お宮参りは、およそ生後1ヶ月を目安に行うもの。
地域による違いはあるものの、正確に言うと、男児の場合は生後31日目または32日目、女児の場合は生後32日目または33日目にお宮参りをすると良い、とされています。
その慣例に従って、お宮参りの日にちを決めようとしている方、実際にお宮参りをした方も多いのではないでしょうか。
しかし、もしも赤ちゃんが真夏や真冬の生まれで、お宮参りの時期が極端に暑かったり寒かったりする場合、どうすればいいのでしょう?また、赤ちゃんやママの体調が思わしくなく、生後1ヶ月までに回復していない場合は?
果たして、お宮参りはいつまでにするべき、という決まりはあるのでしょうか?ここでは、お宮参りの日にちの決め方や考え方についてお伝えします。
お宮参りは明確に「いつまで」とは決まっていない
お宮参りを行うのが生後1ヶ月前後とされているのは、あくまでも目安です。
昔は、お産は不浄なものとされ、出産した女性には「穢れ」(けがれ)があると考えられていました。そのお産の忌明けの儀式としての意味合いが強かったため、31日~33日という日数が定められていたのではないかと考えられます。
しかし、現代のお宮参りは赤ちゃんの健康と成長を願うのが主な目的となり、お産は不浄だなどと考える人も少なくなりました。
そのため、いつまでに行うという明確な決まりなどはないものとされ、ママと赤ちゃんの体調や天候を優先して日にちを決めることがほとんどです。
真夏や真冬生まれの赤ちゃんは、数ヶ月延期することも
たとえば、7月生まれの赤ちゃんの場合、お宮参りをする時期は猛暑の真っただ中。
現代の暑さは昔と違って猛烈で、健康な大人でも熱中症にかかってしまうことが少なくありません。まして、生まれたばかりの赤ちゃんは体温調節がまだできませんから、たとえ短い時間だとしても、屋外にいるのは避けた方がよいでしょう。
また、冬生まれの場合も同じく、極端に気温の低い日や、雪が降るような日にお宮参りをするのは、赤ちゃんにとってかなりの負担になってしまいます。特に寒い地域や雪国の場合、路面が凍結していたり、雪で段差が見えなかったりすると、赤ちゃんを抱いたまま転倒する危険も高まります。
神社などの昔ながらの建物は、冷暖房が完備されているとは限りませんし、砂利道や階段があって足場があまりよくありません。そのため、真夏や真冬の生まれの赤ちゃんの場合は、生後1ヶ月にこだわらず、気候がよくなってからお宮参りすることが多くなっています。
産後の回復は人それぞれ! ママの体調も考えて決めましょう
また、産後の体の回復具合には個人差があります。
赤ちゃんが生まれて1ヶ月ということは、ママも産後1ヶ月。慣れない育児や授乳、寝不足が続いて、産後疲れはピークに達しているかもしれませんし、体力がまだ戻っていなかったり、貧血気味だったりして、外出することさえままならないというママもいるでしょう。
そんな時、周りの人から「お宮参りにまだ行かないのか」などと言われると、何だか心苦しくなりますよね。初孫誕生に喜びを爆発させているお姑さんや、しきたりに厳しいお姑さんなどは、生後1ヶ月でお宮参りをしないことを責めるようなことを言うかもしれません。
実際に、お姑さんから
- 「産後1ヶ月が辛いなんて甘えている。みんな辛い中でお宮参りに行くんだ」
- 「生まれて3ヶ月近くなってからお宮参りなんて、恥ずかしい」
などと心ないことを言われたお嫁さんもいるようです。
しかし、無理してお参りに行って体調を崩して入院などということになったら、何のためのお宮参りなのかわからなくなってしまいますよね。
大事なのはママと赤ちゃんの体調です。
周りに流されず、自分が主導権を持ってお宮参りの日取りを決めましょう。
ママの体調を理由にしてお宮参りを延期すると、古い考えのお姑さんはいい顔をしません。
「母親は我慢して当然」と言われるのがオチですから、あくまでも赤ちゃんの体調が心配という気持ちを強調して伝えるようにしましょう。
ちなみに、皇太子ご夫妻の長女、敬宮愛子さまも12月生まれでしたので、一般のお宮参りにあたる儀式を、暖かくなる3月まで延期されたとのこと。少し前のお話ですが、年配の方にはこうした情報も挟んで伝えると、納得してもらいやすいかもしれません。
「お宮参りは生後1ヶ月で行う」というのは、あくまでも目安です。
最近では、お宮参りと100日のお食い初めを同時に行うという家庭も増えているようです。生後100日ですと、3ヶ月を過ぎた頃ですので、赤ちゃんもだいぶ体がしっかりしてきますし、ママも育児に慣れて体力も戻る頃ですので、お参りをするにはちょうどよいでしょうね。
赤ちゃんを思い、誕生を祝う気持ちがあれば、いつお宮参りをしても問題はありませんので、古いしきたりや風習などにこだわらず、赤ちゃんとママの体調、気候、家族の都合など、いろいろなことを考慮して、最適な日を選んでください。