「ママに一人の時間を作ってあげたい」
そう考えて、休日になると積極的に子供を外へ連れ出すパパは多いことと思います。
パパが子供と出かけてくれると、子供はパパとたっぷり遊べるし、ママは久しぶりにリフレッシュしたり、たまった家事を片付けたりでき、家族にとってはいいことづくめように思えますよね。
しかし、そんなパパの気遣いも、実家が絡んでくると台なしになってしまうことがあります。
今回は、そうして夫婦関係にわだかまりができてしまった、ある事例をご紹介しましょう。
毎週のように子供と義実家へ泊まりに行くパパ
Aさんは、会社員のパパと2歳の息子と暮らしている専業主婦。
息子は可愛いものの、まだまだ手のかかる時期。家事と育児に負われる毎日で、クタクタです。
Aさんのパパは、そんなAさんの様子を見て、週末ごとに車で30分ほどのところにある自分の実家に、子供を連れて遊びに行くようになりました。
最初のうちは、1人になれる週末が嬉しかったAさんですが、次第にその気持ちには陰りが出てきます。
毎週土曜日、パパは子供と義実家へ泊まりに行ってしまうため、家族3人で過ごす時間はほとんどなくなりました。Aさんにとっての週末は、1人で寂しく過ごす時間となってしまったのです。
休日のちょっとしたお出かけや買い物、外食も、家族3人でそろってすることができません。
- 「毎週泊まりに行くのはお義母さんにも悪いから、たまには家族で過ごそうよ」
- 「1人にしてくれるのはありがたいけど、毎週でなくても大丈夫」
- 「せめて日帰りにして、土日のどちらかは家族の時間にしよう」
Aさんがそう言っても、パパは頑として譲らず、子供と2人で義実家へ行きます。
パパに、家族で過ごしたいこと、自分のために子供を連れ出してくれるのは嬉しいけれど、毎週末1人になるのは寂しいことを伝えても、全く取り合ってくれなかったそうです。
パパが義実家へ行きたがる本当の理由
ある時、Aさんは姑に電話をして、週末ごとにお世話になっているお礼を伝えました。
すると、姑の口から意外な言葉を聞くこととなりました。
「あの子、子供の世話は私に押し付けて、自分はゴロゴロしてばっかりなのよ。やっぱり私がいないとダメなのね!」
結局、パパが子供を連れて義実家へ行っていたのは、母親に子供の面倒を見させて、自分が楽をするためだったのです。
- 自宅にいれば、疲れたママはイライラしていて寛げないし、自分も家事や育児を手伝うハメになってしまう。
- 俺だって仕事で疲れているのに、休日に家のことをするなんてまっぴらだ。
- だったら、実家へ行って母親に面倒をみてもらおう!
- 親は孫に会えれば嬉しいはずだし、自分は家事をすることなく堂々とゴロゴロできるし、その間にママは一人で過ごせるし、一石二鳥どころか一石三鳥じゃないか!
さも、イクメンのように振る舞って毎週末子供を連れ出していたパパは、本当は自分が楽をしたかっただけ。だから、私が寂しいと言っても、家族で過ごしたいと言っても、頑なに拒否して実家へ行ったんだ……
そう悟ったAさんは、ひどくガッカリし、パパや子供と離れて過ごしていた日々の寂しさが一気に増し、夫に対する愛情も冷めてしまったと言います。
実家に依存してばかりいると夫婦関係は崩れていく
こうしたケースは、子供を連れて実家に入り浸り、パートナーをないがしろにする「実家依存症」のママのパターンと似ているかもしれません。
- 「1人になりたいって言ったのはママの方だろう!」
- 「実家で面倒見てもらって、何が悪いんだ?」
と、男性は思うでしょうか?
確かに、1人の時間、自分だけで自由に使える時間を作ってくれるパパの気遣いはとても嬉しいのですが、それも数時間程度であればの話。パパと子供だけが毎週毎週義実家へ泊まりに行ってしまったら、家族で過ごす時間が全く取れないママが、疎外感や寂しさを感じてしまうのは当然です。
しかも、肝心のパパは子供の面倒を姑に押し付けて、家事も育児もせずに実家でゴロゴロしているとくれば、寂しさと同時に腹立たしさも覚えるでしょう。
このような実家依存は、家族関係や夫婦関係のバランスを崩す原因となります。
家族のコミュニケーションが十分に取れないため、家庭として上手く自立できずに機能しなくなってしまうことが考えられるほか、姑が過干渉タイプの場合には、「夫の実家+夫・子供」vs「ママ」という対立が生まれやすくなり、最悪の場合、離婚に至ってしまうこともあるのです。
休日のたびに子連れで実家へ帰っているという男性は、一度、ママときちんと話し合い、ママの気持ちを確認する必要がありそうです。ママも一人になれる、孫の顔を見せて親孝行できる、と考えて喜んでいるのは、自分だけかもしれません。
ママに一人の時間を作ってあげたいのであれば、実家に頼らず、パパが1人で子供の面倒を見られるように努力することが大切です。
実家依存パパになって家族関係を崩壊させることのないよう、家族で過ごす時間の大切さや、自分の育児への関わり方を見直してみてはいかがでしょうか。