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「帝王切開だったの?楽な産み方を選んだのね」妻は泣きながら孤独な夜を過ごしていた

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妻が不妊治療の末、帝王切開で出産しました。その時の話です。

「痛くて痛くて、こんなに痛いのに赤ちゃんの顔が見れないなんて・・・。」

帝王切開した日の夜。病室のベッドに横たわったままの妻は、デジカメで撮影された我が子の写真を眺めては涙ぐんでいました。

泣くと傷口に響きます。だから泣くことすらできません。どんなに辛くても、情けなくても。

面会終了時間の20時がやって来ました。どんなに妻が寂しがっても、私は病院から出なければなりません。

  • 「もう帰るの?」
  • 「赤ちゃんに会いたいよう・・・。」

初めての入院で不安で一杯な妻の顔がいっそう曇ります。これから傷口と子宮収縮剤の痛み。そして寂しさを相手に孤独で眠れない夜を迎えなければならないのです。

ようやく妻が我が子にあえたのは出産4日目。

「痛い。痛い。でもあいたい。」

歯を食いしばっておなかの傷の痛みに耐えながら、壁の手すりを伝い、よろよろと新生児室の我が子に会いに行く姿は今でも忘れられません。

「帝王切開は楽」なんて大嘘です!

このサイトを訪れるパパの中には

  • 「帝王切開なんて楽でしょ」
  • 「麻酔してるから痛くないんでしょ」

などと、軽く考えている人もいるでしょう。

ハッキリ言います。帝王切開が楽なんて、大嘘ですよ!

私も、自分の妻が実際に帝王切開で出産するまで、陣痛を味わうことなく手術で赤ちゃんを産む帝王切開は、普通分娩よりも楽だと思っていました。また、予定帝王切開にすることで、医者に出産を管理されているという安心感もありました。

しかし、実際に帝王切開をした妻の様子をこの目で見て、自分が帝王切開を楽だと思っていたことを猛烈に反省しました。

帝王切開は、開腹手術。

お腹の表面を切るのではなく、子宮そのものを切って赤ちゃんを取り出します。男性には少々想像しにくいかもしれませんが、妻曰く「内蔵をひとつ持って行かれたような感じ」だったそうです。

赤ちゃんが無事に産まれても、手術直後であるため、じっくり抱っこしたり、カンガルーケアをしたりすることはできません。

産後は、傷の痛みはもちろん、子宮が収縮する痛みも強く、すぐには起き上がることもできない状態です。

食事だって、術後は重湯から。

普通分娩の人たちが、産後すぐにスタスタと歩いて新生児室へ行ったり、美味しそうな食事をしたりする横で、熱を出し、動くこともできずに痛みに耐えてベッドに横になっている妻を見ていると、胸が締め付けられる思いでした。

また、帝王切開では、術後の腹腔内の癒着や肺血栓塞栓症のリスクも高まります。

いくら予定帝王切開で陣痛がないとはいえ、お腹を切っていることに対して「楽」だなんて、ありえなかったのです。

産まれた後からどんどん増す激痛

普通分娩では、陣痛がだんだんと激しくなり、痛みに耐えて出産をすれば、あとは体も回復し、痛みは徐々に軽減していくものです。しかし、帝王切開での出産はその逆で、出産後から辛い痛みに襲われます。

  • 少し動くだけでも傷口は激痛。
  • 泣いたり、少し咳をしたりするだけでも、耐え難い痛みに襲われます。
  • 寝返りや、背中をかくことさえ自分ではできません。
  • また、術後は3日ほど熱が出て、食欲もなく、グッタリとしていました。

特に辛かったのは、いわゆる後陣痛という痛みだったようです。

帝王切開直後はさほどでもなかったようですが、時間が経つにしたがって、子宮が収縮する痛みが強く、激しくなっていったといいます。その痛みを妻は「傷口の上をロードローラが行ったり来たりしているような痛み」と例えていたため、私は背筋がゾッとする思いでした。

もちろん、後陣痛は普通分娩でも感じるものですが、帝王切開での出産は子宮を切っているため、痛みを強く感じやすいのだそうです。

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痛みで眠れず、我慢強いはずの妻が半泣きで痛みに耐えながらも、赤ちゃんに会いたい一心でヨロヨロと新生児室へ行く様子に、何もできない自分の無力さを感じました。

パパ、姑、ママ友……周囲の偏見にさらされて傷つくママ

お腹に傷を負い、激しい痛みに耐えている帝王切開のママたちの心を傷つけてしまうのが、周囲の人間の無理解による暴言です。

私の妻が出産した時、手術直後は個室で過ごし、後から4人部屋に移動したのですが、その時に一緒になった普通分娩のママの母親(お姑さんなのか、実母さんなのかはわかりませんが)から、

「あら、帝王切開だったの? 楽な産み方を選んだのね」

と言われたそうです。また、お見舞いに来た友人からは、

「やっぱり、陣痛を経験しないと出産とは言えないよね」

と。

産前まで帝王切開が楽だと思っていた私が言えることではないのかもしれませんが、これだけ痛みを耐え、苦しんでいる妻を目の当たりにしただけに、これを妻から聞いて怒りがフツフツと湧いてきました。

出産を差別した結果得られるもの

このような偏見は、帝王切開での出産が増えている現在でもなくなっていないようです。産後、姑から帝王切開であることを責められ、母親失格、女の恥だと言われたという話も聞きました。

帝王切開では赤ちゃんが産道を通らないため母性がわかない、また、赤ちゃんも我慢を知らない弱い子になるという迷信を信じている人もいます。

帝王切開では、ママも精神的に不安定になります。

予定していたものなら心の準備をしているかもしれませんが、それでも開腹手術に対する不安や恐怖は計り知れませんし、帝王切開での出産に対して、必要なことだったと頭では理解していても、

  • 「赤ちゃんに申し訳ない」
  • 「女性として情けない」
  • 「どうして普通に産めなかったのだろう」

と自分を責め、マイナスの感情を持ってしまうこともあります。

また、痛みが長引き、思うように動けないため、なかなか赤ちゃんに会えないことや、お世話ができないことで、これからの育児がきちんとできるか不安に感じていることも多いものです。

そうした感情が、産後のマタニティブルーによってさらに大きくなり、本格的な産後うつにつながってしまうことも考えられるのです。

不安定な心情のママに、周囲の無理解と偏見が追い打ちをかけているののは、見過ごせない事実です。

普通分娩のママが帝王切開を貶めたり、姑や実母が偏見に満ちた悪意を向けてきたり、ましてや、出産を経験できないパパが

「楽なんだろ?」

なんて帝王切開を軽視することで、どれだけ妻が傷つくか、考える必要があるでしょう。

出産はどんな形でも大変! 周囲と比較せずママの辛さを受け入れて

出産にはいろいろな形がありますが、そのどれもが、自分の命をかけて新しい命を生み出す、とても尊いものです。そして、いずれにせよ、痛みのない楽な出産などないのです。

どんな形であれ、出産は大変なもの。そこに優劣など存在しません。

パパは、周りと比較せず、ママの不安や痛み、苦しみをしっかり受け止めてあげる必要があります。パパ自身が帝王切開を否定したり、楽だと勘違いしていたりすると、出産時の妻の気持ちを無視して、後々に禍根を残すことにもなりかねません。

パパには、帝王切開で出産するママを一番近くで支える大切な役割があります。その最初のスタートは、産後のママに「頑張ったね」「お疲れさま」「ありがとう」と声をかけること。パパからのねぎらいの言葉で、ママも自分の出産を肯定的に捉えられるようになるでしょう。

ママの痛みをかわりに引き受けることはできませんが、その分、周囲の偏見や心ない暴言からママをしっかり守り、精神的なケアに力を入れることが必要です。

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