青色申告会をご存知でしょうか? 確定申告をしたことがある人や、税務署に足を運んだことがある人は知っていると思います。
フリーランスという形で仕事をする個人事業主になると、必ず一度はお目に掛かる組織です。どんなことをしている組織で、どんな特徴があるところなのか。簡単にまとめてみました。
青色申告会って知ってる?
確定申告の方法を「青色申告」にすると控除額が大きくなり、白色申告するより高い節税効果が期待できます。
青色申告をするためには税務署に「青色申告承認申請書」を提出しますが、この書類を提出すると、大抵「青色申告会」から連絡がきます。
というのも、この青色申告会は「簿記の知識がなくても正しく青色申告して、正しく納税しよう」という考え方を広めようとしている団体で「青色申告を正しくしている人に有益になることを税務署に訴えていく」という活動もしています。
そもそも青色申告というものは、事業内容を正しく記録し、帳簿を残し、正しい金額の税金をちゃんと納めよう、というものです。
収支を誤魔化したり、脱税するような人達が得をして正直者がバカを見るようなことは嫌ですよね。
正しく納税し、正しい納税方法を広め、そしてそれに応じた利益を得たいと国税庁や税務署に働きかける。そうした活動をしている団体です。
入会するとメリットは?
青色申告会に入会すると、他の納税者と交流できるだけでなく、次のようなメリットがあります。
- 簿記の知識がなくても青色申告を理解できるよう教えてくれる
- 無料で納税について相談ができる
- 青色申告の方法や帳簿の作り方に関する税理士の講義が受けられる
- 確定申告の際に、申請方法などについてアドバイスをもらえる
- 事業経営について相談できる税理士やファイナンシャルプランナーを紹介してくれる
- 青色申告会が運営する共済制度(病気やケガ、天災なども保証してくれる)がある
他にも、従業員を雇って小規模事業を担っている個人事業主にとって嬉しい、退職金共済制度や倒産防止共済といった共済制度もあります。
青色申告会は全国各地に支部があり、支部毎に行われている活動もあります。興味がある方は、お近くの青色申告会を覗いてみるといいですよ。
入会金など費用はどれくらい?
実際に入会するとなると費用が掛かります。入会金が1万円ほど、そして年会費が1~2万円くらいです。年会費は月々2,000円というようなケースもあります。
初年度は2~3万円くらいが必要になりますね。共済制度を利用する場合は、別途、掛け金が必要になってきます。
自分が受けようと思っているサービスと、この費用を比べて高いと思うか、安いと思うか。人それぞれと言ったところでしょうか。
ママ・フリーランサーにとってメリットはある?
実際の所、自分に利益があるか。ここが入会するかどうかの分かれ目ですよね。
私は育児中のママ・フリーランサーです。事業規模は自分ひとり。従業員などは雇っていませんし、収入も夫の扶養の範囲内です。
こう考えた時、青色申告会から得られるメリットは「青色申告の制度」「帳簿の付け方」「確定申告に関するアドバイス」「他の事業主との交流」などになります。共済は不要です。
こうしたことに初年度2~3万円を支払うメリットがあるでしょうか?
- 簿記3級の資格を持っていて、青色申告のことも、帳簿の付け方も知識がある
- 確定申告の時期になると、近くの大型スーパーで無料説明会・相談会がある
- 税理士が開く無料相談会もある
- 青色申告会の支部が家から遠い
こうなってくると恩恵が薄く感じられます。そもそも3万円も出せば簿記3級試験対策講座を通信教育で受けて一揃いのよくまとめられた参考書が手に入ります。
早い人は独学1か月で簿記3級試験に合格しますし、私も仕事・家事・育児をしながら1日1時間くらいの勉強で3か月間、通信教育の参考書を使って勉強し、試験に合格しました。
こうした簿記に関する知識を青色申告会に所属する納税者に教えてもらうかどうか(納税者は、簿記資格を持っているとは限らないし、教えるプロでもありません)。判断は人によって分かれると思います。
フリーランサーの中でも、扶養の範囲内で仕事をしているようなママ・フリーランサーの場合は、入会金と年会費の額に見合うだけのメリットがあるかどうか、悩ましい所ではないでしょうか。
事業を拡大するならメリットあり
青色申告会は、青色申告の納税者団体で構成されている組織で、全国各地に支部があります。
入会するとメリットはありますが、私のように扶養の範囲内で働いているフリーランサーには縁遠い存在かもしれません。青色申告会が開催している、無料相談会などを利用しながら入会について考えてみてはどうでしょう?
ただ、今後、仕事が増えて収益もアップし、大きくなった自分の子供や退職した夫を従業員として雇用する形態を取るなど、事業形態を変えていくならメリットがあると思います。個人事業主が少額で利用できる共済は魅力的ですよね。
青色申告に関する理解を深めながら、メリット・デメリットを考えつつ、入会などを検討したいですね。