
子育て中の毎日は、時間に追われる日々。
子供が小さければ小さいほど、しなければならないお世話は山のようにあり、ママは眠ることはおろか、ゆっくりと食事をすることも、キレイにメイクをすることも、1人の時間に胸をなで下ろすことも、ほとんどできません。
子育ての何が辛いと言ったら、自分の時間が取れないこと、これに尽きます。子供を産み育てる以上、子育てをしている間は自分の時間はないもの、子供を優先しなければならない、ということは、ママ自身もよくわかっています。
しかし、自分のことを後回しにする日々が続くと、そのストレスはどんどん大きくなります。パパはそんなママの様子に、気づいていますか?
子育ては自己犠牲? 「自分のことはいつも後回し」なママたち
パパは、毎日ママがどんなふうに過ごしているかを意識してみたことがあるでしょうか?
子供を生む前は、オシャレでかわいい服を着て、メイクもバッチリだったのに、子供を産んでからはいつもすっぴん、着るものもこだわらず……
毎日イライラ、バタバタしていて、なりふり構っていられない感がにじみ出ているママを見て、ついつい「あの頃は可愛かったのにな」なんて思ってしまうパパもいるかもしれません。
ママだって、時間があればオシャレをしたいし、かわいい服を着たいのです。メイクに時間をかけたり、きれいな色のネイルを塗ったり、きちんとお肌のお手入れをしたり、自分のために時間を使いたいのです。
いいえ。その前に、時間があったら少しでも眠りたい、温かいご飯を食べたい、ゆっくりお風呂に入りたいと思うもの!
特に、乳児期から幼稚園や保育園に入園する前までは、子供と常にべったり。つきっきりでお世話をし、遊び、しつけをし、その合間にさまざまな家事をこなします。
子供のお世話や遊びといっても、そのひとつひとつにどれほど時間と労力がかかるかは、実際に育児を経験したパパでないと想像がつかないでしょう。
そして、その子供の相手をしながらする家事がどれほど進まないものなのかも。
「ママは毎日子供と家にいるだけだからいいよな」
なんて思うパパはさすがに今どきいないかもしれませんが、毎日家にいるからといって決して時間があるわけではないのです。正確に言えば、時間はあっても「ママが自分のために使える時間」は皆無です。
何かを削らなければ、何かを犠牲にしなければ、毎日の育児や家事が回らない。そんな状況で、ママが真っ先に犠牲にしているのが「自分の時間」なのです。
自分のことはとにかく後回し。子供優先、夫優先。そうして動き回った結果が、オシャレに気を遣うこともできなくなり、毎日必死で子育てと家事をして疲れきった表情のママなのです。
パパはなぜママの気持ちを察することができない?
しかし、そんなふうにママが自分のことをどんどん後回しにしていることに、パパはなかなか気がつきません。
もちろん全員がそうであるとは言いませんが、男性には「自分のことを後回しにする」という発想があまりないようです。
小さい頃から友達や兄弟間で競うことが多い男性は、競争意識が女性より強いもの。会社での仕事もいってみれば競争のひとつですから、自然と、常に自分を主張することを考えます。また、男性は
- 自分の時間や趣味、やりたいことを優先する
- 妻や子供など、身内に対する対応を後回しにする
という傾向があることも多く、育児においても赤ちゃんより自分のペースを大切にしたり(赤ちゃんを見ていてもらったらパパが寝ていたとかスマホをいじっていた、なんていうことはよくあります)、仕事や友人関係など、家よりも外の関係に目を向けたりしがちです。
そのため、ママが自分のことを後回しにして育児や家事をしているなど、思ってもいません。それどころか、子育てを積極的にしていないパパほどその辛さ、大変さがわからず、
「なんで自分のこともできないの?!」と無神経な言葉を口にすることも。男性は基本的に、妻であっても他人の気持ちを察することが苦手ですから、ママがストレスをためまくってブチ切れるまで気がつかないこともあるかもしれません。
頑張っていてもママはそれを口に出せない
毎日頑張って家事や育児をこなしているママ。自分のことを常に後回しにして、子供やパパを優先していたとしても、それを口に出して主張することはほとんどないはずです。
なぜなら、ママも自分から
「いつも自分は後回しにして、あなた達に尽くしているのよ!」
なんて言ってしまったら、実際にそうだとしても恩着せがましいとわかっていますし、誰かに頼まれてそうしているわけではないからです。
ふとした時に、そういえば自分のことが何もできていない……と気がつくことはあっても、それは家族のせいではなく、要領や手際がよくない自分のせいだ、と思い込んでいるママもいるでしょう。
育児中は自分の時間なんてなくて当たり前なんだから、仕事で忙しいパパにそれくらいで愚痴を言うわけにいかない、なんて考えているママもいるでしょう。
あるいは、無我夢中で育児をしているために自分のことを後回しにしているという自覚がなく、知らず知らずのうちにストレスをためてしまうママもいるかもしれません。
だからこそ、パパがママの様子を察して、気遣ってあげることが大切なのではないでしょうか。
ママに「自分のためだけに使える時間」をあげよう
ママが自分を後回しにしてストレスをためているなら、パパができることはただひとつ。ママに「自分のためだけに使える時間」を作ってあげることです。
育児において最も辛いのは、赤ちゃんが泣いていることや寝ないこと、ご飯を食べてくれないことやしつけに悩むことだけでなく、「自分の時間がない」ということ。
日頃、自分の時間が取れていないママは確実にストレスを抱えています。
それを解消するべく、たまにはパパが家事と育児を一手に引き受けて、ママが自分のために使える時間を作ってあげましょう。半日ほど時間を作って、ママに美容院や買い物、お友達とのランチなどに出かけてもらうのが理想ですが、長い時間子供を見ていることがまだ不安なパパは、1時間でも2時間でも構いません。
たとえば、子供がお昼寝している間に、ママに
「ちょっとコンビニに行って、好きなおやつでも買ってきたら?」
と言ってあげるだけでいいのです。
数十分1人でコンビニに行けるだけでも、ママにとってはリフレッシュになります(もちろん、買ったおやつをママがゆっくり食べる時間も作ってあげてくださいね)。短くても、ママが一人になれる時間を作ること、作ろうとする姿勢を見せることが大切です。
また、パパと子供が家でお留守番をしてママに出かけてもらうのではなく、パパと子供が2人でお出かけをして、ママに家で好きなように過ごしてもらう方法もあります。
- 疲れきっているママは、お出かけをするより家でゆっくり寝たいかもしれません。
- のんびりお風呂に入って、時間をかけてお肌のお手入れをしたいかもしれません。
- 好きな音楽をかけたり映画を見たりしながら、心をうるおしたいかもしれません。
- 自分の好きな料理を作って、温かいうちに誰にも邪魔されずに食べたいかもしれません。
ママが何を望んでいるか、自分の時間をどう過ごしたいかに合わせて、パパが臨機応変に対応できればベストですね。
ママが育児で抱える不満は、「自分の時間が取れない」「自分のことはいつも後回し」という現状から生まれることが多いものです。パパはなかなかそれに気がつきませんし、もしもそう言われても、感覚的にピンとこないかもしれません。
しかし、それを察してママを気遣ってあげるのは、パートナーであるパパにしかできないこと。
ママの頑張りを認めてあげて、たまにはママに自分だけの時間を作ってあげることが、ママのストレス解消につながり、ひいてはよい夫婦関係にもつながっていくでしょう。
ママのストレス解消法は休むことだけではありません。パパの視点を変えないと優しさが仇になるかもしれないのでご注意を。