃを触れさせるとそれを握ろうとする動きが見られます。
まだ手指の力は弱いため、おもちゃを握ってもすぐに離してしまうことも多いのですが、この反射を繰り返していると、生後4ヶ月くらいから赤ちゃんは自分の意志で物を握るということができるようになってきます。そのため、生後3ヶ月になったばかりの赤ちゃんがまだおもちゃを上手に握れないとしても、それは自然なことなのです。
赤ちゃんにもおもちゃの好みがある?!
小さな赤ちゃんにも好みや個人差があり、全ての赤ちゃんが同じようにおもちゃに興味を示すとは限りません。また、手や指の発達の早さもそれぞれ違います。「生後3ヶ月から」などと表示されているおもちゃを見ると「3ヶ月ならそろそろおもちゃで遊ぶもの」と大人は思い込んでしまいがちですが、決してそうではないのです。
おもちゃは好きでも握ることはそれほど好きではないという赤ちゃんもいます。
また、おもちゃを握ったとしても、まだ自分の思い通りには動かせないため、怒って泣いてしまう赤ちゃんもいるでしょう。もしかすると、おもちゃよりもパパやママが大好きで、抱っこして欲しい、もっと構って欲しいと思っている赤ちゃんもいるかもしれません。
おもちゃに興味がない、なかなかおもちゃを握らない赤ちゃんでも、普段からパパやママの指、自分の手、ガーゼや服などを握っている様子が見られれば、それほど心配はないでしょう。パパやママが赤ちゃんの手をとって遊んであげ、手や指の感覚を刺激してあげているうちに、知覚やものを握る力が発達していきます。
また、赤ちゃんはある日突然、今まで見向きもしなかったおもちゃに興味を示すこともあります。無理におもちゃを握らせようとする必要はありませんが、普段からいろいろなおもちゃを見せたり触れさせたりして、反応を観察してみるのは大切なことです。
生後3ヶ月からテレビはまだ早い? 幼児番組なら見せていい?
生後3ヶ月からテレビを見せているというパパやママは少ないでしょうが、上の子がいたり、パパやママにテレビをつけっぱなしにする習慣があったりすると、いつの間にか赤ちゃんもテレビに夢中……なんていうこともありますよね。
赤ちゃんとテレビの関係については、実にさまざまな議論がされ、多くの意見が見られますが、やはり小さな赤ちゃんに対しては、テレビは刺激が強く一方的な関わりにしかならないため、その影響を懸念する声が多いようです。
日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会では、乳幼児期のテレビの視聴についての提言を発表していますが、その中に、
- 2歳以下の子どもには、テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう
- テレビはつけっぱなしにせず、見たら消しましょう
- 乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せないようにしましょう
といったものがあります。
小さな赤ちゃんにテレビの画面を見せると夢中になっているように見えますが、それはテレビを楽しんでいるわけではなく、強い光や音の刺激によって赤ちゃんが画面を注視せざるを得ない状況になっているだけであると言われています。
また、一方的な刺激であるテレビを長時間見せ続けることで、対人コミュニケーションや体を使った遊びの時間が減り、
- 言葉の遅れ
- 表情が乏しい
- 視線が合わない
といった弊害が出るおそれもあるという指摘もされています。たとえ幼児番組であっても、テレビの刺激は赤ちゃんにとっては強いものであり、大切なコミュニケーションや運動の時間を減らしてしまうものであることを知っておきましょう。
生後3ヶ月であれば、パパやママとの遊び、コミュニケーションを通じて体も脳も情緒もどんどん発達する時期です。できるだけテレビに頼らず、赤ちゃんと遊んであげたいですね。
しかし、ママが手を離せないなどの理由で、ちょっとの間だけでも赤ちゃんの注意をひくためにテレビを見せておきたいという時は、
- 赤ちゃんとテレビとの距離を十分にとる
- 時間を決めて見せ、だらだらとテレビをつけておかない
- できればママが話しかけたり、赤ちゃんをあやしたりしながら見る
ということに気をつけてみてください。
以上、生後3ヶ月の赤ちゃんとおもちゃについてお伝えしました。
この時期の赤ちゃんは、多くのものから刺激をたくさん受けています。おもちゃで遊ぶほかにも、散歩や支援センターなどに出かけたり、体を動かす運動遊びを取り入れたりしながら、楽しく過ごしてみてくださいね。