妊娠25週目の夜に突然起こった尿漏れ!ちょっと不安だったから、夜間救急に行ってみると尿漏れをしたのは間違いがないことでしたが、そのまま切迫早産の診断をされ入院をしました。
なんの準備もなく突然やってきた少し早めの入院生活の中で一番辛かったのは気持ち的な面だったけれど、肉体的な面で一番辛かったのは「ウテメリン」の点滴でした。
直ちに入院で病室へ直行!
双子を妊娠して、妊娠初期のうちに個人病院からNICU完備の総合病院へと転院をしていました。
通常は双子を妊娠している妊婦は出産予定日の2ヶ月前から強制入院になるというのがそこの病院の決まりでした。
どこの病院でも双子を妊娠した妊婦は安静のために入院するということは多いようです。私の場合は早くも妊娠25週目の緊急入院となってしまいました。
幸い、自宅には入院するための準備はしてありました。シャンプーとか着替えとか、スリッパとか…しかし、この用意してあった入院グッズは半分くらいは使う機会がありませんでした。なぜならば、お風呂に入ったり、綺麗に洗顔したり、肌の手入れしたり、髪の毛の手入れしたり…なんてことはできる状況ではなかったのです。
私は、夜間救急に行って、そのまま子宮経口6ミリの切迫早産の診断を受けてその時から車椅子生活の始まりでした。
外来診察室で診断を受けた後、車椅子に座るように指示されて病室まで連れて行ってもらいました。病室に入るとすぐに、ウテメリンの点滴が始まりました。
ウテメリン開始!
切迫早産の治療のメインとなるのは「ウテメリン」の点滴です。
他にも膣内の洗浄などもありますが入院の目的は「ベッド上安静」と「ウテメリン投与」です。
そして、いつ出産になってもいいように私の入院している4階の下の3階にはNICUと小児科専門医師がスタンバイしています。
ウテメリンというのは緊急に治療が必要な切迫早産に使用される子宮の収縮を抑える薬です。お腹の張りをなくすための薬ですね。症状が軽い場合は薬が処方されるのですが、症状の重い切迫早産の場合は入院して点滴で投与していきます。この薬には投与量があって、深刻なほど投与量が増えていきます。そして副作用も増します。
ウテメリンの投与量は…
- 1A 120ml
- 2A 60ml
- 3A 40ml
- 4A 30ml
というような感じになっていて、4A 30mlは最大投与量らしいです。
「A」というのは「アンプル」という単位で1アンプル5mlで点滴500mlに入っているウテメリンの量のようです。30mlというのは一時間に流すウテメリンの量です。
ウテメリンの最大投与が4A 30mlということは、早期の切迫早産で4A 30mlで張りが治らなければ、命に関わる本当にまずい状態ということになります。
ウテメリンの点滴はずっと入れっぱなしになるので、よくある点滴の針とは違って柔らかい注射針の形状のものとなります。
柔らかいといっても血管に針が入れっぱなしの状態になるので痛いものは痛いです。トイレに行く時も、顔を洗う時もウテメリンの点滴がついた点滴スタンドと一緒です。車椅子に座っている時もウテメリンの点滴がついた点滴スタンドは一緒です。
ウテメリンの薬はとにかく副作用も強いので体にかなりの刺激があります。
大体、点滴で使う一本の血管は半月もちません。血管が細くボロボロになってしまうので、点滴が漏れ出します。そうすると違う血管を見つけて挿し直していきます。
私は36週5日目で出産をしましたが、最後は点滴が入れられる血管が無くなってしまって手の甲や手首の関節の血管から投与していました。
しかし、一本だけ太い血管を残していました。それはわざと医師が避けていた血管です。なぜかというと、緊急手術時の輸血用の血管なのです。
ウテメリンで生活が一変!
ウテメリンは点滴で使った血管をボロボロにしてしまうような薬です。かなり強い副作用があります。
私は入院をして一時間たったころには、トイレで吐きました。ウテメリンの吐き気は抜くまで続きます。食べ物を食べれば確実に吐きます。寝転がっても吐きます。とにかく3時間に一回は吐きます。あまりにも吐きすぎてトイレの回数が多くなるので、動かなくても吐ける状態をセッティングしていました。
最初のうちは、動悸、震え、頭痛などがひどすぎて眠れませんでした。
次第に、嘔吐をしすぎているせいで吐血をするようになってしまいました。胃から喉が傷だらけになってしまったのでしょう。
そして、普通にしているだけで大量の鼻血が出るようになりました。これがなかなか止まらなくてかなりこわいのです。しまいには足の裏が水ぶくれだらけになってしまって、身体にも湿疹が出てきました。
ウテメリンの副作用をあげていけばもっともっとあります。きりがありません。
ウテメリンを抜くか抜かないか!
私は切迫早産の入院中に産婦人科以外の診察も受けることが何度かありました…ベッドの上で…ウテメリンの副作用の末に。
妊娠30週目あたりで「ウテメリンを抜くか抜かないか」という選択をせまられたことがありました。4A 30mlのウテメリンで私の身体はボロボロだったのです。肝機能もよくない状態になっていました。
家族を呼ばれて、医師のもとで話し合いが行われ医師から
「あなたの身体の中には心臓が3つある。今優先させるのはあなたの心臓なんだ。小児科の設備もきちんと整っている」
とウテメリンを抜くように説得されたのです。
翌日の朝に抜くことが決まり、私は抜くときにに大人げなく大号泣をしました。
「抜かない!」の一点張りです。結果、抜くことはなくなりましたがウテメリンとさらに戦う日々がやってきました。でも抜かなかったからこそ36週5日目での出産となったのです。
ここで余談ですが、34週目あたりでウテメリンを抜いたら今度はお腹が大きすぎて陣痛がこなくなりました。子宮口2センチ開いていても、何も起こりませんでした。出産て何が起こるかわからないですね。
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