
多くのママは、乳腺炎で熱が出る前に「あれ、何かおかしいな」という兆候を感じるものです。
たとえば、ちょっとした詰まりや小さなしこりなど。それを見つけた段階で適切に対処すれば、炎症を最小限に抑え、高熱が出るのを回避することができるかもしれません。
私が過去に乳腺炎になった時も、しこりを見つけて「これはマズい!」と思った段階でいろいろに方法を試したところ、運良く症状を軽減することができました。その時の体験談を書いてみましたので、ご参考にしてくださいね。
フライドチキンを食べた翌日にしこり発見?!
「母乳育児をしている間は、甘いものや脂っぽいものを食べてはいけない」
というのが、私が出産した時に言われていたこと。
「甘いもの、脂っぽいもの、洋食、乳腺品などは血液をドロドロにして乳腺を詰まらせるため、乳腺炎の原因になってしまう」
というような情報が多くのママに信じられていて、とにかく「母乳育児中は食べるものを制限しなければならない」と当たり前のように思っていました。
しかし、ダメだと思っていると、ますます甘いものや油っこい料理、ジャンクフードなどを食べたくてたまらなくなってしまいます。
それでなくてもお腹が空きやすい母乳育児中、好きなものや食べたいものを我慢するのは辛いこと。育児疲れのストレスに加え、食べたいものが食べられないストレスは、とても大きなものでした。
その日私はストレスに耐え切れず、某ファストフード店のフライドチキンがどうしても食べたくてたまらなくなり、1個だけなら……と、食べてしまいました。すると、翌日の乳房はカッチカチ。その上、右の乳房にしこりのようなものができていたのです。
現在では、特定の食べ物が乳腺炎の原因になることはないと言われています。
そのため、実際はフライドチキンのせいでしこりができたのではなく、その日までに授乳間隔がいつもよりあいてしまったり、授乳回数が少なかったり、赤ちゃんがしっかり母乳を飲めていなかったり……といった別の原因があったのだと思います。
しかしこの時の私の頭の中には、“乳腺炎の原因=脂っぽいもの” という図式があったために、「昨日フライドチキンなんか食べたからしこりができたんだ!」と思い込んでしまいました。
ぬるめのお風呂で血行をよくし、乳房をマッサージ
幸い熱はなく、しこりは少し赤くなっていて押すと痛い程度でしたが、前回乳腺炎で高熱を出した経験から、これは早めに対処しなければ!!と思い、まずは積極的に授乳することにしました。
しこりのある右側を中心に飲ませ、いつものように抱っこするだけでなく、縦抱き、フットボール抱きなど向きや姿勢を変えて飲ませました。飲ませている時は、反対側の手でしこりを乳頭の方に動かすようにそっとマッサージ。授乳の後はしこりのある部分に冷えピタを貼って冷やしていました。
赤ちゃんの入浴は夫にお願いし、私はぬるめのお風呂につかって、しこりを解消するために乳房のマッサージをしました。
しこりを直接押すのではなく、しこりの周りから、しこりを乳頭の方向にゆっくりと圧迫するようにすると効果的でした。
白斑も入浴中のマッサージで解消
また、その時に乳頭に小さな白っぽいものが見えたので、白斑だと思って乳頭をマッサージしました。
白斑は、母乳の出口が詰まっている状態で、乳口炎ともいいます。
お風呂でよく温まったら、親指と人差指で乳頭をつまんで、しごくように少し前に引っ張るようにマッサージします。これをくり返しているうちに、白斑が取れることもあるのですが、取れない場合は無理は禁物ですので、入浴後、体が温まっているうちに赤ちゃんに授乳するのがオススメ。
私も1回の入浴中のマッサージでは取れなかったものの、その後に赤ちゃんに吸ってもらったら、栓が抜けるように白斑が解消しました。
ちなみに、白斑は針で刺して出すのが良いと当時聞いたことがあったのですが、衛生面も気になるのと怖いのとで、とてもできませんでした。
※もちろん、絶対にしてはいけません!細菌感染を起こす恐れがあります。
トラブルを発見したら授乳の仕方をもう一度見直して!
乳房に詰まりや白斑を見つけたら、すぐに対処することが大切です。そのまま放っておくと、本格的な乳腺炎となってしまい、強い痛みや高熱といった辛い症状が出てくることもありますので、注意しましょう。
もしも詰まり、しこりといったトラブルを発見したら、まず自分の授乳の仕方をもう一度見直してみましょう。
- いつもより授乳回数が減っていないか
- いつもより授乳間隔があいていないか
- 赤ちゃんはしっかり母乳を飲んでいるか
- 片方の乳房のみ、あるいは同じ方向からのみの授乳になっていないか
といったポイントをチェックして、赤ちゃんの抱き方を工夫しながら、できるだけ頻繁に、いろいろな方向から母乳をしっかり飲んでもらえるようにしましょう。
また、
- 胸を圧迫するような下着や服を着ていないか
- 母乳パッドやブラジャーは清潔か
- 授乳する時の手は清潔か
- 爪は伸びていないか
- 疲れやストレスは溜まっていないか
など、授乳以外に考えられる乳腺炎の原因となり得ることにも気をつけてみましょう。
そして、入浴の際には
- しこりや白斑ができていないかチェックする
- 湯船に入って体を温め、できれば乳房のマッサージもする
ということを心がけましょう。赤ちゃんと一緒の入浴では、しっかり温まったりマッサージしたりするのは難しいでしょうから、パパに赤ちゃんを見ていてもらえる時だけでも実践してみてくださいね。
こうしたことに気をつけているだけで、乳腺炎になりかけの詰まり、しこり、白斑を予防、改善することができるかもしれません。しかし、もしも詰まり、しこりがなかなか解消しない場合や、痛みや発熱などの症状がある場合には、できるだけ早く病院で診察を受けましょう。

白斑は赤ちゃんがあまり母乳を飲んでくれないことが原因で起こります。赤ちゃんの飲み残しがないように、母乳が作られ消費されることで白斑を予防することができます。
この記事のように、血行を良くしてマッサージすることで、適切なサイクルが保たれ、予防することができます。
乳腺炎初期の不安を解消するリンクまとめ