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産まれてから4歳までまともに喋らなかった息子をもつお母さんのお話

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病院で検査をしても異常は見つからない。日頃の行動を見てもおかしなところはない。それでもなぜか喋らない。

ちょっと不思議な感じのする体験談です。子供が喋らなかった理由は何だったのでしょうか?今は普通にしゃべっているそうです。

世の中にはこんな子もいるんだねぇ。といったお話です。

全くしゃべらなかった息子の話

我が家の息子の話。現在は小学校2年生、少々おっとりだけど「やさしい」という特別スタンド能力を持ち、好奇心旺盛の普通のおバカな小学生男子~。

この子は赤子の時から非常によく笑う子で、ちょっとあやすとそりゃまーケタケタとよく笑う子。あまりによく笑い、愛想も良いので本気で「ひょっとして神様が遣わせた天使なんじゃないか。」と夫婦でいぶかしむほどの親バカぶり。

さて、時は流れ、そろそろ1歳半になろうかという頃、ふとあることに気付いたのです。この頃ならいくらなんでも普通は「ンマ~」とか「マンマ~」とかそれらしいことをいう年齢だと記憶していたのですが、飯を見ようが母を見ようがそれらしい言語が一向に出てこないのです。一応上にも子供がいるので、さすがにこの頃は少しは何か言うものだとわかっていましたが、反面、子育てへの余裕及び適当さで「のんびり屋タイプなのかな。」と少々呑気に構えてもいました。親バカも過ぎればただのバカという見本です。

しかし、いくら呑気モノの私でも、検診で引っかかり、何やかやとテストのようなものを受け、病院の検査まで勧められると少々心配になってきました。ただ、親の勘?というものか、目を合わせて笑う様子、私が「痛い!」というと近寄ってなでてくれたりする様子、何か上手にできたときに家族を振り返り得意気にする様子などを目にしていたので、コミュニケーション能力についてはあまり疑っていなかったんです。ただ心配したのは声帯の異常や、舌の形成異状によるしゃべりにくさがあるのでは?ということ。

何度検査を繰り返しても…

2歳になり、舌にも声帯にも異状ナシと判明。ただただ「しゃべらない」だけという結論が。これに納得できる親がいるだろうか?と思うものの、異常は見つからないのだから仕方がない、どうやら息子はしゃべる気が全くないらしいのです。

ちなみにいくら呑気な私でも、このような日々にただ手をこまねいていたわけではなく、同居の義母と大バトルの末一日中TVをつけっぱなしにするのを控えてもらったり、毎晩繰り返し絵本の読み聞かせもしました。息子に話しかけるときにはゆっくりと目を見て話すように心がけ、仕事も一切せず息子に寄り添ったのです。息子はこちらの指示は完全に理解していたし、絵本の同じところを繰り返し読みたがるというような、幼児にありがちな特長もあり、楽しいときには声を出してよく笑ったもんです。おかしなところは何もなかったんです。ただ、しゃべらない以外は。

おむつも1歳半ですでに取れ、夜中でさえもトイレに行きたくなれば起きてトイレに行くような幼児で、おねしょについてもスイカを食べ過ぎて寝た晩に一度したっきり。好き嫌いもほとんどなく、泣く時やぐずるときは大抵腹が減っているというわかりやすい子供。よく笑いよく動きよく食べる、本当になんら変わったところのない幼児でした。ただ、しゃべらない以外は!

検査においても声は出せるのです。色も数字もわかる、ひらがなも読めるのです。(指差しで教えてくれます。)親バカ目線ですが、かしこい子ではありました。ただ…、たくさんの色を見せて「青色はどれかな?」というと青を指差し、青色を見せて「これは何色?」というとだんまり。そしてお医者さんが「声に出して真似をして言ってみてね。」と言ってから「青」というと、ささやき声のような、つまり裏声のような声で「あ…、ほ…(お、と言っているが裏声なので ほ に聞こえる)」と言う感じ。声に出して発音していても言葉になってはいない状態なのです。こんな状態がずっと続き進展もせず、私達夫婦は少々疲れていました。
そしてとうとうある日、息子は確信犯であると認定される事件が起きたのです!

とうとうしゃべった!

ある初夏の日。息子は8月生まれなのでもうすぐ三歳になるくらいでしょうか、義母が古くなった障子を張り替えるため障子紙を破こうとしたその瞬間、和室から「だ~~~~め~~~!」という大きな声が!!まさかと思って駆けつけると顔を真っ赤にして両手で口を押さえニヤニヤしている息子の姿が!

「わ~~!しゃべったよ!すごいね!母ちゃんもっと聞きたいな~!」と迫ったのですが(思えばこれも逆効果だったに違いなく。)それ以降、口を押さえたままだんまり。そう、奴はやっぱり「しゃべれるのに何らかの理由で意図的にしゃべらない」子供だったことが、これで確定。まさに確信犯だったのです!

それ以降、ふたたびだんまりの日々が始まりました。3歳の誕生日、ケーキにろうそく三本立て、「何歳になったのかな~?^^」と聞くもニヤリと笑って指を三本立てる息子。それを見て脱力する両親。あの日の「だ~~め~~~。」から全く一言も話しません。そのまま数ヶ月たち、とうとう幼稚園の入園を迎えてしまいました。

しっかり声を聞いたときにはもう、4歳でした。

一応園に対し、しゃべらないけれどコミュニケーションは取れるということを伝えてありましたが、やっぱり年少さんとなるといよいよ心配でした。そして、八月に4歳の誕生日を迎えた日、ケーキにろうそくを立て、「おめでとう!何歳になったのかな?」と聞きました。すると息子はニヤリと笑ったあと「4さ・い・に・なったよ!」と大きな声でひと言ずつしっかり区切るように、大きな声で言ってくれたのです!

このときにはさすがに私達夫婦も唖然としました。まるで自分の記念日までしゃべるのを取っておいたような口ぶりだったのです。何事もなかったようにケーキを食べる息子を見ながら「これはいままでおちょくられていたんじゃないだろうか…。」という思いがぬぐえずに、ただもう呆然とするしかありません。それからというもの、息子はおしゃべりではないにしろ、普通にしゃべるようになりました。変わったことと言えばボキャブラリーが非常に多かったことと、言うことにいつも筋が通っていたこと。訳のわからないことや、意味のわからないおしゃべりはあまりしなかったようにおもいます。

しゃべらないことで得たメリット?

息子のために、なるべくTVをつけっぱなしにしない環境にしたかった私が、義母と大バトルを繰り広げた話をしましたが、それで一つ良いおまけもついてきました。義母は「音が出てなきゃいいんでしょ!」と言い、解決策として字幕でTVを見るようになっていたのですが、(見ていないTVは消して欲しいと言っただけです念のため)息子にも自然と字幕でTVを見るクセがつき、しゃべりだしたときにはたくさんの漢字が読めていました。画面と字幕から判断したり、指差して読めない漢字を大人に読んでもらったりしていたせいだと思います。まあ、特にあんまり役にはたっていないですが、二年生の今、新聞くらいなら楽に読めます。(でも書けません。)

うまくいえませんが、言語や文章の組み立て方を自分の中で相当熟成したらしく、現在でも物事を考えてから話すようです。担任の先生にも「思考能力がずば抜けて高い」と言われています。人より三年近く温めた言語能力なのだからそれくらい発揮してもらわなきゃ困りますけどね(笑)。ただ考えている時間が長いので、質問してから一分後に答えが返ってくることもよくあります。これは小学生のお友達は待ってくれませんから、結果「無口な子」と思われています。

そして、息子はこんな言い方をします。「言葉が耳に入ってこないときがある。そんな時はいつも心が出かけていて、戻ったときには違う授業だったりするんだよ。そのかわり、椅子に座っていても色んなところに出かけていけるよ。」だから授業参観中でも心がお出掛け状態のことがしばしば。そんな時はどこか一点を見つめ、完全に異世界に行っちゃってます。45分間ずっとそんな調子のことも。ふと我に返り、教室の後ろにいる私に輝くような笑顔を向けます。(例え私が鬼の形相でも!)楽しい旅をしてきたのでしょうね~、ヤレヤレ。

そしていまさらながらに思い出したある事。
私自身、二歳前から保育園に通いましたが、4歳まで先生も友達も誰も私の声を聞いたことがない、しゃべらない子供だったのです。ただ、私の場合家では普通にしゃべっていましたから、今で言えば「場面緘黙」というものでしょうか。しゃべると自分の中身が出てしまうような、とろとろと中にあるものが流れていってしまうような怖さがあったのをうっすら覚えています。

赤ちゃんがしゃべらないということはには原因探りも必要ですが、ただしゃべらないだけの我が息子のような確信犯もいるんです。これはこれで面白い体験ではありましたけどね。

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