ママが抱っこしてもオムツを替えても、泣き止まない赤ちゃん。でも、おばあちゃんが抱っこすると、ピタッと泣き止んでスヤスヤ……
そんな経験をした新米ママは、少なくないことでしょう。
赤ちゃんはママのことが大好きなはず!それなのに、ママが何をしても泣き止まない上に、他の人の抱っこやお世話で赤ちゃんが泣きやむと、
- 「もしかして私は赤ちゃんに嫌われているの?」
- 「赤ちゃんはママがわからないの?」
なんてショックを受けてしまうかもしれませんね。
はたして、赤ちゃんはいつママのことをわかってくれるのでしょうか?そして、ママの抱っこやお世話で泣かなくなる日は来るのでしょうか?
ここでは、赤ちゃんがママの顔を認識する時期や、ママなのにどうして赤ちゃんに泣かれてしまうのか、その理由についてお伝えしましょう。
赤ちゃんがママの顔を認識するのは生後4ヶ月頃
赤ちゃんは、生まれた時からママのことがわかっている、とよく言われます。しかしこれは、ママの顔を見て「ママだ」と認識しているわけではありません。
生後1か月頃までの赤ちゃんは視力がとても弱く、ママの顔はぼんやりとしか見えていないのです。そのため、生まれたばかりの赤ちゃんは、ママの顔ではなく、匂いや声によってママのことを認識していると考えられます。
生後2~3ヶ月になると、赤ちゃんは人間の顔を認識し始めると言われます。
自分に笑いかけてくれるパパやママの顔を真似して笑う「社会的微笑」が始まるのも、この時期。視力は大人と比べでだいぶ弱いものの、人間の顔や表情はわかってくるのですね。ただ、「人間の顔」はわかるようになるものの、ママの顔と他の人の顔の違いなど、細かな認識はまだできません。
一説には、生後間もなく~3ヶ月頃の赤ちゃんは、顔の輪郭や髪型などでママのことを認識している、そして、ママの顔を好んで注視すると言われますが、目や鼻、口など顔のパーツそのものによってママと他人を見分けているわけではなく、顔の周りの特徴を捉えてママのことを認識していると考えられます。
生後4ヶ月頃になると少しずつ視力が発達して、焦点を合わせてものを見ることができるようになり、だんだんと奥行きなどもわかるようになってきます。
ママの顔をハッキリと認識するようになるのは、この頃。顔の輪郭や髪型に加え、顔のパーツの特徴でもママがわかるようになってきます。
そのため、ママの方をじーっと見つめて目で追ったり、ママが見えなくなると泣いたりするようになります。
ママのお世話で泣く赤ちゃん、その理由3つ
赤ちゃんが、ママの抱っこやお世話では泣いてしまい、おばあちゃんやパパなど他の人に抱っこされると泣き止むという現象は、この生後4ヶ月より前によく見られるかもしれません。特に、生後間もなくから1、2ヶ月といった時期に多いのではないでしょうか。
この時期の赤ちゃんは、まだママの顔がハッキリ見えていません。そのため、ママの顔が認識しているかかどうかは問題ではなく、それ以外のポイントに泣いてしまう理由があると考えられます。
ママが赤ちゃんに泣かれてしまう原因については、「どうしてママには笑ってくれないの?赤ちゃんがママ以外の人に愛想をふりまく4つの理由」でも詳しくお伝えしましたが、
- ママが抱っこやお世話に慣れていない
- ママが笑っていない
といったことがまず考えられます。
1.新米ママは赤ちゃんのお世話に慣れていない!
ママの抱っこは泣くのに、おばあちゃんの抱っこでは泣き止むという話が多いのは、経験値の差です。
新米ママは赤ちゃんの抱っこそのものに慣れていないのに対し、育児の大ベテランとも言うべきおばあちゃんたちは、赤ちゃんをどう抱っこすれば心地よいのか、そのポイントをよく知っています。
オムツ替えや沐浴などもそうですよね。
新米ママがおっかなびっくりお世話をしていると、不安が伝わって赤ちゃんが泣いてしまうことが多くあります。
しかし、育児に慣れているおばあちゃんがササッとお世話すると、不思議と泣かないものなのです。長年育児を経験している余裕が、赤ちゃんの安心感につながっているのかもしれませんね。
2.ママが笑わないと赤ちゃんも笑わない
生後2ヶ月くらいから、赤ちゃんは人間の顔の表情がわかるようになります。
そして赤ちゃんは、怒った顔よりも笑った顔の方が好きなのです。
ママが「また泣かれてしまうのではないか」と不安になり、怒ったような、不機嫌そうな表情をしていると、本当に赤ちゃんに泣かれてしまうということは、十分に考えられるでしょう。
3.おっぱいの匂いがするから泣いてしまう?
また、ママが抱っこすると赤ちゃんが泣くのは、おっぱいの匂いがするからだとも言われています。
低月齢のうちは空腹でなくてもおっぱいを欲しがりますし、おっぱいが近くにあるはずなのに、ママは抱っこばかりでなかなか飲ませてくれない、と怒って泣き出してしまうのかもしれません。
他の人の抱っこで泣き止むのは、そもそもおっぱいの匂いがしないので、赤ちゃんがおっぱいを欲しがらないからなのです。
低月齢のうちは、ママの顔がわからないから泣いているのではなく、こうした理由で泣いているのかもしれません。
育児は毎日しているうちに必ず慣れますから、笑顔で声をかけながら、「泣かれても大丈夫!」と気持ちに余裕を持って抱っこやお世話をしてあげたいですね。
ママとパパ、赤ちゃんはどちらの顔を早く認識する?
ちなみに、赤ちゃんはママの顔とパパの顔のどちらを早く認識するのでしょうか?
赤ちゃんは、毎日ずっと一緒にいてお世話をしてくれるママの顔を一番先に認識します。毎日そばで見ている顔ですから、これは当然といえば当然ですよね。一方で、パパの顔を認識するのは、パパと赤ちゃんの関わる時間にもよるようです。
たとえばパパの仕事が忙しくて、赤ちゃんが起きている時間になかなか会えない日々が続くと、パパの顔を認識する時期は遅くなります。
「パパ見知り」なんていう言葉もあるように、パパを知らない人だと思い込んで泣いてしまったり、怖がったりしてしまうのですね。また、まだよくパパの顔が認識できていない時期には、パパが散髪をしたり、いつもと違う服を着ていたりしただけで、赤ちゃんが泣いてしまうケースもあるようです。
しかし、パパもママと同じくらい熱心にお世話をし、赤ちゃんと一緒にいる時間を長く取ることで、赤ちゃんに自分の顔を認識してもらうのを早めることができると考えられます。
イギリスの研究では、パパがメインに育児を担っている場合、赤ちゃんはパパの顔を早期に認識し、好ましい反応を示すことが明らかになっています。
泣かれても自信をもって育児しよう!
赤ちゃんがママの顔を認識できる時期になると、今度は逆に「ママじゃないとイヤ!」という理由で泣くようになります。
これは、いわゆる人見知りですよね。
人見知りは、ママの顔と他人の顔の違いがわかるようになったことに加え、毎日お世話をしてくれるママを、赤ちゃんが「特別な人」「大切な人」として認識した証拠でもあります。自分の泣き声に応え、授乳やオムツ替えなど心地よい反応を返してくれるママを、赤ちゃんはちゃんとわかるようになるのです。
ですから、今赤ちゃんに泣かれてしまったとしても、落ち込むことはありません。
何をしても赤ちゃんに泣かれる時期も、赤ちゃんとの関係を築く大切な時期。たとえ泣かれても、毎日毎日お世話を繰り返し、語りかけ、笑いかけているうちに、赤ちゃんはしっかりとママの顔を認識し、ママのことが大好きになっていきます。
「私がママだから大丈夫!」と自信を持って育児に臨んでくださいね。