お姑さんが我が家を訪問するとなると、それまで以上に掃除をして家中をピカピカにしたり、いつもよりも手の込んだ料理をしたりして、頑張ってしまう妻。
そんな妻の姿を、不思議な気持ちで見ている夫は少なくないでしょう。
- 「姑が来るからって、なぜそんなに頑張る必要があるの?」
- 「妻にとっても母親みたいなものなんだから、いつも通りでいいのに……」
なんて思っていませんか?実際に「そんなに頑張らなくていいよ」と声をかけている夫も、いるかもしれませんね。
でも、妻からすると、そんなのんびりしたことは言っていられないのです。
姑にだけは隙を見せたくない!
姑と過ごす時、妻はいつも気を張ってピリピリしています。夫の実家に行けば、料理や片付けの手伝いを積極的にこなし、姑が自宅に来れば、掃除も料理もいつも以上に頑張ります。
お茶菓子ひとつ、お茶の淹れ方ひとつにも気を配り、完璧な妻に見られようと努力します。そして、姑に会った後はグッタリと疲れ果てている。
「そんなに疲れるなら、もっと手を抜けば?」
と、夫は思うことでしょう。
しかし、そこまで努力するからには、妻なりの理由がちゃんとあるのです。
妻が必要以上に頑張って、姑の前でよい嫁になっているその理由はズバリ、
「姑にだけは隙を見せたくないから」
です。
水面下で進む嫁姑の熱く静かなバトル
嫁と姑というものは、決して相容れることのない関係です。
表面上は穏やかに見える嫁と姑でも、心の中ではお互いに牽制しあい、無意識にアラ探しをしているもの。
ちょっとでも掃除が行き届いていない部分があったり、お茶の入れ方がまずかったり、料理がうまくできいなかったりすると、姑はそこを目ざとく見つけて、嫁を下に見ます。
「やっぱり嫁より母親である私の方が上ね」
なんていう姑の心の声が、妻には聞こえてくるのです。
「うちの母親はそんな嫌な性格はしていない!」と思いますか?
でも、息子に見せる母親の顔と、嫁に見せる姑の顔は違うもの。
自分の知らないところで、妻に対してどんな態度を取っているかなんて、のほほんとしている夫には想像もつかないでしょう。一見何の問題もない嫁姑でも、水面下では熱く静かなバトルが繰り広げられている、なんていうこともあるのです。
だからこそ妻は、姑の前では隙のない「完璧な嫁」になる必要があります。
至らない嫁だと見下されたくない、何があっても余計な文句を言われたくない。必要以上に頑張るのは、そんな気持ちからくる、妻の最大限の防御策です。
「普段通りでいい」なんて夫に言われても、その通りにして姑から「至らない嫁」というレッテルを貼られるのは、妻としての、女としてのプライドが許さないから、頑張っているのです。
もちろん、本当に仲の良い嫁姑も世の中にはいますから、こんなケースばかりではありません。しかし、夫はこうした妻の気持ちを少しでも汲んであげる必要があるのではないでしょうか。
「頑張らなくていいんだよ」なんていう耳障りの良い言葉をかけるだけではなく、妻の負担を少しでも少なくするように、できるだけ努力してみてくださいね。