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詰まりや痛みは要注意!乳腺炎になりかけた時の対処法

保健師・看護師はるママ

記事監修 保健師・看護師 はるママ

外科と皮膚科と救急外来で頑張っています!子どもの急な発熱からスキンケアなどに明るいです。


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乳房の一部が赤くなって腫れたり、痛みが出たり…それはもう乳腺炎の一歩手前の症状です。しかし、ここで慌てず、適切な対処をすることで乳腺炎まで悪化させるのを防ぐことも可能です。

一番良いのは、この段階で医師の診察を受けたり助産師に相談したりして、専門家の力を借りて症状を軽減することですが、赤ちゃんを抱えて病院へ行くのはなかなか難しいというママは、次のようなポイントをご参考に、しこりや痛みを取り除く努力をしてみましょう。

しこりがある時は積極的に授乳しよう

しこりや詰まりがあったり、赤くなって痛みがあったりすると、授乳してもいいの?と心配になってしまいますが、むしろ授乳して赤ちゃんに吸ってもらうことが大切です。

赤ちゃんが母乳を飲む時の力は、搾乳するよりもずっと強く、効果的。トラブルのある乳房から頻回授乳することを心がけ、また授乳の時の姿勢や角度を変えて、赤ちゃんにまんべんなく母乳を飲んでもらい、詰まりを解消できるようにします。

授乳する時には、しこりの部分を痛くない程度に押しながら飲ませるのも有効です。痛みが強い時や、痛くて授乳ができないような場合は、早めに医師や助産師に相談しましょう。

腫れている場合は冷やす!

乳腺が詰まっていると、そこに母乳がたまって痛みや赤みが出てきます。また、しこりの部分に痛みを感じることもあります。そんな時は、まず冷やすことが大切。

濡らしたタオルや冷えピタ、タオルで包んだ保冷剤などを当てて、炎症がひどくならないようにします。また、ジャガイモをすりおろしたものや、キャベツを湿布代わりに使う方法もあります。家に冷えピタも保冷剤もない場合は、試してみるといいでしょう。

ただし、冷やすことが苦痛に感じる場合は、無理に冷やすことはありません。

授乳の前に乳房を冷やしすぎると母乳の出にも影響を与えることがありますので、授乳直前には、蒸しタオルなどで少し乳房を温めるようにして、母乳の分泌を促しましょう。授乳が終わってからは、ふたたび心地良いと感じる程度に冷やすようにしましょう。

水分と食事の摂り方、そのポイントは?

日本助産師会による乳腺炎ケアのフローチャートには、食事、乳房へのケアという項目として、

『食事や水分は、制限したり過剰に摂取したりせずに適量を摂取する』

と書かれています。

乳房にしこりや詰まり、痛みなどがあると、母乳の分泌量を抑えようと水分を制限したり食事を我慢したりした方がいいのでは? と思う方もいるかもしれません。

しかし、ミルキー母乳育児相談室を開設している助産師・山川不二子さんは、著書「ミルキーママの自分でできるおっぱいケア」(改定3版)の中で、「乳房うっ積や分泌過多には水分や食事の制限が必要?」という問いに対し、

『授乳期のお母さんの体は、母体を犠牲にしても母乳をつくる方向にはたらきます。したがって水分制限や食事制限は、母体をますます脱水や飢餓状態に追い込むことになります。そのように母体の健康を害してまで、水分や食事を制限するのは間違いです』

と答えています。

乳腺炎になりかけている時でも、過剰な食事制限や水分制限は必要ありません。過不足のないよう、適量を心がけて水分を摂取すること、食事も栄養バランスに気をつけて、1日3食しっかり取ることを心がけてくださいね。

また、疲れていたり睡眠不足だったりして抵抗力が弱っていると、乳腺炎を起こしやすくなることもあります。水分と食事をしっかり摂り、赤ちゃんに授乳しながら、ママ自身もしっかり休息や睡眠の時間を確保するようにしましょう。

保健師さんのワンポイント保健師・看護師はるママ
急性化膿性乳腺炎は、出産2~3週後ころに発症することが多く、乳腺に細菌(主に黄色ブドウ球菌)が入り込んで炎症が起こる症状をいいます。

乳腺炎になっているかどうかを判断するポイントとして、自分自身で乳房や身体の状態を観察し、以下の点に注意しましょう。

  • 【乳房の状態】熱をもつ、赤く腫れる、痛みがある、部分的に固くなったりしこりができている
  • 【全身の状態】熱が出る、腕を動かしたり触ると痛い

もし、このような状態が出ている場合は、助産師の母乳外来で相談する、または産婦人科医師の診察を受ける事をおすすめします。

参考資料
・日本助産師会 乳腺炎ケアのフローチャート:http://www.midwife.or.jp/midwife/mastitis-flow.html
・「ミルキーママの自分でできるおっぱいケア」(改定3版) 山川不二子・著/メディカ出版

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