保活の苦労や待機児童の問題が社会問題になりつつある今、「子どもと一緒に出勤OK」「事業所内託児所を作る」という企業が注目されています。
子どもと一緒に出勤し、子どもと一緒に帰ってくる。これができるなら、保活しなくてすみますし、仕事を続けながら二人目・三人目と子どもを生むことに希望が持てるようになります。
そんな子連れ出勤について調べてみました。
子連れ出勤ってなに?
子連れ出勤とは、その言葉通り「子どもと一緒に会社に出勤すること」です。企業の中に「子どもを職場に連れてきてOK」という制度を設けているところがあります。
出勤後、子どもを会社の中や傍にある託児所(事業所内託児所)に預けるケースと、親が仕事をしている空間に子どもが居るケースがあります。
事業所内託児所の場合、その会社に勤めている子どもしか預けられませんから、認可保育園のような競争倍率になりません。保活の負担がグッと楽になりますね。
また、同じ空間に子どもと一緒に居られるケースでは、親から離れることが不安な小さい子ども連れでも仕事ができます。体調の変化にも気づきやすいですよね。
子連れ出勤は企業が提供する子育て支援のひとつと言えますね。
子連れ出勤のメリット
【メリット1】預け先が確保できる
最大のメリットと言ってもいいでしょう。妊娠前・妊娠中から情報収集して保活をする、という必要がないので精神的にも肉体的にも負担が少なく、育児に集中できます。
【メリット2】送迎時間ゼロ
家と保育園、保育園と職場それぞれを行き来する時間を考えなくていいので、朝も夕方もゆとりができます。
子どもは大人と違って時計を見て行動する、ということが難しいですよね。そんな子どもを連れて、毎日、朝夕、時間に追われる生活を想像できるでしょうか?
朝はまさに修羅場。「起きて! 顔洗って! 食べて! 着替えて! 荷物持って!」と軍隊のようです。いわゆる魔の2歳児のイヤイヤが始まると、もう、お手上げ! という時もあります。そういう点でも、一緒に職場へ行ける、というのは大きなメリットです。
【メリット3】勤務事情に対応してくれる
認可保育園は多くが土日祝祭日は休園(土曜日は時間外保育扱いのケースあり)、夏休みや冬休みがある園も少なくありません。
シフト勤務で出勤日や時間が一定でない場合、子どもを預けられなくて困ることがあります。そうした心配がない事業所内託児所や、職場に連れて行ける、というのはメリットですよね。
事業所内託児所のデメリット
【デメリット1】認可外保育園である
事業所内託児所は「認可外保育園」になります。「自社勤務職員の子どもだけを預かる」という規定があるため認可を取得できません。
しかし預かる子ども以外にも、設備の問題や保育士の数などが理由で認可の基準がクリアできない園もあります。この「認可を取っていない理由」がデメリットに繋がるケースもあります。
【デメリット2】自治体の助成金がもらえない
自治体によっては「認可外保育園に子どもを預けている世帯に助成金を出す」という制度があります。しかし「事業所内託児所は除外する」という場合があります。この場合は、自治体から補助金をもらうことができません。保育料は全額自己負担です。
【デメリット3】閉鎖されることがある
経営者の判断で「事業所内託児所が閉鎖される」ことがあります。大きな理由は運営資金です。事業所内託児所を作った企業に対する助成金は5年くらいしか支払われませんし、保育料をいくらに設定するか企業側にとって難しい問題があります。
保育料は認可保育園より高くなりがちです。また、親が満員電車で子どもと出勤することを躊躇うケースや、4歳、5歳と子どもが大きくなった時に「遊ぶスペースが狭い」「一緒に小学校に通える友達がいない」といったデメリットを訴えて事業所内託児所を利用しない人もいます。
もうひとつ、企業には様々な年齢の人が勤めています。保活・育児に悩む人も居れば、親の介護に悩む人、病気治療中の人もいます。会社の福祉面の充実を訴える人が多い中で、育児面のみ手厚い制度を設けることはできない、と経営者が判断することもあります。
職場内に子どもを連れて行く企業のデメリット
【デメリット1】仕事に集中できない
親が仕事をしている空間に子どもがいる場合のデメリットは「子どもが仕事の邪魔をする」ということです。
企業がどのような環境を整えているか、によってデメリットの大きさが変わりますが、集中して仕事をしたい・電話対応中に子どもの泣き声が聞こえる。こうした状況が起こり得ます。
【デメリット2】給料が減る
子どもが職場内に居て、自分がケアする場合、どうしても「仕事をしていない時間」ができてしまいます。他の職員と公平さを保つため「子連れ出勤者は減額」だったり「オムツ替えや授乳など、子どものケアをしている時間をチェックして給料を減額する」という制度があります。
【デメリット3】同僚に対する配慮
同僚みんなが子連れOKと理解ある職場であれば心配ありませんが、流産経験者や不妊治療をしている人がいるとどうでしょう。心の負担を与えてしまう心配があります。これは子連れ出勤に限ったことではないでしょうが「子ども」が原因の悩みが顕著に出やすい職場といえます。
【デメリット4】保育環境
子どもの保育環境も100%いい、とは言えません。3歳、4歳、5歳と子どもが大きくなるにつれて「オフィス内にいるだけでは満足できなくなる」「同学年の友達ができない」といったデメリットが目立ってきます。
このため、認可保育園の定員が増え、幼稚園という選択肢も出てくる年少で保活が必要になるケースがあります。
どんな企業が子連れ出勤を採用しているの?
実際にどんな企業が子連れ出勤を採用しているのか探してみました。
この2企業は有名な子連れ出勤OKの企業です。特に、ソウ・エクスペリエンスはTV番組でも取り上げられたのでご存知の人も居るでしょう。
ソウ・エクスペリエンスのサイトで紹介されていた子連れ出勤OKの会社です。
託児所がある職場で有名ですよね。
他にも、生命保険会社、化粧品会社、病院などは事業所内託児所がある企業が多くみられます。
ただ、こうした企業は倍率が非常に高いのが実状です。接客経験があったり、看護師資格が必要だったり、即戦力になる経験や資格を持っている、とアピールできるポイントがなければ採用してもらえないケースが多くあります。
こうした企業には、求職中の人だけでなく、他社で働いている転職希望者も応募してきます。未経験者と経験者では、経験者が有利ですよね。求職中の人がトライする場合、こちらはこちらで保活とは違うシビアな競争がありますね。
採用情報の集め方
子連れ出勤OKの会社の採用情報は、インターネットで検索してもなかなか見付かりません。
- 子連れ出勤OKという会社のHPを自分で見つけ出し、採用情報をこまめにチェックする。
- 就職支援サイトに登録して「非公開の採用情報」を得る。
このふたつの方法で情報を集めましょう。同時に、応募者多数になること必至なので勝ち抜く「就活力」が必要になります。
自分はどんな経験があって、どんなことができるのか。どういうアピールをしていくのか。こうした「自分を売り込む技術」が必要になります。
子連れ出勤OKの企業は、業種が限られる傾向があります。また、特殊な勤務態勢のケースもあります。
代表的なのは病院勤務ですね。病院と言えば夜勤があるイメージが強いですよね? 夜勤ができる職員を確保するために病院内に託児所がある。そういう特殊な労働環境のケースがあります。
私自身もハードですが、保育士も安定した休みが取れないなど労働条件がハードなので、保育サービスが充実していた、とは言い難かったです。100点満点の保育環境は難しいかもしれません。
自分が勤めている会社が「子連れ出勤OK制度」を設けていれば利用してみない手はないと思います。そして、そうした制度のある会社に就職・転職するなら、採用情報を集め、自分のアピール力をアップしつつ、企業の労働環境や保育環境を検討する必要があります。
こちらはこちらで保活とは違う苦労がありますが、子連れ出勤・企業内託児所利用という選択肢は子育てしながら働く人の大きな助けになりますね。