
離乳食は、なめらかな舌触りでトロトロの状態からスタートします。
水やミルクで伸ばしてもいいのですが、だしで伸ばすと旨味がプラスされて赤ちゃんの食欲をそそります。
つぶし粥を作る時、ゆで野菜を潰してのばす時、味をプラスしたい時にだしを使ってみてください。
赤ちゃんは甘味・旨味・塩味の3つを生まれつき体得していますので、離乳食では甘味と旨味をうまく組み合わせてあげましょう。
ここでは簡単、手軽にできる色々なダシの取り方を食育実践プランナーが紹介します。
洋風スープも立派なだし
私がよく活用していたのが洋風スープです。こちらもだし代わりに使えて便利です。
ニンジン、タマネギ、キャベツ、ダイコン、カブといった、あくが少ない野菜と水を鍋に入れ、沸騰したら弱火で10~15分くらい煮ます。
火を止めてあら熱が取れてから茶こしでスープをこしとりましょう。冷凍保存しておくと1か月くらい使えます。
圧力鍋で野菜をゆでたあと、具材を全てミキサーで潰してドロドロにし、スープも具材も全て離乳食に活用する、というのもお勧めです。これはだしというより、1品おかずを作ったことになりますね。
ニンジン、カブ、タマネギは熱を加えると甘味が増すので赤ちゃんの野菜デビューにお勧めです。離乳食の彩りも鮮やかになりますから、常備しておくと便利ですよ。
基本は和風だし!
人が生まれつき体得している味覚のひとつ、旨味をたっぷりと含んだ和風だしで赤ちゃんの食欲を引き出してあげましょう。
和風だしは保存容器に入れておけば冷蔵庫で3日くらい保存できます。大人の料理にも使えますから、多めにだしを作って保存しておき、毎日の料理に使ってみてください。
和風だしは塩分を控えめにします
和食は塩を加えることで美味しくなる! という話があります。確かに和食では塩をよく使いますし、日本人と塩は切っても切れない関係があります。
また、塩味も人が生まれつき体得している味で、多くの人が好んで口にする味なんです。しかし塩分の取りすぎは体によくありません。
特に未熟な赤ちゃんの内臓には塩分は大きな負担になりますから極力避けたいもの。そんな時に役立つのが和風だしなのです。
和風だし1:昆布だし
昆布だしは、2通りの取り方があります。
- (1)鍋に水400ccと切り込みを入れた昆布を入れて15分くらい放置した後、加熱。沸騰する直前に火を止める。
- (2)保存容器にたっぷりの水と昆布を入れて冷蔵庫で2時間放置。
病気に対する抵抗力や免疫力が心配なうちは(1)の加熱する方法が安心です。昆布だしだけで使ってもいいですし、かつおだしと混ぜて使うのもお勧めです。
和風だし2:かつおだし
ご家庭に5gずつ小分けになっているかつお節はありますか? それを使ってかつおだしを取りましょう。
- (1)鍋に水400ccを入れ、沸騰させる。
- (2)弱火にしてかつおぶし2パック(約10g)を入れて、3分くらい煮る
- (3)火を止めた後、あら熱が取れ、かつおぶしが沈むまで待ってから、茶こしやペーパータオルでこす
なんだか面倒! という方は、耐熱カップにかつおぶし1パックと熱湯200ccを入れ、3分ほど放置してから上澄みを利用する、という方法もありますよ。
和風だし3:にぼしだし
おばあちゃんがみそ汁を作る時ににぼしを使っていた! という方もいるかもしれません。私の祖母がそうでした。
にぼしは頭と内臓を取ってから鍋に入れ、水を加えて沸騰させます。2~3分加熱したら火を止めてあら熱を取り、茶こしやペーパータオルでこしましょう。
だしを取った後のにぼしは少々味気ないですが食べられます。佃煮にしたり、唐揚げにしたりして食べるのがお勧めです。
赤ちゃんの内臓はまだまだ成長中で、機能が充分ではありません。負担を掛けないためにも、塩や醤油、砂糖などの調味料は加えずに素材の味を活かして離乳食を作りましょう。
ただ、素材の味といっても、変化が欲しいと感じることもあります。そんな時は生まれつき体得している味である旨味を活かしましょう。
昆布、かつお、にぼし、野菜スープなど、色々なだしを使い、離乳食のレパートリーを増やしていってくださいね。