BabyNET

生活リズムを整えてストレスを減らすために。150以上の超具体的な赤ちゃんの寝かしつけのコツ。

二度とかかりたくない!乳腺炎を予防する3つの授乳ポイントと食事の関係

65

母乳育児のママが恐れているものといえば、乳腺炎。高熱が出て、乳房もガチガチに張って痛む乳腺炎は、心身に受けるダメージが大きく、一度かかると「もう二度とかかりたくない!」と思うほど辛いもの。

母乳育児中は、いつでも、どんなママでも、乳腺炎にかかる可能性がありますので、辛い思いをしないためにも、普段からしっかりと予防することが大切です。

ここでは、乳腺炎を防ぐために有効だと考えられる授乳のポイントを3つご紹介します。また、乳腺炎と食事の関係についても触れていますので、気になるママはじっくりと読んでみてくださいね。

おさえておきたい! 乳腺炎と食べ物の関係と母乳育児に役立つ食事のコツ

まずはじめに知っておきたいのは、「乳腺炎は特定の食べ物を食べたからかかるものではない」ということ。

私たちは、乳腺炎に関してはどうしても

  • 甘いものや洋菓子を食べるのはダメ
  • 肉や揚げ物ばかり食べているとかかってしまう
  • 乳製品が良くないのかも

といった、特定の食べ物と関連付けたイメージを持っています。

そして、乳腺炎を防ぐためには食事制限が必要だと思い込んでしまいますが、実際には乳腺炎の原因と食事には明確な関連がないと言われています。

母乳育児医学アカデミー(ABM)の臨床指針第4号 乳腺炎(2014年改訂版)には、乳腺炎の誘因という項目の中に、

  • 『乳汁がうっ滞すること以外の因子と乳腺炎との関連は、一般的な結論が出ていない』
  • 『母親のストレスや疲労(特定の食物がヒトにおける乳腺炎のリスクであるというエビデンスはない)』

という記述があります。

また、日本助産師会がホームページにて公開している乳腺炎ケアのフローチャートでは、食事、乳房へのケアという項目の中で、注釈として
『現在のところ、糖分、脂肪分、水分、塩分摂取に関してエビデンスに基づく結論は出されていない』
と書かれています。

このような資料から考えると、特定の食べ物を避けたり我慢したりすることが乳腺炎の予防につながるとは、ハッキリ言えないようです。甘いものも、脂肪分の多いものも、乳製品も、「乳腺炎を防ぐために控えなければならない」と考える必要はないでしょう。

ただ、血液の循環を良くして、質の良い母乳をたくさん出すために食事に気を配ることは有効です。母乳の分泌を促す食事のコツとしては、

  • 和食を心がける
  • 根菜類の入った味噌汁やスープを飲む
  • 野菜を多めに摂る
  • パンよりも白米か玄米をたくさん食べる

といったものがよくあげられますが、赤ちゃんのお世話に追われて心身共に疲労がたまる時期ですので、無理のない範囲でバランスのとれた食事を心がけていければ、それで十分です。

和食ばかり、根菜類ばかりでは飽きてしまう場合は、洋食も上手に取り入れながら、主食(ご飯やパン、麺)、野菜、肉または魚、の3つを食べられるように意識してみましょう。

たまには甘いものやこってりしたものを食べたくなるでしょうから、そんな時は我慢せずに、食べ過ぎに注意して楽しみましょう。

そして、母乳育児にはこまめな水分補給も大切だと言われています。

水分は冷たい水やお茶、ジュースよりも、白湯か温かいお茶(カフェインレスのもの)を意識して飲むようにしてみましょう。母乳が出すぎるからといって勝手に水分を制限したり、逆に飲み過ぎたりすることのないように、自分でちょうどいいと感じる量を飲むのが一番です。

あえてオススメの飲み物をあげるなら、ノンカフェインで体にやさしく、血液の流れを良くすると言われているごぼう茶、たんぽぽ茶でしょうか。次の記事もご参考に、ぜひ試してみてくださいね。


乳腺炎になりにくい3つの授乳ポイントとは?

乳腺炎の原因と食事に関連がないことをお伝えしたところで、乳腺炎にかからないために注意したい授乳のポイントを3つあげてみましょう。

まんべんなくいろいろな方向から授乳する

いつも同じ方の乳房からばかり母乳を飲ませていたり、同じ姿勢で授乳したりしていると、飲ませていない方の乳房の乳腺が詰まりやすくなり、白斑や乳腺炎などを引き起こす原因になります。

右から5分飲ませたら左も5分、横抱きで5分、縦抱きで5分など、左右の乳房のあらゆる方向から、まんべんなく赤ちゃんに母乳を飲んでもらう工夫をしましょう。

間隔をあけすぎない

授乳間隔をあけすぎると母乳が赤ちゃんに飲まれないまま乳房にたまり、張り、つまり、しこりといった症状が出ることも。

間隔をあけすぎず、頻回に授乳することは乳腺炎の予防において大切なことです。何らかの理由で、どうしても授乳間隔があいてしまう時は、張っている乳房が少しだけ楽になる程度に搾乳するといいでしょう。その後は、できるだけすみやかに赤ちゃんに授乳してくださいね。

また、断乳や卒乳がきっかけで授乳回数が減り、乳腺炎を発症すママもいます。断乳や卒乳の際は急に授乳をやめるのではなく、助産師など専門家に相談しながら徐々に授乳の回数を減らしていくように心がけましょう。

搾乳しすぎない

赤ちゃんが母乳を上手く飲めていない場合は、飲み残しの母乳をためておかないよう、搾乳することが有効です。

しかし、必要以上に搾乳しすぎてしまうと、かえって母乳の分泌が過剰になり、乳房の張りや詰まり、乳腺炎を引き起こす原因になることもあります。搾乳する時は、乳房がカラになってスッキリするまで搾るのではなく、圧抜き程度にとどめるようにしてみましょう。

参考資料
・母乳育児医学アカデミー(ABM) 臨床指針第4号 乳腺炎(2014年改訂版):http://www.jalc-net.jp/dl/ABM_4_2014.pdf
・日本助産師会 乳腺炎ケアのフローチャート:http://www.midwife.or.jp/midwife/mastitis-flow.html
・「ミルキーママの自分でできるおっぱいケア」(改定3版) 山川不二子・著/メディカ出版

Return Top