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生活リズムを整えてストレスを減らすために。150以上の超具体的な赤ちゃんの寝かしつけのコツ。

ありがとうごめんね…優しさいっぱいの夫とベビーに守られながらの断乳

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ママが赤ちゃんにおっぱいを飲ませている姿。ごくありふれた情景ですが、実はママも赤ちゃんも一番幸せを感じる、そんなひと時なのではないでしょうか?

でも、そんな幸せな時間にもいつか終わりがやって来るのです。

今回は、家庭の事情でどうしても断乳せざるをえなかった、そんな私の断乳体験談をご紹介したいと思います。

断乳なんて考えもしなかった…

一人目を流産で失くし、その1年後にようやく授かった我が子。妊娠中にも、「前みたいに突然お腹からいなくなっちゃったらどうしようっ?!」と、常に気を遣って生活していました。

そんな母親の心配とは裏腹に、全くの健康体で生まれてきてくれた息子ですが、亡くなった子の分までいっぱい愛情を注いであげよう、と心に固く決意したのを今でも覚えています。そういった背景のある私ですから、断乳なんてこれぽっちも考えたことがありませんでした。

なぜなら、他の赤ちゃん同様おっぱいが大好きだった息子には、「もういいよ。」と言うまでおっぱいをあげるつもりでいたからです。

ところが、息子が自分から離れて行くまでおっぱいをあげよう、そう思っていたのに、突如断乳しなければならない事態が起こってしまいました。

まだまだ断乳したくない!母親の葛藤

おっぱいをあげられる幸せは、母親しか感じられないものでしょう。そんな幸せをいつまでも感じていたいと思っていましたが、仕事に復帰するために断乳をすることになったのです。

「そろそろ国に帰りたい。」と主人が言い出したのが、事のはじまりでした。

異国の地で懸命に働いてくれている彼には、いつも感謝していました。流産で落ち込んでいた私を励ますために、右も左も分からない日本という異国の地で仕事をすることに決めた彼。

もちろん、いつかは再び彼の国で暮らすことを計画していました。でも、こんなに早く計画をすすめなきゃいけないなんて…。

正直、まだまだ断乳なんてしたくない、自分たちの都合で断乳するなんて親のエゴなんじゃないの?!と葛藤しました。

自分の気持ちを正直に主人に伝えてもみました。しかし、彼の答えは「可愛がるのと子供の言いなりになるのとは訳が違うよ。自分たちにしっかりした土台がないと、将来子供が可愛そうだよ。」

正論過ぎて、ぐうの音も出ませんでした。息子ももう1歳3ヶ月。これからもっと将来の息子のことや文化の違う国で頑張ってくれている主人のことを思うと、断乳したくないのは自分の我がままなのかな、と思うようになりました。

とうとう断乳を決意!

息子が幼稚園に入園する年齢になる前に日本から引越しすること、それが私たち夫婦の目標になりました。

学齢期前に引越したかったのは、言語の問題で息子が苦労しないため。そのためには、主人だけでなく私も働く必要があります。引越しと引越し後の計画のためにも、日本にいる間に出来るだけ貯金をしなければなりません。

そうして、「将来の息子のためだ!」と思うことによって、やっと断乳する決意がつきました。

断乳するぞ!と決意してからは、毎日「もうすぐママはお仕事にいくの。パパとあなたとママで新しい場所で頑張るためだから、ママを助けてね。」と語りかけながら授乳しました。

断乳準備ってどうするの?

それまで断乳するつもりが全くなかったので、断乳の仕方さえ全く知らなかった私。経験者のママ友にお話を聞いてみたり、ネットで情報を集めたり、どうすれば赤ちゃんにあまりストレスを掛けずに断乳することができるのか、必死になって調べました。

それでも、やっぱり不安はつき纏うもの。息子は1歳も過ぎていたので、普通にご飯も食べていましたが、それでも眠りにつく時にはいつもおっぱいをくわえながら眠っていました。

「断乳したら、眠ってくれないんじゃないかな?」

先輩ママの話では、断乳を行った時には胸が張り裂けそうになるほど赤ちゃんがおっぱいを求めて泣くから覚悟したほうがいいよ、と聞かされていました。

赤ちゃんも大変だけど、ママ側もグッと耐えなきゃいけない。

とにかく、ママの絶対に断乳するぞ!という固い決意が、断乳を成功させるためには必要なようです。可愛そうだからと、中途半端におっぱいをあげたりあげなかったりの状態が、実は一番赤ちゃんにストレスを与えてしまう、ということを理解することができました。

やっと気持ちの整理ができたら断乳作戦開始!

自分たち親の都合で断乳させざるを得ない、そんな罪悪感もまだ完全には消えてはいませんでしたが、これは息子の自立への一歩だ、家族の将来のためには必要なことなんだ、と自分に言い聞かせてようやく気持ちの整理がつきました。

まずは、息子がベストな体調の時期を断乳決行の日に選びました。しばらく風邪も引いておらず食欲もあって、ずっと機嫌のいい日が続いているなら断乳開始です。

断乳決行の4日前から少しづつ息子のおっぱいへの接触を減らしていきました。その時はまだ夜の寝かしつけはおっぱいを飲みながらの添い寝が基本だったので、日中の授乳の回数を減らしました。

思った通りおっぱいを欲しがってぐずりましたが、他の食べ物を与えたりおもちゃで気を引いたりして、なんとか日中の授乳はあっさりと諦めてくれるようになりました。

秋の時期の断乳でしたが、おっぱいの回数を減らした分、水分補給には十分気をつけてあげるようにしました。

また、息子は外で遊ぶのが大好きなので、いつもより思いっきりアクティブに外で遊ぶようにもしました。これでだいぶ「おっぱいが欲しい!」という息子の気が紛れたのではないでしょうか?

それでもやっぱり夜にはおっぱいを欲しがります。完全に断乳する前の日の夜は、とうとうこれが最後の授乳になるのか、と切ない気持ちでいっぱいになって、おっぱいを飲みながら眠る息子をギュっと抱きしめて眠りました。

主人の思いがけない断乳計画

息子の面倒をよく見てくれる主人でしたが、夜の寝かしつけ係はおっぱいという強力な武器を備えている私専門の仕事でした。と言っても、それまでほとんど夜泣きらしいものをしたことがなかった息子でしたから、寝かしつけ係と言ってもそれほど大変な仕事ではありません。

ですが、断乳するともうおっぱい寝かしつけ作戦は使えなくなってしまいます。しかし、完全に断乳をすることにしたその夜、主人は仕事から帰ってくるなり、ご飯も早々にベッドに入ってしまいました。

「仕事で疲れたのかな?それにしても、今日は断乳する夜なんだから、もうちょっと協力的でもいいんじゃない?」

とその時は思ったものです。日中の授乳がほぼ無くなっていたので、その時の私のおっぱいはもうガチガチ状態でした。自分で絞ったりもしましたが、やっぱりそれでも痛くて痛くて。それが不機嫌の元になっていたのかも知れません。

家事も終わって、そろそろ息子を寝かしつけなくてはいけない時間になりました。すると、それまで眠っていたはずの主人がむっくり起きあがり、

「今晩は僕が寝かしつけるから。あなたは隣の部屋で寝たほうがいい。」と言ってくれたのです。

そんな断乳作戦を主人が計画していたとは知らなかったので、これにはびっくり。それでも、なるべく私が辛い思いをしないように考えてくれた主人に感謝して、その夜は隣の部屋で一人で眠ることにしました。

聞こえてくる泣き声に胸が痛い!

一人で眠るなんて凄く久しぶりのことだったし、息子と主人のことが心配でなかなかその夜は眠ることが出来ませんでした。

隣の部屋からは、いつもの就寝時間をとっくに過ぎているのに、まだ息子と主人の遊ぶ声が聞こえてきます。どうやら疲れ果てるまで遊んで眠らせる作戦の様ですが、その合間にも息子の「ママ?ママ?」と私を探す声が聞こえてきてきます。

車のオモチャでひとしきり遊び終えた後、息子のお気に入りの絵本も読み終わって、そろそろ眠らせようとしている様ですが、どうにも上手く行かない様子。とうとう眠さとおっぱい恋しさに、息子がワッと泣き出してしまいました。たぶんそれまで一生懸命に我慢していたんだと思います。

一気に感情の堰が切れたかの様に泣き出した息子の悲しそうな泣き声と、それをあやす主人の困った声を聞いて、胸がギューッと押し潰されそうな気持ちになりました。

「こんなに皆悲しい思いをしてまで断乳しなきゃいけないのかな?」

と、涙がぽろぽろ零れたのを覚えています。

泣きじゃくる息子を抱えてウロウロする主人の様子が、隣の部屋にいてもよく分かりました。いっそのこと私もサポートしたい!と思い、何度か起き上がって隣の部屋の様子をそっと見に行きましたが、その度に無言で追い返される始末。

その時には、私が今ここで出て行ったら、これまでの努力が全て水の泡になってしまう。そう思うことによって、どうにか息子のところに行ってあげたいという気持ちを押さえつけました。

断乳する時の胸の痛み

息子の泣きじゃくる声が聞こえてくると、自然とおっぱいが張って痛くて堪らなくなります。しかも、以前は夜の授乳でおっぱいがシワシワになるまで飲んでくれていたのに、断乳でそれもままならない状態。

お乳がどんどん漏れてくるので胸にタオルを巻いていましたが、ベトベトして気持ち悪いし、痛みはどんどん酷くなるし、最悪の気分です。

そうこうしている内に、やっと息子が泣き疲れて眠りに落ちました。そっと寝室に戻ると、二人ともすでに眠っています。

二人に「ありがとう、ゴメンね。」と言ってから、その夜はやはり念のために隣の部屋で一人で眠ることにしました。

翌朝、一人で頑張ってくれた主人を見送った後は、ひたすらおっぱいの痛みとの闘いでした。何と言うか、おっぱいが四角いミサイルの様な、とても攻撃的な形になってしまったのです。

下手に絞るともっとおっぱいが出てもっと痛くなる、そう自分に言い聞かせてひたすら耐えるのみ。途中保冷材でおっぱいを冷やしたりしてみましたが、なかなか痛みは引きません。

断乳翌日の息子の様子は?

断乳後の息子の様子は、意外にもあっさりとしたものでした。

翌朝起きてきて、おっぱいが欲しいとお願いされるかな?と覚悟していたのですが、おっぱいを触った時に「ダメだよ。」と言うと、すぐにオモチャで遊び出したのです。

これには拍子抜けしてしまいました。もっとぎゃんぎゃん泣かれて手が付けられないほど大変になるんじゃないか、と思っていたからです。

普段からそれほどやんちゃなタイプではない息子でしたが、ここまで聞き分けが良いとは正直思いも寄りませんでした。

いつも通りに遊び始める息子でしたが、心なしか元気がない気がしました。恐らく昨晩の寝不足とママがいないストレスで、ちょっと消耗しちゃったんだと思います。

なんだか可愛そうになり、「本当にゴメンね。」と涙しながら何度も抱きしめてあげました。おっぱいはもうあげられないけど、愛情はいつまでも変わらないことを息子に理解して欲しかったのです。

断乳を終えて

断乳をしたくて断乳した訳ではない私と息子でしたが、今振り返ってみるとあの時に断乳をして本当に良かったと思います。

断乳って大変だよ~、と先輩ママからさんざん話を聞いていたので、それなりに覚悟はしていたつもりでした。もちろん我が家の場合は主人が協力的だったので、私自身が夜泣きをする息子の面倒を見て、連日寝不足を経験するということはありませんでした。

そのため、体力的にはすごく楽をさせてもらえたと思います。おっぱいもあれだけガチガチだったのが、数日耐え抜いただけでショボンとなってしまいました。乳腺炎にならない様にだけ気をつけ、痛みが引いてきたときに母乳を搾り切ることを忘れないようにしました。

断乳する時、一番辛かったことは?

そんな断乳体験をした私でしたが、一番辛かったのが息子に対する「罪悪感」をなかなか拭い切れなかったことです。思いっきり心ゆくまでおっぱいを飲んで、すくすく育って欲しいと願っていたのに、それをさせてあげられない罪悪感。

もしかして、自分は悪い母親なんじゃないかな?とまで悩むほどでした。ですが、断乳後の息子の様子をみて、そんな風に思うのは大きな間違いだったことが良く分かったのです。

1歳3ヶ月でまだ言葉らしい言葉も出ない息子でしたが、赤ちゃんって親の気持ちを敏感に感じ取る能力が備わっているのでしょうか?

私の申し訳ないという気持ちを理解してくれている様な、そんな気がしてしょうがありませんでした。だから、断乳もあっさり行うことが出来たのではないか、と思うのです。

結果として断乳後には、それまでよりご飯もいっぱい食べてくれるようになり、夜もおっぱいを触りながらですが、それまでよりもぐっすり眠ってくれるようになりました。

今思えば、あれだけ断乳前に悩んだ自分はなんだったのだろう、と思ってしまいますが、育児においては、過ぎてしまえばどんなことでもいい思い出になるんですよね。

親である自分たちの都合で断乳しなければいけないお母さんたち、きっとそれぞれに葛藤があると思います。でも大丈夫。断乳した後は、もっともっと今まで以上に我が子に愛情を注いであげればいいんです。赤ちゃんだって、きっとお母さんの気持ちを理解してくれるはずですよ!

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