私達夫婦は結婚してすぐに長男を授かり出産、その1年2ヶ月後には年子で次男を授かりました。
長男は産まれた時から哺乳力が弱く、私の母乳の出も悪かったことからずっとミルク育児。
まだ若かった当時の私は、赤ちゃんは母乳を飲むものだという思いが強く、周りからの「母乳は?」「母乳の方が楽よ」という言葉に何度も泣きそうになった事もありました。
私だって、母乳が出るなら…長男が上手に吸ってくれるなら母乳で育てたいのに…
そんな気持ちを引きずっていた事もあり、次男が出産後にすぐ母乳をゴクゴクと飲んでくれたことが嬉しくてたまりませんでした。
2人とも冬生まれなので、長男の時は夜中にミルクを作るために寒いキッチンに行くのが苦痛で苦痛で…
でも、母乳の次男は添い乳していれば良かったので、「なんて楽なんだろう」と楽観的に考えていたんです。
この時の私は、完全に母乳育児をなめきっていました。
いつまでも続く頻回授乳
生後すぐから5ヶ月くらいまでは、夜中に何度次男が起きようが「母乳だからすぐにお腹がすくんだろうな」と思っていました。
でも、6ヶ月…9ヶ月と月齢が上がり、離乳食を初めても一向に夜中の頻回授乳は変わらず。
昼間はお茶やお菓子のおかげでおっぱいの事は忘れていたようで、意外と簡単に昼間の断乳は出来たんです。
なのに、夜になると急に思い出したかのように母乳をせがむ次男。
それでも、まだ1歳前だしこんなものなのかな?と自分に言い聞かせていました。
でも、次男が1歳を過ぎても夜中の頻回授乳は終わりませんでした。
しかもこの時期には歯も大分生え揃っており、噛みつかれて流血することもしばしば…それでも、加えてさえくれれば眠ってくれるので、馬油を乳首に塗って痛みを堪えていました。
こういう乳首トラブルで断乳を考える人も多いという事は病院等でも耳にしていましたが、まだこの段階では断乳のだの字も頭になかったんです。
家族みんなのストレスに
次男は卒乳することなく1歳になり、泣き声が大きくなった事で長男までもその声にびっくりして起きてしまうようになってしまいました。
元々、赤ちゃん返りもあった長男。まだまだ2歳2ヶ月の甘えたい盛りだったのに、弟が出来たことによって沢山我慢をさせてしまっていた事は分かっていました。
それが爆発したかのように、夜中に何度も何度も叫ぶように泣き出すんです。もちろん次男の夜泣きと頻回授乳も健在。
時には交代で、時には同時に夜中に泣き出す子供たちに、旦那のイライラはピークに。
「うるさいぞ!」
と怒鳴られた事もあり、
「何もしないくせに…長男なり次男なり、少しはあやす素振りを見せてから言ってよ!」
と何度も思いました。でも、言えなかったんです。私は専業主婦だし、旦那は外で働いているだから…とずっと胸に溜め込んでいました。
でも、このままでは皆が皆おかしくなってしまう。そう思って次男の断乳を決意しました。この時、長男2歳4ヶ月、次男1歳2ヶ月でした。
初めての断乳
断乳しようと思ったのは、
- 断乳することによって夜ぐっすり眠るようになる
- 離乳食の食べが良くなる
という事を先輩ママさんから聞いたからです。
実際、次男は離乳食の食べも悪く、少し細身であることも心配していました。なのでこの事を旦那にも説明し、少しの間は夜もっと泣かせる事になるかもしれないけど協力して欲しいとお願いしました。
これに旦那も快諾。
夜中のに次男が泣いたら私が抱っこをし、外をフラフラ散歩したり車でドライブしたりと試行錯誤。その間、夜泣きの酷い長男の相手は旦那がしてくれていました。
1週間もすれば断乳出来るのではないか?と期待していた私ですが、1週間…2週間経てども次男は全く寝てくれず、長男の夜泣きも収まるところを知らず。
私はほぼ眠れない毎日を過ごし、旦那も長男の夜泣きで疲れが取れない毎日。そしてついに、私がストレス性胃腸炎、更には腎盂炎になってしまいました。
自分の限界と子供たちの心
「少しの間、実家に帰らせて欲しい…」
今まで育児をしてきた中で実家に帰りたいなんて言った事もなかった私ですが、本当に心身ともに疲れがピークだったんです。これには旦那も二つ返事で了承してくれ、その翌日に子供たちを連れて実家に帰りました。
実家に帰ってからは、まず私の体調を戻す事に専念するようにと、私の祖母が子供たちの相手をしてくれました。
そして私の体調が良くなった時、長男は2歳5ヶ月、次男は1歳3ヶ月。次男の断乳が最終目的でしたが、まずは長男の夜泣きをなんとかしなくてはということで、とにかく長男との時間を作るようにしました。
この期間もずっと次男は夜中に頻回授乳をしていましたが、実家の手伝いもあったおかげで自宅にいた時よりも体は楽でした。
そして長男がグッスリ眠ってくれるようになったのが1ヶ月後の事。ここで漸く次男の断乳に踏み切りました。
2回目の断乳決行
前の失敗を元に、とにかく昼間に沢山遊ばせて疲れさせる事。離乳食を時間がかかっても根気よく食べさせる事に気を付け、断乳初日の夜を迎えました。
泣くことを想定して長男は違う部屋で寝てもらい、私は次男と別室へ。
やはり、おっぱいを探して泣き出しましたが、とにかく抱っこでユラユラ。
どれだけ泣いても、立ち上がった状態で抱っこをし続けました。初日は、ほとんど立って抱っこをしたまま朝を迎えました。
やはり、寝不足のせいか翌日の昼寝は長め。
そして2日目の夜もひたすら抱っこでユラユラしました。眠ったなと思って布団に置こうとするとすぐに泣き出してしまうので、この日は眠ったなと思ったら座って抱っこしたまま私もウトウト。結局この日も朝まで何度も泣き叫びました。
それが後2日ほど続いた時、おっぱいが欲しくて泣き叫んでいる次男を見て「これは私のエゴなんじゃないか?」と思ったんです。
- 今はもっと月齢が上がった子でも母乳を飲んでいる子はいる。
- おっぱいで安心して眠っていたのに、急に取り上げるなんて私は母親失格なんじゃないか?
- もう断乳なんてやめて、自然と卒乳するのを待とうか…
そんな事を思いながら、その日も抱っこをしたまま朝まで過ごしました。
母親の言葉から新たな気持ちで…
連日の寝不足で私はフラフラ。顔色も悪く、夜中にグルグルといろんな事を考えていたせいか相当落ち込んで見えたようで、普段は全く育児に口出ししない母が私に言いました。
夜中におっぱいが飲めないより、イライラしてるママを見る方が長男も次男も嫌だと思うよ。だから今はどれだけ泣かれても堪えて堪えて乗り切ろう。
私は母乳は出ないけど、代わりに抱っこは出来る。どうしても辛いときは私を起こして抱っこ代わってって言いなさい。
あなたの取り柄はとにかく元気で明るい事なんだから!今だけもうちょっと頑張って、また明るいママに戻らなきゃね」
本当に、この言葉の通りでした。
夜中の頻回授乳での寝不足、次男の泣き叫ぶ声、辛いのは眠れない次男だと分かっていても、イライラしていたんです。
- なんで寝てくれないの!
- なんでそんなに泣くの!?
なんで、なんで…ってずっとイライラしていました。
きっと、このイライラが伝わって長男も情緒不安定に、そして次男も余計に寝なかったんだと母の言葉で実感したんです。
親の都合で断乳するのはエゴだと思っていたけど、イライラしてるママなんて誰だって嫌だよね…もう一度、バカみたいに明るいママに戻るから待っててね。
そんな思いを胸に、その日の夜も断乳を続けました。
ついに断乳成功!
母といろいろ話してスッキリしたおかげか、もしかして抱っこじゃないのかも?という事にも気付きました。なので、この日は泣いても抱っこをせず、ひたすら次男の背中をさすりました。
私の胸の辺りに頭を乗せて泣き叫ぶ次男の背中を、「大丈夫、大丈夫だよ」と心で念じながら撫でていると、不思議と次男が眠りについたんです!
目から鱗の出来事でした。そしてその日、初めて3時間続けて寝てくれたんです。
3時間なんて、1歳4ヶ月にもなれば当たり前でしょ?と思われるかもしれませんが、それまでの次男は1時間おきに起きていたので、私にとってはかなりの進歩でした。
翌日、翌々日もひたすら服の中に手を入れて背中をさすってあげると、次男は安心したように泣くのをやめて眠ってくれました。背中をさすられる事が、次男にとって安心出来る方法だったんです。
この時、私に足りなかったのは心の余裕だったんだと改めて思わされました。
結局、完全に朝まで眠ってくれるようになったのは次男が1歳5ヶ月に入った頃でした。
自宅に帰るとまた振り出しに戻るかも?という不安はありましたが、そんな心配をよそに次男は朝までぐっすり。更に、離乳食もびっくりするくらい食べるようになったんです!
これから断乳するママさんへ
断乳をする理由は人それぞれだと思います。どうしても周りからは、
- 「この月齢で断乳なんて可哀想」
- 「3歳まで母乳吸わせるといいのよ」
なんて無責任な言葉が聞こえてくることもあります。
私のように、断乳は母親のエゴ。と思って自分を責めているママさんもいることでしょう。
でも、エゴなんかではないんです。断乳することで、私のようにプラスになることも沢山あります。
断乳中、頻回授乳よりももっと眠れなくなる事もあるし、泣き声を聞くのが辛くなる事もあるでしょう。
でも、やると決めたら最後までやり通す。途中で何度も母乳をあげて…やっぱりやめて…と繰り返す方がよっぽど子供は困惑するんだと私は実感しました。
先が見えない…断乳出来る日なんてくるのか?と思った私でも、少々時間はかかりましたが断乳出来ました。
今断乳に踏み切ろうと思っているママさん、ちゃんと断乳出来る日は来ます。
普通は○日で断乳出来る…なんていう言葉には惑わされず、自分と子供のペースで頑張っていきましょう。
必ず親子でグッスリ眠れる日が来ますよ。