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母乳相談室|赤ちゃんに上手に飲んでもらうためのポイント

母乳相談室の使い方

母乳に関する悩みや相談事の中で時々登場するのが、『母乳相談室』という哺乳瓶。

この母乳相談室、赤ちゃんが母乳を上手に飲めるようになるとしてよくすすめられていますが、一体どのようなもので、どのように使えばよいのでしょうか?

ここでは、新米ママたちが持つ母乳相談室の哺乳瓶に対する疑問について、詳しくお答えしていきましょう。

母乳相談室の基礎知識

まず、母乳相談室とは一体どんな哺乳瓶なのかを簡単にご説明していきましょう。


母乳相談室は、ピジョンから業務用として販売されている哺乳瓶。

母乳育児をサポートするエキスパート「桶谷式」において、訓練用として使われるもので、母乳相談室のパッケージにも『桶谷式直接授乳訓練用』という表示があります。

母乳や乳房のトラブルがあって、母乳を直接飲ませてあげられない時にすすめられるほか、まだ母乳をうまく飲むことができない生後0~2ヶ月ほどの赤ちゃんに、母乳を上手に飲むためのトレーニングをしてもらうために使われています。

赤ちゃんは、生まれてすぐから母乳を上手く飲めるとは限りません。

また、初産の場合はママの母乳の出があまりよくなかったり、扁平乳頭、陥没乳頭だったりして、母乳を飲ませたくてもなかなか直接吸ってもらえないという事態も起こります。

そんな時、赤ちゃんにはミルクを飲ませるのですが、哺乳瓶でミルクを飲むことに慣れてしまった赤ちゃんの中には、ママの乳房をくわえるのを嫌がってしまう子もいます。
一般的な哺乳瓶は赤ちゃんにとって飲みやすく作られているため、吸啜(きゅうてつ)力や顎の力をつけ、舌の動かし方などをマスターしなければ飲めない母乳よりも、楽に飲めるミルクを好むのです。

母乳相談室という哺乳瓶は、このような場合の赤ちゃんのトレーニングに使われます。

母乳相談室の特徴としてあげられるポイントは、

  • 容量160ml、ニップルのサイズがSS、SMと低月齢の赤ちゃん向け
  • ミルクが出てくる穴が小さな丸型で、通常のニップルよりも出にくい
  • 赤ちゃんが大きな口を開けてくわえ、強い力で正しく吸わないとミルクが出てこない

など。

つまり、母乳を直接飲む時と同じような口の形や力で吸うことが必要な哺乳瓶であるため、ミルクを飲みながらも、母乳を直接飲むための練習ができるというわけです。

母乳相談室を使っている赤ちゃんは、吸啜力がアップし、正しい母乳の飲み方を覚えられるため、その後スムーズに母乳を飲むことができるようになることが多いと言われています。

母乳相談室は、母乳育児を軌道に乗せるために最適な哺乳瓶なのです。

母乳実感やビーンスタークとはどう違うの?

ピジョン・母乳実感と母乳相談室との違い

ピジョンでは、『母乳実感』という哺乳瓶がメインで販売されています。この母乳実感と母乳相談室には、どのような違いがあるのでしょうか。


母乳相談室は、先に述べたようなトレーニング用の哺乳瓶であるのに対し、母乳実感はごく一般的な哺乳瓶です。

母乳実感は、ニップルのサイズがSS~Lまで展開され、サイズによって丸穴とY型のスリーカットに分かれているほか、哺乳瓶の容量も240mlと、月齢が高い赤ちゃんにも対応しています。

ニップルの形状は母乳相談室とは違うものの、母乳を飲む時と同じ口の動きで飲めるため、母乳とミルクの混合育児にもすすめられています。

ビーンスターク・赤ちゃん思いと母乳相談室との違い


ビーンスタークの哺乳瓶『赤ちゃん思い』は、母乳を飲む時の赤ちゃんの顎の筋肉の動きをもとに作られています。

赤ちゃん思いでミルクを飲む時には、しっかりとした顎の動きと吸う力が必要になるため、こちらも混合育児の場合によいと言われています。

ニップルのサイズは一種類のみですが、X型のクロスカットになっているため、赤ちゃんの筋肉の発達と成長にしたがって飲む量が自然に調整されるようになっていて、月齢に合わせて買い換える必要がありません。

こうした特徴の違いがあるため、母乳のみで育てたいママや、今はミルクを足しているけれどいずれは完全母乳に移行したいママには、赤ちゃんがしっかりと直母の訓練をできる母乳相談室の哺乳瓶を、母乳とミルクの混合で進めたいママや、ミルク育児をしたいというママには、母乳実感やビーンスタークの哺乳瓶をオススメします。

母乳相談室の使い方のポイント

赤ちゃんが母乳を飲むトレーニングのために使う哺乳瓶、母乳相談室。

そう聞くと、何だか使い方が難しそうな気もしてしまいますよね。

母乳相談室の哺乳瓶は本来、桶谷式のマッサージや指導を受けながら使用するものですので、できるなら桶谷式を実践している産院などでその使い方をしっかりと教えてもらうのが一番よい方法です。

しかし、桶谷式が近くにない、なかなか相談に行くことができないというママも多いことでしょう。そこで、母乳相談室をどうすれば上手に使うことができるのか、そのポイントをママたちの疑問に答える形でまとめてみました。

いつからいつまで使えるの?

母乳相談室は、生後すぐ~低月齢期を目安に使う哺乳瓶です。

基本的に、赤ちゃんが母乳を直接吸えるようになるまでのトレーニング用の哺乳瓶ですので、直接母乳が飲めるようになれば違う哺乳瓶に替えてもよいのですが、混合育児の場合、吸いやすい哺乳瓶に慣れてしまうと、赤ちゃんが母乳を嫌がったり、乳頭混乱を起こしたりすることも考えられます。

そのため、混合育児を続ける場合は月齢が上がっても、そのまま母乳相談室を使うママも多くいます。

赤ちゃんがSSサイズのニップルで上手く飲めるようになったり、吸啜力がアップしてニップルが潰れてしまうようになったりした場合は、SMサイズのニップルに交換してもよいでしょう。

乳頭混乱の心配がない赤ちゃんや、ミルク育児にする場合には、飲むのに時間がかかる母乳相談室よりも、赤ちゃんがよりしっかりとミルクを飲める母乳実感などの哺乳瓶がオススメです。

どう吸わせればいいの? ニップルの向きは?

母乳相談室のニップルの形は独特であり、楕円形で下側がぷっくり膨らんだようになっています。

ニップルの哺乳瓶のキャップ側に、小さく「UP」という表示がありますので、そちらを上にして赤ちゃんに飲ませましょう。

赤ちゃんにニップルをくわえさせる時は、ニップルが舌の上にくるようにして、母乳を飲む時と同じく、上唇と下唇をしっかりひらいて、ニップルの根本までくわえさせます。

よく言われますが、ドナルドダックのような口の形になればOKです。

赤ちゃんが疲れて嫌がってしまう場合はどうすればいい?

母乳相談室の特徴は、母乳を飲む時と同じように、力強く吸う必要があるということ。そのため、母乳相談室の哺乳瓶を使うと、赤ちゃんが飲むのに疲れて途中で寝てしまったり、なかなか飲めなくて怒ってしまったりすることがあります。

授乳に時間がかかるとママも疲れてしまいますし、赤ちゃんもしっかりとミルクを飲めないと体重の増えに影響することも考えられますね。

その場合は、昼間は母乳相談室を使ってじっくりとトレーニングし、授乳を手早く済ませたい夜中などは比較的吸いやすい母乳実感などを使うといったように、哺乳瓶の使い分けをするのもひとつの方法かもしれません。

また、赤ちゃんが上手に飲めるように、通気孔やニップルの穴をキレイに掃除する、中栓を締めすぎない、調乳後は哺乳瓶の中の圧が高くならないように圧抜きをする、などの基本的なポイントも一度チェックしてみましょう。

哺乳瓶の中が泡だらけになっても大丈夫?

母乳相談室を使っていると、赤ちゃんがミルクを飲むうちに細かい気泡が多くなり、心配するママも多いようです。

しかし、もともと哺乳瓶のニップルには空気を取り込むための通気孔があり、そこから空気が入ることでミルクがスムーズに出てくる仕組みになっています。特に母乳相談室の場合はミルクの出る穴が小さいため、気泡がたまりやすくなる傾向がありまするのです。

赤ちゃんがミルクを飲んでいる時に気泡がたまってくるのは自然なこと。

哺乳瓶の中に泡が多くなるのは、赤ちゃんに吸啜力がつき、正しく、力強くミルクを飲めるようになった証拠でもありますので、心配はいりません。ただ、空気をたくさん飲んでいる可能性もありますので、ミルクを飲んだ後はしっかりゲップを出してあげるようにしましょう。

扁平乳頭や陥没乳頭でも赤ちゃんのトレーニングに使えるの?

扁平乳頭や陥没乳頭などの場合、赤ちゃんが乳頭を浅くくわえ、先の方だけを吸ってしまう、いわゆる浅飲みになってしまうことも少なくありません。

母乳相談室は、赤ちゃんが口を大きくあけ、正しい形で母乳を飲むための訓練ができますので、扁平乳頭、陥没乳頭で起こりがちな浅飲みを予防・改善するのに役立ちます。

また、母乳相談室のニップルは、扁平乳頭や陥没乳頭で悩むママが乳頭保護器の代わりに使うこともできますので、ママと赤ちゃん双方にとってよいトレーニングとなります。

ママの母乳の分泌が増え、赤ちゃんに吸ってもらうことで乳頭が柔らかくなれば、扁平乳頭や陥没乳頭でも赤ちゃんは上手に母乳を飲めるようになってきますので、母乳相談室を使いながら地道に頑張ってみましょう。

母乳相談室を使えば赤ちゃんの乳頭混乱を予防できる?

母乳相談室のニップルは、ママの乳頭の形に近く、正しくくわえれば自然に母乳を飲む時の口の形になるように作られています。

他の哺乳瓶を嫌がる赤ちゃんでも、母乳相談室を使ったら飲んでくれた、また、母乳を嫌がっていた混合育児の赤ちゃんが、母乳相談室を使い始めたら母乳を嫌がらなくなった、などの口コミもありますので、母乳相談室は他の哺乳瓶よりは乳頭混乱を起こしにくいと言えるかもしれません。

しかし、必ずしも乳頭混乱を防げると断言できるものではありませんので、赤ちゃんの様子を見ながら使うことをオススメします。

以上、母乳相談室の哺乳瓶についてお伝えしてきましたが、ご参考になったでしょうか?

母乳相談室は、ママの授乳の悩みを解決するための手助けとなるとともに、赤ちゃんが上手に母乳を飲むためのよきサポーターとして活躍してくれることでしょう。快適で楽しい授乳生活を送るために、ぜひ母乳相談室の哺乳瓶を上手に活用してみてくださいね。

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