子供を産んでから、妻が変わってしまったと感じる男性は少なくないようです。
女性にとって出産は、命をかけた一大イベント。その出産が、考え方や性格に大きく影響を残すことは十分に考えられます。
大切なのは、こうした女性の変化を知ること。
男性がこのことを知らないと、思いがけず夫婦間の危機を招くことにもなりかねません。
産前の妻は女の子、産後は…?
恋人から夫婦になって、生活を共にするようになっても、女性はそれほど以前と変わることはありません。新婚の頃は恋人気分が抜けないものですし、子供がいない分、身ぎれいにしていることもできます。
それが、出産を境に、女性は「女の子」から「母親」へと一気に変化します。
パパが戸惑うほど大変身
出産による女性の精神的な変化は、かなり大きなもの。
まず「子供を守らなければならない」という生物の本能とも言うべき思いが強くなり、周囲に対して攻撃的になります。
また、ホルモンバランスの変動によって自律神経が不安定になりやすく、理性でコントロールすることが難しくなるとともに、出産による体へのダメージがさまざまな症状としてあらわれるため、精神的なストレスを感じてイライラしやすくなります。
赤ちゃんのお世話に追われるため、自分の食事すらままならず、服装や化粧などの身なりなどには当然構っていられません。
こうした状態の妻を見て、男性は
- 「いつもイライラしているなあ」
- 「こんなに気が強くなかったのに…」
- 「前はキレイだったのに…」
などと思い、ショックを受けてしまいがち。
しかし、こうした変化は出産した女性のほとんどに起こるものなのです。
男性は「父親モード」になりにくい?
赤ちゃんを産んですぐに「母親モード」になる女性に対して、男性は「父親モード」になるのが遅いもの。
なかなか父親になった実感がわかない、という男性もいるでしょう。そんな男性に対して、女性はついイライラしてしまいがち。
また、男性は父親モードに入ったとしても、赤ちゃんが側にいない時は「旦那モード」にスイッチを切り替えて、妻に甘えたりすることもあるのではないでしょうか?
それもまた、女性にとってはあまり嬉しくない傾向です。女性は赤ちゃんが寝ていても起きていても、常に母親モードが抜けません。
24時間母親として過ごしているとともに、母乳を出している間はホルモンの影響で、パパを一人の男性として見ることができないのです。そのため、たまに恋人気分で甘えられても「ちょっと…」なんて思ってしまうのですね。
産後の女性は夫への愛情が低下するといった調査結果も出ていますが、それにはこうしたホルモンの影響も関係しているのかもしれません。
産後は「元通り」ではないことを知っておこう
まず、男性は「出産したら妻は元通りになる」という考えを捨てましょう。
出産は、女性の心と体に長い間、多大な影響を与えるものです。
特にホルモンによる精神的影響は目に見えにくいため、男性には想像しにくいかもしれませんが、いつもと同じように見えても、産前と産後では心も体も全く違う妻になっている、ということを覚えておきましょう。
このことを知らないと、
- 「夫は産後の大変さを理解してくれない」
- 「妻は子供を産んで変わってしまった」
と、いつまでたっても平行線のまま、知らず知らずのうちに夫婦間の亀裂だけが深まってしまいます。
女性の心と体の変化は、おおよそ産後半年~1年は続くと考えられています。
1年近くかけて、一人の人間を体の中で育てていたのですから、元に戻るのにもそれだけ時間がかかるのは当たり前。男性は妻の変化を嘆くよりも、その回復をあたたかく見守ってあげてください。