どうして姑というものは、こんなにも口うるさく干渉してくれるのか。そううんざりしているお嫁さんは、多いことでしょう。
家事のやり方、育児の方針、はたまた貯金のことや生活態度のことまで、あれやこれやと飽きもせずに干渉してくる姑に頭を悩ませているのなら、まずは姑の心の中を覗いてみませんか?
今回は、過干渉になりがちな姑の心理と、それをもとにした嫁側の心の持ち方、やり過ごし方を考えてみましょう。
「育児が私のステータス!」な姑は過干渉になりやすい
過干渉になるタイプの姑は、もともとお節介だったり、世話好きだったり、ボランティア精神にあふれていたりする性格なのかもしれません。
それと同時に、専業主婦として育児一筋に生きてきて、子供が巣立った後には、仕事も趣味も何も残らないような姑は、過干渉になりやすい傾向があるようです。
このタイプの姑にとっては、息子を一人前に育て上げたこと、育児を全うしたことが、自尊心を保つ唯一のポイント。それだけに、自分の育児には絶対の自信を持っています。
育児が最高のステータスとなっていることに加えて、姑自身のお節介で世話を焼きたがる性格が、過干渉を加速させる原因のひとつであると考えられます。
自分の息子はいつまでたっても未熟な存在
また、母親にとっては、息子はいつまでも小さな子供。大人になったとしても、結婚して子供を持ったとしても、まだまだ未熟な存在であり、自分の手助けやアドバイスが必要だと考えます。
その息子と結婚した嫁もまた未熟で、主婦として、母としての経験値は自分に比べて絶対的に足りません。
だから、息子を立派に育て上げた私が、2人を正しい方向に導いてあげなければならない。という考えに至る姑も多いようです。
若くて未熟な夫婦のため、そしてかわいい孫のためにも、自分が息子たちに“育親”を施してやらなければならない、という間違った使命感に燃えてしまうのです。
さらに、夫婦関係が上手く行っていなかったり、孤独感を感じやすかったりする姑の場合は、自分の心の拠り所である息子から子離れすることができず、寂しさや不安を埋めるかのように、より激しく干渉してしまうこともあります。
過干渉な姑にはこう対応しよう!
こうしたタイプの姑を上手くかわすためには、嫁としてどんな態度を持って臨めばいいのでしょうか?
過干渉は、言ってみれば心配の裏返し。
未熟で至らない息子がいつまでも心配だから、あれやこれやと口を出してくるのです。決して、意地悪や嫌がらせで過干渉になっているわけではない(そういうタイプの姑も中にはいるかもしれませんが……)、ということをまず前提として理解しましょう。
そして、次のようなことに気をつけながら、姑に対応してみましょう。
1.姑のやりかたは否定せず「はいはい」と聞き流す
過干渉になるタイプの姑は、自分のしてきた育児には絶対の自信を持っています。
そのため、それがたとえ古い知識や間違った情報であったとしても、真っ向から否定されると自尊心を保てなくなり、激怒したり、かえってひどく干渉してきたりする可能性もあります。
ああしなさい、こうしなさいといちいち言われるのは、嫁にとって非常に苦痛なことです。時代遅れの情報を押し付けられるのは、いい気持ちではないでしょう。
しかし、これ以上面倒なことを招かないために、そこは笑顔で「はい、はい」と切り抜けるのが得策。姑は24時間育児の様子を見張っているわけではないのですから、返事だけはしておいて、自分の育児方針を貫いてOKです。
2.「お義母さん、これどうやるんですか?」と聞いてみる
「私が教えてあげなきゃ!」と思っているタイプの姑には、それを逆手にとって、こちらから
- 「お義母さん、これどうやるんですか?」
- 「〇〇(夫)さんの時は、どうでしたか?」
などと聞いてみましょう。姑は喜んであれこれと教えてくれるはずです。
そうすればしめたもの!世話を焼きたい、アドバイスしたいという姑の欲求をこちらからのアプローチで満たし、満足させることで、過干渉が少しは軽減するかもしれません。
3.譲れないことは夫から断ってもらう
姑の過干渉に対し、軽く聞き流したり、逆にこちらからアプローチしたりできるのは、自分たちの生活や命に関わりのないことだけ。
たとえば、子供にアレルギーがあるのにあれこれ食べさせようとしたり、アボなし訪問が続いて精神的に参ってしまったりする場合は、我慢は必要ありません。
譲れないことは、理由を伝えてハッキリとお断りしましょう。その時は、嫁からではなく、できれば息子である夫から姑に強く言ってもらうことをオススメします。言いたいことは嫁の立場から直接言うのではなく、大切な息子から言ってもらった方が、姑の心には深く刻み込まれます。
いかがでしょうか?
こうして考えてみると、姑への対応の仕方は、仕事をしていて何かと口出ししてくる小うるさい上司やお局様への対応と似ているかもしれません。
仕事をしていた女性であれば、現場のことをイマイチわかっていないのに見当外れなことを言ってくる上司を「はいはい」と受け流したり、逆らえば仲間はずれや嫌がらせをしてくるようなお局様を積極的に頼ったりして、スムーズに仕事ができるように工夫した経験もあるのではないでしょうか。
姑との関係もそれと同じです。口うるさい上司やお局様をいなすように、過干渉な姑とも上手に距離を取りながら付き合っていけるといいですね。