パパとママの間で、育児の方針が異なることはよくあること。
夫婦といえど、価値観や考え方が違う一人の人間同士ですから、子供にどう育って欲しいか、といったことや、理想の育児もそれぞれ違うことでしょう。
しかし、子供の目の前でパパの言ったことを否定したり、パパの指示を曲げてしまうようなことがあっては、子供にも悪影響を与えることがあります。
パパとママで言うことが違う?
たとえば食事の時間、子供が苦手なものを残したとします。そこでパパは、
「時間がかかってもいいから、全部食べなさい」
と子供に言います。
しかし、ここでママが、
「無理して食べなくていいのよ」
などと言ってしまったら、どうでしょう?
子供は「全部食べなきゃいけないの?」「残してもいいの?」と、二つの指示に混乱してしまいますよね。
しかも、子供は小さいながらも親の顔色を伺っています。ママと過ごす時間が多い子供は、どうしても「ママを怒らせたくない」と思ってしまい、ママの指示を聞いてしまうことが多くなります。
自分の言うことを否定された!パパの威厳はどこに?
ママはパパの言うことを否定し、子供に自分の言うことばかりを聞かせる。
子供もまた、ママの言う事ばかり聞いている。
そうなると、パパは当然面白くなくなります。
子供のためを思い、良かれと思って言ったことなのに、一緒に育児をしているママからは否定され、子供にも言うことを聞いてもらえないとなれば、パパの家庭内での立場は孤立し、父親の威厳というものもなくなってしまいますね。
威厳を失った父親の行く先は…
こういったことが続くと、パパは育児への関心がなくなり、何もしなくなります。
- 「どうせオレよりママの言うことを聞くから」
- 「オレが何を言ってもムダだから」
と、もう口を出すことすらしなくなってしまうのです。
父親というのは、家族の柱のような存在です。
それが軽視されると、父親としての役割が果たされなくなるため、心理的な父親不在の状態になります。すると、子供は精神的に不安定になりやすく、思春期に不登校や非行などの問題を抱える可能性もなくはありません。
また、自分の言うことを聞いてもらえない子供に対し、
「父親の言うことを聞け!」
と暴力的になってしまうケースもあるのです。
いずれにしろ、パパの立場を危うくするような言動を、ママは避けるべきですね。
育児は2人でするもの
普段、子供のお世話に多くの時間を割いているのはママです。
だからこそ、
- 「私は子供のことをパパよりわかっている」
- 「普段パパは見ていないのに、たまに家にいる時だけ子供に注意するのが嫌だ」
という思いが出てくるのかもしれません。
しかし、育児は2人でするもの。
親として子供をどう育てていくかは、パパとママが2人で話し合って決めていくことが大切です。
意見が別れてしまう時こそ、話し合いが必要。一方の言うことだけを否定して子供が混乱することのないように、そして、父親の存在感がない家庭になってしまわないよう、心がけたいですね。