営業と聞いて喜ぶ人はいるでしょうか? 私は苦手です。
子どもがいるし、家事・育児・仕事の三足のわらじ履いているし、自分より仕事ができる人はたくさんいるだろうし、仕事を請けて締切に間に合わなかったらどうしよう……。
そんな不安がいつも脳裏をよぎってしまい、自信満々に営業することはできません。こんな仕事に割ける時間が限られているママ・フリーランサーの営業について私が感じていることや実践していることを紹介します。
フリーランサーに営業は必要か?
育児を手伝ってくれる人がいなくて就職が難しい。保育園を確保できなくて退職した。同僚と同じように仕事ができなくて退職を考えている。こんな育児中のママに、自宅で自分のペースで自分が選んだ仕事をする、という「フリーランス」という働き方は大きな魅力ですよね。
いいことずくめのように思えますが、フリーランスという働き方は自分で仕事を探さなければなりません。大なり小なり「営業」して、自分に仕事を任せてくれるクライアントを探す必要があるのです。
ただ、今は「クラウドソーシング」というサービスがあります。このサイトは、仕事を任せたい人と仕事を請けたい人を結びつけてくれます。こうしたサービスを活用すれば、仰々しく「営業」と称して名刺を手に、あちこち出歩く必要はありません。
ただ、クラウドソーシングのサイトでは「ひとつの仕事に複数の人が応募したら競争になる」というのが現実です。そして競争を勝ち抜いて仕事を請けるには「自分の能力をアピールする力」が必要になります。
より高い報酬の仕事を請けよう。まとまった額の収入を得よう。こう考えると、やはり営業の力(自分をアピールして売り込む力)は必要になってきます。
アピールする時は「百聞は一見にしかず方式」で
クラウドソーシングのサイトを利用する時、必ずプロフィールページを作成します。プロフィールページは、自分のことを全く知らない人に「こういう者です」と伝えるためのページです。とても重要なページですね。
プロフィールページが解りやすい人と、白紙の人。どちらが仕事を請けられる確率が高いでしょう? 貴方が依頼する側なら、どっちを選びますか?
プロフィールページを充実させれば、仕事を請けられる確率がUPします。それも「どんな人か。なにができる人か、判断できるページ」がいいですね。
そうは言っても、私は履歴書のアピール欄になにも書けない平凡な人だったので、とてもプロフィール欄が簡素でした。初めは次のような最低限の情報だけでした。
- 名前
- 社会人経験(15年間、ooo関係の仕事に従事、など)
- 請けられる仕事(ウェブ記事作成:テーマはxxx、xxx、xxxが得意)
- 仕事に対する姿勢を簡単に(納期守ります。連絡をこまめに入れます。修正はX回まで受けます、など)
初めはこうしたことだけでした。そして、まず「実績」を作ることを優先しました。どんな仕事でも請けたら「実績」になります。「実績」があるとアピールポイントがなくても「責任を持って仕事をする人」というアピールができます。
オークションなどでも実績ゼロの人と実績10件の人と、どちらと取引をしようと考えるでしょう? やはり実績は大切ですよね。
実績ができたら、その紹介ができるようになります。いわゆるポートフォリオの作成ですね。実績をプロフィールページに追記し、アピールポイントにしていく。これも立派な営業になります。うまく簡素な言葉で解りやすく実績を解説したいですね。
実績と合わせてやはり「自分の能力をどうアピールするか」も大切です。ダラダラと言葉で説明するよりも「TOEIC」や「資格」といった「パッと見ただけで能力を説明してくれるもの」が便利だと私は感じました。パッと見てイメージで伝えられる、というのはメリットが大きいですよ。
色々な資格がありますが、フリーランスで仕事を請ける場合は「自分の知識をアピールできる資格」がお勧めです。資格という「パッと見て能力が伝わる言葉」がプロフィールページにひとつあると印象が全然違うと思います。
SNSを活用するなら公私を分ける
プロフィールページを作成していて「SNSと一緒じゃないか?」と感じる人も多いと思います。今は色々なSNSがあり、どれかひとつくらいは利用しているのではないでしょうか。
このSNSを使って「仕事募集」というように宣伝したり、人脈を構築する手段にすることもできます。実際にFacebookなどを活用して有名実業家と繋がりを持ち、自分を売り込んだり、経営のノウハウを学ぶような人もいます。
時や場所を選ばず、手軽に活用できるSNSですが、仕事で活用するならアカウントは公私分けた方が無難です。
例えば、デリケートなテーマを扱う仕事の依頼先を探している人がいたとします。そして、あなたの「仕事募集」というSNSの記事を見た時、同じアカウントの中に「自分の子どもの成長を、多くの絵文字を交えて逐一報告する記事」があったらどう感じるでしょう?
多種多様な考え方が広がり、自由度が高くなってきているとはいっても公私は区別すべき、と考える人は多くいます。どんな考え方の人とビジネスで繋がりを持つことになるか解りません。管理が面倒になりますが、SNSを仕事のアピールなどで使う場合は専用アカウントを作成する方がベターです。
自分のサイトはあると便利だがリスクもある
企業や団体、いわゆる法人であれば必ずと言っていいほど自社webサイトを持っていますよね。ママ・フリーランサーにwebサイトは必要か。これは賛否両論あると思いますが、作っておけば24時間365日全世界に向かって自己アピールし続けてくれるので便利です。
サイトを持つには、サイトのデータと、サーバー(サイトを設置するインターネット上の土地)が必要です。簡単なサイトであれば安価でプロに作成してもらえますし、テンプレートやビルダーを活用すれば自作も簡単です。
レンタルサーバーも月額200円くらいで契約できるサービスもあり、維持管理費もそれほど高くありません。
しかしサイトを通じて連絡をくれるクライアントとは「一対一で仕事をやり取りする」ことになります。クラウドソーシングのサービスのように、間に第三者が入っていません。仕事の契約からファイルのやり取り、報酬のやりとりなど全てクライアントと直接やり取りすることになります。
また、どういう人がどんな目的でサイトを閲覧しているか解らない、という怖さもあります。掲載する内容、連絡方法、仕事のファイルのやりとり方法など、注意しなければならないことが多くあります。
これらをリスクと考えた場合、法人でもなくママ・フリーランサーとしてサイトを作成して維持することがメリットかどうか。人によって感じ方が違うと思います。
サイトやブログを作るなら無料サービスはNG
Webサイトを作成する時に無料レンタルサーバーを利用したり、無料開設できるブログを活用する人が多くいます。しかし仕事に利用するサイトやブログでは無料サービスは利用しない方がいいでしょう。
<無料サービスを避ける理由>
- 開設者が意図しない広告が記事の中に表示される
- 商用利用NGのケース有り
- 突然、サービスが停止することがある
- 閲覧者が仕事に対する姿勢を疑うケースがある
無料で利用できるレンタルサーバーやブログの場合、強制的に広告が表示されます。この広告の内容がビジネスにそぐわないこともありますし、そもそも広告を嫌う人もいます。
さらに無料サービスでは「商用利用NG」のケースも多く、商用利用NGなのにビジネスの宣伝に使う、というのは規約違反になってしまいます。
そして一番怖いのが「突然のサービス停止」です。運営者の都合で突然、サイトやブログが消える可能性もあります。作成にかかった労力や時間が、一瞬で跡形もなく、人の都合で消されてしまう可能性がある。これは大きなリスクと言えます。
もうひとつ「ビジネスという観点から考えると、費用を削るべきところではない」「費用を掛けないということは、真面目に仕事をしていないのでは?」というように、仕事に対する姿勢をマイナスに捉える人もいます。
仕事で利用する以上ある程度は必要経費として出費を考える必要があるといえるでしょう。
サイトやブログの維持管理費はどれくらい?
実際のところ、どれくらいの費用で自分のサイトを作成したり、維持できるのか疑問に思う方も多いと思います。私はwebサイトのページを自作し、レンタルサーバーを契約しています。
- サイト作成費:0円(自作)
- レンタルサーバー代:12か月 約3,700円
- 独自ドメイン維持費:12か月 約1,600円
- 合計:5,300円(12か月)
このくらいです。サイト作成の知識も20年くらい前に1000円くらいの本を1冊買って基本を覚え、ネット上で情報を集めて応用術を覚えました。現在はメモ帳にタグを直接打ち込んでサイトを作成する、というシンプルな方法でwebサイトを作っています。タグというものを理解すればサイトを作ることはとても簡単ですよ。
レンタルサーバーは商用利用OK・容量無制限のところを利用し、独自ドメインに関する手続きも上記料金でお任せです。
サイト内に広告は一切掲載されません。自分で選んだ広告を掲載して広告・紹介料を得ることもできます。
こうしてみるとサイトやブログ作成費を(リスクを負って)削る必要はあるのか、疑問に思えませんか? 年間5,300円くらいなら必要経費として支払ってもいいと私は思っています。
ただし、凝ったデザインの独創的なサイトを作成したい! Googleなどの検索サイトで上位に表示されるよう万全な対策をしたい! ネットショップを運営したい! アフィリエイトでしっかり収入を得たい! というような場合は万全な対策が必要です。
ネットの情報・知識・ルールは比較的早く変化していきます。それを随時追いかけながら知識を身につけ、サイトの運営に時間と労力をしっかりかける必要があります。また、自分の手が回らない部分は費用を支払って誰かに依頼する必要があります。
そこまでするかどうか。広告宣伝費としてどれくらい力を入れるか。個人の考え方次第といえますね。
営業は自分の能力を目に見える方法で
営業経験が豊富な人はあまりいないと思います。できれば避けたい。なにをすればいいか解らない、という人もいますよね。
クラウドソーシングのサービスでは積極的な営業は必要ありませんが、自己アピールが上手な方が多くの仕事を請けやすいのは確かです。
うまく自己アピールするためには他者にみてもらうプロフィールページを充実させる必要があります。
最初からパーフェクトなプロフィールページを作れる人は少ないでしょう。ですが、実績を積み上げたり、資格取得などステップアップしながら徐々にアピールポイントを補っていくと、営業向きのページが作れると思います。
閲覧する側の「知りたい」を満足させられる、パッと見て多くの情報を得られるような解りやすいページを作りたいですね。
そして自分のサイトやブログ、SNSといったサービスも営業ツールとして活用できますが、注意点も多くあります。
サイトやSNSを通じて知り合った相手は、直接取引になります。間に他社が入るクラウドソーシングのサービスとは異なり、仕事の契約・納品・連絡・報酬支払いなど、全てを一対一でやり取りして勧めていくことになります。トラブルが発生した時の対応などもしっかり考えて対策を取れるようにしておきたいですね。
サイトは一度作れば、ずっと全世界に向けて自己アピールし続けられる便利なツールです。自由にページをデザインし、内容を自由にアレンジできるメリットはありますが、誰が閲覧しているか解らない、という不安もあります。
また、無料のレンタルサーバーやブログは突然のサービス停止や、意図せぬ広告掲載といったリスクがあるので避けた方が無難です。安価でも自由度の高いサービスは沢山ありますから、ある程度は費用を出す方がいいですね。
ただ、どれくらいこだわるのか。どれくらい費用を掛けるか、ということをよく考えてから有料サービスを導入したいですね。
自己アピールをどうするのか。これは時々刻々と変わることです。最初からパーフェクトを目指すのは難しいので、徐々に満足度の高いものになるよう、スキルアップを図っていきたいですね。