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「保活」だけじゃない!後に続く小一の壁と小四の壁

「保活」だけじゃない!後に続く小一の壁と小四の壁

待機児童問題やシビアな保活は、社会問題としてしばしば取り上げられています。

しかし、それ以外にも「壁」といわれるハードルがあるのをご存知でしょうか。

仕事と育児の両立に関係する問題は保活だけではありません。こうした「壁」を紹介します。

大変なのは保活だけじゃない

保活だけじゃない大変なのは
保活は本当にシビアです。子どもを生む月まで計算して生まなければならなかったり(早生まれが不利だったり)、認可保育園に入園するため偽装離婚して「偽母子家庭」になってみたり、就労状況を偽装するといった恐ろしい話がネットに掲載されています。

日本しね、と叫ぶワーキングママがいたり、保育園が確保できずに退職するケースもあります。

しかし、子育て中、大変なのは「保活」だけではありません。子育てをする人達の前には実に多くの「壁」があり、数年毎にこの「壁」を乗り越える試練が降りかかるのです。

小一の壁

小一の壁
保活の次にぶつかるのが「小一の壁」です。小学校一年生は大抵15時前後に帰宅します。共働き世帯の場合、親の帰宅は何時でしょうか? 親が帰宅するまで、子どもはどこで、なにをして、誰と過ごすのでしょう。

一般的に知られているのが「学童保育」です。放課後、小学生を預かってくれるサービスで、自治体から運営を任されている団体や、民間団体が提供しています。サービス内容は団体によって大きく異なります。

預かる時間

小学校の授業が終了してから17時まで、18時まで、19時までなどさまざま。17時以降は親が迎えに行かなければならない、といったルールがあることも。

学童の指導員

子どもの教育などに関して、なんらかの資格を持つ人が指導員になるケースもあれば、小学校に子どもを預ける保護者が指導員になることもあります。また、成人していて意欲があるなら、老若男女経験問わず誰でもOKというケースもあります。

活動内容

小学校の校庭で遊ぶ、宿題や勉強の手助けをする、スポーツや創作活動などを積極的に行う、特に指導しない、など、預かり時間中のサービスもさまざま。実際に利用している人の経験談を聞くのが一番いいでしょう。

学童保育の場所

放課後、子どもを学校内で預かるケース、学校の敷地内にある別施設で預かるケース、学校とは異なる場所に児童が自力で移動してサービスを受けるケースなど多種多様です。

学童保育も当然ながら「定員」があります。この枠を巡って子どもが就学する時に競争が起こります。また、保育園に19時、20時まで預けて働いていた人にとっては、学童保育だけでは不足するケースもあります。

こうなると、ファミリーサポートやベビーシッター、家政婦などの活用も考えなければなりません。

私はファミリーサポートサービスに登録し、預かる側の研修も受けていますが「学童保育後の子どもを迎えに行き、20時まで預かって欲しい」という依頼はかなり負担が大きく、断っています。私には小学生と年少の子どもがいます。17時に保育園に子どもを迎えに行き、18時には夕食、19時にはお風呂に入って20時には就寝の準備を始めます。

月1回くらいなら「学童保育後の子どもを迎えに行き、20時まで預かる」ということもできますが、毎日になると厳しいです。子ども達の習い事もありますし、風邪を引いたり、体調を崩した時などはとても預かれません。

ファミリーサポートの登録会員が多い地域でも「実際に、毎日子どもを預かることができる家庭」はどれくらいあるでしょう?

学童保育の利用ができたとしても帰宅が遅い親の場合、自分が働く日に確実にケアしてくれるサービスを確保できるのか。確保できないなら一年生でもカギを持たせて自宅で留守番させなければなりません。それが可能なのか。

この小一の壁は保活よりもハードルが高いケースが多くあります。

小四の壁

小四の壁
小一の壁を越えられても次は「小四の壁」が現れます。これは「学童保育が受けられなくなる年齢」です。学童保育を希望する児童は非常に多く、1年生~6年生まで全員を受け入れることが不可能です。

このため、ほとんどの学童保育が「小学校低学年向けサービス」になっています。つまり小三や小四になったらサービスが利用できなくなります。では学童保育を利用できなくなった児童はどうしているのでしょうか?

  • 自宅に親がいる子の家に遊びに行く
  • 公園や家の外で友達と遊ぶ
  • カギを常に持っていて、自宅に帰る
  • 送迎付き塾に行く
  • ファミリーサポート提供者の家に行く

こうした色々なケースがあります。小四になれば自分で判断して行動することができるので、比較的自由にさせる家庭も多いようです。

ただ「特定の家庭が託児所代わりになっている」「商業施設を子どもが徘徊する」「子どもがどこでなにをしているのか親が把握していない」こうした問題が起こっているのも事実です。

私の家は新興住宅地で子育て世帯が集まっています。この地域でもこの小四の壁のトラブルをよく見かけます。

  • 数件の家が子どものたまり場になっている
  • 住宅地内の道路に数多くの自転車やランドセルが散乱していて車が通れない
  • 20時近くになってもスーパーのイートインコーナーやコンビニで子どもがたむろしている
  • 変質者が出ていて、子ども達が声を掛けられたり写真を撮られたりしている(小学校や自治体から親にメールがくる)
  • 小学生の女の子にイタズラした高校生が逮捕された(うちの近所の高校生でした)

こうしたことは特別なことではありません。私の周囲で実際にあることです。小学生の頃から日没後にスーパーやコンビニを徘徊する癖が付くのはどうなんだろう……と個人的に心配です。

この小四の壁を越えるには、親子で話し合ったり、近所づきあいの中でサポートを受けられる体勢を整えておく等、早くから準備しておく必要があります。

思春期や受験

保活だけじゃなかった現実
中学受験をする家庭、思春期、高校受験など、子育てをしている世帯ならどこでも直面することですが、共働き世帯の場合は「親子が一緒に過ごす時間」が非常に短いというデメリットがあります。

コミュニケーション不足、親が子どもに関わる時間が短い、ということが大きなトラブルに発展することが少なくありません。私が勤めていた会社の同僚や先輩の経験談を紹介します。

  • 子どもに夕食代や塾、習い事のお金を渡していたが、それを使って友達に食事をおごったり、ゲームセンターで遊んだり、漫画を買っていた
  • 子どもが不登校になり、一日中、部屋に引き籠もるようになった(親子で話をする時間がほとんどなく、子どもがいじめを受けていることに親が気づかなかった)
  • 仕事の方が自分より大切なんだ、と子どもが異常に反発するようになった(思春期の親に対する反抗のひとつ)
  • 中学受験を目指しているのに成績がどんどん落ちて自信がなくなってしまった(親子で朝5時に起きて、一緒に勉強する時間を作ったら成績が伸びた)

もちろん、親の共働きが100%悪い訳ではありません。親子で乗り越えている家庭も沢山あります。

しかし、こうしたトラブルがあることも事実です。やはり「親子一緒に居る時間が短い」「子どもが寂しさを感じている」のも事実で、それに働く親が直面すること、壁と感じることがあります。

私自身、母が専業主婦で父は残業がほとんどない仕事でした。それでも反抗期はいろいろ親に心配を掛けました。共働きの家庭は思春期・受験の苦労が大きいように思います。

キャリアと子育て

子育てとキャリアどっちを取る?
上記の受験などにも関係しますが、子どもの教育を高い水準で維持しながら、親もキャリアを積むのは苦労が大きいと思います。年上の友人に次のような人がいます。

  • 子どもは小学生の頃から自宅で留守番
  • 子どもが熱を出して病気になっても、ひとりで家に寝かせ、両親は出勤
  • 小学校中学年から、放課後は送迎付きの塾
  • 中高一貫制の進学校を受験して合格。中1から寮に入って親と離れて生活
  • 親は全国転勤、国内外出張をこなし、キャリアを積んでいく
  • 夫婦そろって全国転勤なので、親子がひとつ屋根の下に揃うことがない

ここまで極端な例は珍しいと思います。ただ、私が勤めていた会社は男女関係なく全国転勤あり。海外支社もあって、長期海外出張も珍しくありませんでした。それができないとトップになることができなくて、志の高い女性は男性顔負けの仕事ぶりでした。

親子それぞれ考え方が違いますし、環境も異なります。働きたくても、義両親の介護、実両親の介護などで退職する人もいます。子育てだけが問題になる訳ではありませんが、働くことと育児の間に現れる問題は保活だけではありません。

保活やその他、壁というのは、自分のこと、子どものこと、家族のことを包括的に考えるいい機会かもしれません。

「今」も大切。でも「先」も見据えよう

保活だけじゃない
保活に疲労困憊して辟易する人もいるでしょう。なんとかクリアしてホッとしている人もいるかもしれません。しかし仕事と育児の両立には、常に問題がついてまわります。

保活が上手くいかなかったからといって絶望する必要はありません。小一の壁だって小四の壁だってあるんですから!

長い目で見た育児事情を頭にいれておくと、人生設計が変わってくることもあると思います。もちろん、設計・計画・予想通りに行くわけではありません。ですが、どの壁をどうクリアするか。どの壁にどう対処するか。視野を広げていろんな選択肢を探してみるのも手だと思いますよ。

今をみて状況に涙するよりも、先を見てなにができるか。どんな問題が想定されるか。それをどうやって乗り越えていくのか。なにか方法はないのか。

こうしたことに目を向けていくと、違う考え方、違う道を見つけ出すことができるかもしれませんよ。

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