
生後すぐ~3ヶ月頃は、赤ちゃんがぐんぐん成長する時期。それだけに、赤ちゃんの身長や体重の伸びが気になるものですよね。
ママは赤ちゃんを毎日スケールに乗せてみたり、授乳量や授乳間隔を気にしてみたり、成長曲線とにらめっこして不安になったりすることもあるでしょう。
そこで今回は、生後3ヶ月の赤ちゃんの身長と体重について、平均値や伸び方・増え方の目安、成長曲線の考え方、授乳との関係などをお伝えしていきましょう。
目次
生後3ヶ月の赤ちゃんの身長
まず、生後3ヶ月の赤ちゃんの平均的な身長を確認してみましょう。
平成22年の調査に基づく成長曲線を見てみると、生後3ヶ月の赤ちゃんの身長は、


- 男の子:57.5~66.1cm
- 女の子:56.0~64.5cm
このように示されています。男の子と女の子の平均的な身長は、およそ1.5cmほど違いがあることがわかります。
しかし、新生児期にはものすごいスピードで成長する赤ちゃんも、生後3ヶ月を過ぎると、そのスピードは一段落。身長の伸びも、ここからはゆるやかになっていきます。
成長曲線の考え方
乳幼児の成長曲線には「パーセンタイル値」というものが使われ、いくつかの曲線が帯状になった形で表されています。この帯の中のどこに赤ちゃんが入るかで、赤ちゃんの身長や体重が「100人のうち小さい方から数えて何番目か」ということがわかります。
たとえば、赤ちゃんの身長が10パーセンタイルの位置にあったら、100人いる赤ちゃんの中で小さい方から10番目、と判断できます。

成長曲線で示されるパーセンタイル値は3~97までの7段階があり、94%の赤ちゃんがこの範囲内で身長や体重が推移すると言われています。
単純に数字でとらえれば、6%の赤ちゃんは曲線内からはみ出してしまうと考えられますが、それはあくまで「平均的な数値より小さめ・大きめ」という集団の中での目安。成長曲線の範囲から外れる=病気や異常、というけではありません。
身長・体重の確認で大切なこと
大切なのは、我が子の身長の伸びや体重増加が、右肩上がりのカーブを描いているか、ということです。数値だけにこだわらず、全体的な推移を見て赤ちゃんの発育を考えましょう。
気になる身長、うちの子小さい?大きい?
赤ちゃんの身長を家庭で正確にはかるのは難しいものですし、毎日見ているとどれくらい身長が伸びているのかわからなくなりますよね。それだけに、発育の具合が心配になることも多いでしょう。
赤ちゃんの身長が伸びない時は
もしも赤ちゃんの身長がなかなか伸びていないのではと感じても、生後3ヶ月くらいであればまだそれほど不安になることはありません。成長曲線から大きくはみ出すほどでなければ、そのまま様子を見ていてOK。
赤ちゃんにムリをさせないこと
体重とは違い、身長は母乳やミルクを飲めばそれだけ増えるというものではありませんし、完全母乳かミルクかといったことも身長には殆ど影響はしないと考えられますので、あえて授乳の回数や量を増やすことも必要ないでしょう。
赤ちゃんの身長が伸びすぎている?
パパやママが平均より背が高い場合、赤ちゃんも生まれた時から身長が大きめであることも多いようです。しかし、こちらも成長曲線の上の線から大幅にはみ出しているのでなければ心配する必要はありません。
赤ちゃんによっては、身長が一気に伸びた後に体重が増えるなど、身長と体重が交互に増える時期もありますので、全体的な成長を見守りたいですね。
成長曲線からの多少のはみ出しは気にしない
いずれにせよ、月齢の低い赤ちゃんは寝かせて身長をはかるため、足や背中の伸び具合でどうしても誤差が出やすくなります。
そして、成長の仕方にはやはり個人差があるもの。少し長いスパンで身長の推移を考えるようにしましょう。
生後3ヶ月の赤ちゃんの体重
平成22年の調査に基づく成長曲線によると、生後3ヶ月の赤ちゃんの体重は、
- 男の子:5120~8070g
- 女の子:4840~7530g
となっています。男の子と女の子では、平均体重に約300~500g程度の違いがあるようです。
成長曲線の捉え方は、身長と同じ。帯の中のどの位置に赤ちゃんの体重があるかで、赤ちゃんの成長具合がわかります。
生後3ヶ月で体重は2倍
生後3ヶ月には、出生時の体重のおよそ2倍になっていると言われていますが、生後3ヶ月を過ぎてからの体重増加は落ち着くため、成長長曲線のカーブもなだらかになっています。
また、生後3ヶ月以降の体重増加の目安は、WHOによれば「完全母乳の場合、生後6ヶ月までは1週間で100~200gの増加」とされていますので、こちらも合わせて参考にしてみましょう。
体重が増えない?増えすぎる?授乳の量や回数との関係
赤ちゃんの体重増加を気にするママは、同時に授乳間隔や授乳量などについても不安や疑問を抱えていることが多いようです。
体重は授乳と密接な関係がありますので、それは当然ではありますが、ここでもう一度、赤ちゃんの体重と授乳の考え方についておさらいしてみましょう。体重の増え方の目安や、授乳方法について取り上げた過去の記事も合わせてご紹介しますので、ぜひご一読ください。
赤ちゃんの体重が増えない時は
先ほども書いた通り、赤ちゃんの体重は、生後3ヶ月を過ぎる頃から増加がゆるやかになります。首がすわり、手足をバタバタと動かしたり、早い赤ちゃんでは寝返りの練習を始めたりと、さまざまな発達が見られ、動きも活発になってきますので、その分消費するカロリーも多くなります。
そのため、この時期からは「今までどおりに体重が増えないのは当たり前」と理解しましょう。
その上で、赤ちゃんの健康状態、機嫌、運動の様子、授乳時の様子、排泄の様子などをチェックしてみましょう。
母乳やミルクをよく飲み、元気で過ごしていて、排泄の回数に問題がないようであれば、体重が増えなくなったとしても、もう少し様子を見ていてOKです。
この時期からは1日ではなく、1~2週間という少し長めのスパンで体重増加を見ていきましょう。
それでも体重が増えずに気になる時には、小児科医や助産師、保健師に相談した上で、授乳回数を増やしたり、ミルクを足したりする対策を取ってみましょう。また、生活リズムが整い、赤ちゃんの睡眠時間が長くなって、夜中に一度も授乳していない場合には、1~2回程度起こして授乳すると良いかもしれません。
赤ちゃんの体重が増えすぎていると感じたら
体重が伸び悩んでいる赤ちゃんを持つママにとっては羨ましい限りですが、赤ちゃんの体重が増えすぎるという悩みもやはり深刻なもの。しかし、体重が順調に増えているということは、それだけしっかりと栄養が摂れているということでもあります。
赤ちゃんのお腹が張っていたり、下痢や便秘をしていたりする場合を除き、あまり神経質に考える必要はないでしょう。それでも心配な場合は、まず医師や保健師など専門家に相談し、自己判断でおっぱいの回数を減らすことのないようにしましょう。
赤ちゃんの体重の増減と授乳の関係については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
また、授乳の回数や間隔と体重の関係についてはこちらでご説明していますので、合わせてご参考にしてくださいね。
身長や体重の伸びとともに、赤ちゃんの健康状態に注目!
赤ちゃんの身長・体重については、きっとどんなママも心配や不安を抱えることがあるかと思います。
育児書や情報サイトなどで、目安や平均の数値を見て、我が子と比較しては一喜一憂したり、個人差があると言われれば「どれくらいが個人差の範囲?!」と悩んだりすることもあるでしょう。
身長や体重のようにはっきりとした数値は、赤ちゃんの成長の安心材料でもありますが、同時にそれにとらわれ過ぎると、「こうでなければならない」と枠の中に赤ちゃんの成長を当てはめようとして、不要なストレスを抱える原因にもなります。
数値よりもママが注目し、目安とすべきなのは、赤ちゃんの健康です。生後3ヶ月を過ぎると、赤ちゃんの身長や体重の増え方は今までよりもゆっくりになります。
全く増えない時期も出てきますが、授乳量や飲み方、動き、機嫌、睡眠や排泄など、日々のこまかな様子をしっかりとチェックして、2週間~1ヶ月という今までよりも長い間隔で身長や体重の変化を見ていきましょう。