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離乳食を遅らせるとアレルギーもイヤイヤ期も解決?驚きの新常識

離乳食を遅らせるとアレルギーもイヤイヤ期も解決?驚きの新常識

育児については、色々な説や育児書があります。中には現在の考え方から大きく外れた内容のものもあります。

そんな中でも、いわゆる育児の常識を覆す育児法を耳にしましたので紹介します。これを実践すれば、イヤイヤ期が消えたり、子どもがアレルギーや病気、そして自閉症にならない! という育児法です。

イヤイヤ期や離乳食に悩むママには神の言葉と思えるかもしれませんね。

そんな凄い効果が謳われている育児法を紹介すると同時に、考えられるデメリットや信じるかどうかの基準について考えたいと思います。

医学博士 西原克成が提唱する「西原式育児法」

あなたは「西原式育児法」というものをご存じでしょうか? 医学博士で、歯科や口腔科の医師である西原克成氏が提唱している育児法です。

離乳食を遅らせる(2歳まで食べさせない)という情報から、ママが実践したい! と感じるケースがよくあるようです。

これを実践すると、子どもがアレルギーや病気、自閉症や発達障害にならないそうです。また、イヤイヤ期がなくなった、と言う人もいます。

その育児法は次のようなものです。

西原式育児法のポイント

西原式育児法は、離乳食を1歳半~2歳以降にスタートさせる以外にも色々なポイントがあります。

  • 口呼吸させるために、おしゃぶりを4~5歳まで使う
  • 正しい呼吸をさせるために上向きで寝かせる
  • 赤ちゃんの体温以上の物を飲ませて、温めて育てる
  • 離乳食は1歳半~2歳以降に白米を食べさせることからスタート(30回咀嚼させる)
  • よく噛んで食べさせる
  • 紙おむつやゴムを使った衣類禁止
  • 必ずハイハイさせてから歩かせる

これら7つがポイントで、これらを実践するとばい菌だらけの体にならず、貧血で倒れることもなく、アレルギーにもならないし、自閉症や発達障害にもならず、正しい骨格の子どもが育つとのこと。

また、西原氏の主張では

  • 「口呼吸する母親の体はばい菌だらけで、母乳もばい菌に冒されているから飲ませないように」
  • 「アイスやキムチを食べた後の母乳もばい菌に汚染されている」

そうなので、母親も呼吸法や食生活の管理を厳しくしないといけません。

更に、赤ちゃんの歯(乳歯)は母乳を飲むための歯であって乳首を噛むことはないそうで、噛まれるのは母親が悪いとのこと。

これらを「医学的知識を持つ医師の意見」として強く言われると、説得力を感じます。

参考サイト:http://nishihara-world.jp/2015wp/baby/01_ikuji/

西原式の実践を考えるポイント

ポイント7つを列挙しただけで、なかなかハードな育児法だなぁ、と感じると思います。まぁ、上向きで寝かせることはできそうですね。

全てを実践せずに「いいな」と感じたことだけを取り入れるのもありでしょう。ただ、次の点に注意して実践するようにしましょう。

一般からかけ離れた育児方法である

まず、この育児法は一般からかけ離れた育児法です。ママ友も、幼稚園や保育園も、保健師も、市役所も、医師も受け入れにくいと想像できます。

まず、赤ちゃんの体を温めることは悪くありませんが、「2歳半まで、体温を常に37.5℃以上に保って育てる」という方法を実践すると、予防接種ができません。2歳半まで予防接種無しで育てることになります。

おしゃぶりについても普通ではありえません。私は4カ所の保育園に娘達を預けた経験がありますが、残念ながら4~5歳でおしゃぶりを使っている子は見たことがありません。

少なくとも、転勤族で4つの自治体を赤ちゃん連れで点々とした私の周囲には、こうしたことを実践しているママは居なかったですし、今も居ません。

これらを実践すると孤立するおそれがあるので注意が必要ですね。

現代の医学・科学の先をいく考え方

西原式で重視されていることには、多くの現代医学や科学から一歩も二歩も先に進んだ考え方が含まれています。

  • 口呼吸することで母乳がばい菌に汚染される。
  • 5か月から離乳食を始めるとアレルギーになる。
  • おしゃぶりを使えば咀嚼力が付き、2歳から白米を30回噛んで食べられるようになる。
  • 紙おむつで締め付けるから自閉症になる

残念ながら、これらを小児科医に話して「そのとおり!」と頷いてもらえる可能性はかなり低いでしょう。

食育アドバイザー
また、食育実践アドバイザーという資格をもつ私からしても、おしゃぶりで咀嚼力が付くとは言えませんし、そもそも固形物を食べたことがない2歳児に白米を与えて30回噛め!と促すことは不可能です。

そして、自閉症や発達障害に対する見識も独特です。医師の中に「育て方が悪いから自閉症や発達障害になる」という考え方を持つ人がいること自体に驚きを隠せません。

こうした、現代の医学や科学とはズレた育児法である、という点も実践するかどうか考えるポイントです。

なお、育児法は時間の経過と共に変化します。これから30年先、50年先、今の育児法が覆され、西原式育児法が素晴らしいと絶賛されて広められるかもしれません。そういう可能性を考えると、今、西原式育児法を実践する人は先賢の目があると言えます。

万が一、なにかあっても助けを求める先がない

育児法は変化していきますし、西原式育児法を実践しても全く構いませんが、現時点では一般常識から離れた育児法なので助けを求めても理解してくれる人は少ないでしょう。

なにかあっても、この育児法を放棄するか、二者択一になります。

そもそも、実践する人が少ないので「こうすると、こうなった」という経験談が得にくい上、現代医学や科学の先を行く考え方の育児法なので医師や保健師達から批難されることが多くなります。

共感してもらえず、この育児法に沿って助けてくれる人は皆無と思って実践しなければなりません。

ただでさえ、孤独を感じたり孤立しがちな育児なのに、一般には受け入れられにくい方法で子育てするのは、相当な覚悟と強い心が必要になります。

幼稚園や保育園には預けられない可能性あり

西原式の育児を貫く場合、ほとんどの保育園は受け入れてくれません。少なくとも0~2歳で預けることは不可能です。

離乳食ダメ、紙おむつダメ、おしゃぶり必須、体温を常に高く保つ、予防接種無しでは預かってもらえる見込みは低いでしょう。ママは外で仕事をするのがかなり難しいと思います。

仕事を続けている私にとって、まず、この時点でアウトです。生活自体が成り立たなくなりますから、そんな育児方法は取り入れられません。

また、幼稚園を選択するママも注意が必要です。

幼稚園は幼稚園の方針に同意し、従える園児が通える教育機関です。一般的な考えと違う特異な子育てを実践し、予防接種を打っていなかったり、おしゃぶりを使い続けるといった子どもを受け入れてくれるか、よく情報収集しておくといいですね。

そして、幼稚園の入園は子どもだけでなく、親もチェックされています。どんな目で見られるのか。どういう判断をされる可能性があるか、しっかり考えた上で育児方法を考えていくといきましょう。

育て方云々よりも、社会性を考えたときにどんな影響があるのか、という点も西原式育児法を取り入れるかどうかのポイントです。

離乳食を遅らせるデメリット

そもそも離乳食は、母乳や粉ミルクしか受け付けない赤ちゃんが固形物から栄養分を吸収できるように少しずつ練習していくためのものです。

食育アドバイザー
赤ちゃんが2歳になりました! さぁ、練習なしでいきなり白米を食べましょう! 30回咀嚼させましょう! という方法の方が不可能だと食育実践アドバイザーの私は思います。

離乳食を遅らせることで起こりうるデメリットを考えてみましょう。

食べる練習時間が短くなってしまう

食べる、ということには「体の発達」「手や口の使い方」「心の発達」この3つが必要です。

胃腸の成長、乳歯が生えること、手掴みすること、スプーンやフォーク、箸の使い方、自力で食べる意欲、いろんな味を口にする経験、挨拶、食事マナー、人と一緒に食べる喜び。食事には実に沢山のスキルや経験が必要です。これらを赤ちゃんの成長に合わせて練習させ、少しずつステップアップしていく必要があります。

離乳食をいつからスタートさせようが、こうしたステップを省略していきなり上手に食べられるようにはなりません。


5カ月から離乳食をスタートさせ、少しずつ練習していくことと、2歳から離乳食をスタートさせるのでは、1年以上の練習時間の差があります。

そして2歳といえば、遊び食べが終わっている子もいます。子どもによっては1歳過ぎくらいから遊び食べをし始め、半年から一年くらいの経験を経て、遊び食べをしなくなっています。

脳や心の成長に不可欠な遊び食べの経験をさせず、練習時間を短くするという、1年以上の差を作ることはデメリットです。

2歳だって離乳食の手間は同じ

2歳まで離乳食を遅らせる理由に「赤ちゃんの胃腸が未熟」というのが挙げられています。

確かに赤ちゃんの胃腸は未熟で、消化・吸収機能はまだまだ弱いです。しかし、2歳になったからといって、直ぐになんでも消化・吸収できる胃腸になる訳ではありません。

そもそも、大人だって全身麻酔で手術をし、胃腸の機能を一時止めてしまったら、重湯からスタートです。少しずつ食べる食材を増やしていき、時間をかけて何でも食べられる胃腸に戻していきます。

2歳まで全く固形物を食べたことがない子どもの胃腸に、普通の食べ物を入れても強い負担を強いるだけです。

食育アドバイザー
結局は、5カ月から離乳食を進める時と同じように食材を選び、固さを調節し、自力で食べる意欲を引き出し、囓り取る練習や、ひと口に入れる量を自分で調節できるよう練習を重ねる必要があります。こうした作業は省けません。

2歳になったからアレルギーにならない理屈はない

多くのママ達が信じるきっかけになるのが、離乳食を遅らせればアレルギーにならない。病気にならない、という点です。これは私の経験からは信じられない情報です。

大体、離乳食でいきなりアレルギーになる可能性がある食材を与えたりしません。メインで与えるものはお粥であり、炭水化物で、糖質と繊維質です。これは母乳にもミルクにも入っています。

なぜ、母乳やミルクはよくて、離乳食はダメなんでしょう? 食材を選んで与えている離乳食がどうして悪いのか疑問です。

そもそも、アレルギーになる子は何歳でもなります。大人になってから症状が出るアレルギーもたくさんあります。

それに、アレルギーは食べ物だけが原因ではありません。もし、アレルギーだけを理由に2歳まで離乳食をスタートさせないのであれば、考えを改めることをお勧めします。

離乳食は食材を選び、赤ちゃんに合う・合わないを見ながら進めていきます。2歳まで遅らせたからといって、この食材選びの手間を省け、アレルギーにならない訳ではありません。注意してください。

魔の2歳児、イヤイヤ期に離乳食をスタートさせるのは嫌がらせ?

イヤイヤ期で悩むママは多いですよね。そんなイヤイヤ期まっただ中に、どうして離乳食をスタートさせるのでしょう?しかも「周囲の子ができるようになっていることを、今から教えていく」というストレスを抱えながらのスタートです。

おそらく、イヤイヤ期にスタートさせて上手くいくことなんて無いでしょう。

ただでさえ、拒否され、グッチャグチャにされる食事なのに、2歳になって胃腸が出来上がってきたから、といってスムーズに進む訳がないのです。

そもそも胃腸が完全に出来上がるのは8歳前後です。2歳なんて、まだまだ未熟な胃腸なのです。

あえてイヤイヤ期からスタートさせるというのは、ママ自身が自分でハードルを高くし、強いストレスを自分で作り出しているようなものです。

離乳食を遅らせてイヤイヤ期がなくなる訳ではない

離乳食を遅らせ、胃腸に負担をかけない育児を続けていたら、イヤイヤ期がなくなる! という意見もあります。これが本当だと、恐ろしいことです。

食育アドバイザー
イヤイヤ期というのは、脳の成長です。これまで親が言うことをそのまま100%受け入れていた赤ちゃんが、自分という存在に気付き、自分と母親は違う人間であって、自分にも自分の考えがある、と自覚する時期です。

自我が芽生えてくるすばらしい成長の時期ですが、脳の中の抑制機能は未熟です。このため、我慢や感情コントロールができず、イヤイヤととにかく親に反発ばかりする状況になってしまいます。

これが無くなるというのは、成長しないか、または異常な成長スピードか、どちらかです。

子どもが我慢できるようになるのは3~4歳くらいからですし、そもそも脳の抑制能力が完成するのは30歳前後と言われています。

イヤイヤ期が無いのは恐ろしいことではありませんか?

離乳食を遅らせるだけで、2歳でもう自分のことがコントロールでき、イヤイヤ言って親を困らせることがなく、なんでもパクパク食べるなんて、どんな脳なのでしょうか。成長はどうなっているのか? と不安になります。

イヤイヤ期はなくなるのではなく「親が対応しやすいイヤイヤ期があるだけ」です。西原式の育児を実践しているママにとって、偶々、子どものイヤイヤ期が対応しやすいタイプだったのではないか、と思います。

食育アドバイザー
私の長女は、とにかく行動して経験・体験する派でしたから、イヤイヤ期は本当に目が離せない親がヘトヘトになる子でした。

一方、次女は、コミュニケーション能力が高く、口が達者で性格も我は通そうとしますが穏やかな子だったので「話せばわかる(話の持って行きようで親がコントロールできる)」という子でした。

私にとって、次女のイヤイヤ期はとても簡単なイヤイヤ期でした。本当に笑って済ませられるイヤイヤ期でしたよ。

離乳食を遅らせただけで、脳の成長が急激に何年分も進んで2歳で我慢ができる子に育ち、イヤイヤ期がなくなるなんてことはありません。

離乳食を遅らせるかどうか、これは親の判断

離乳食を遅らせるのは自由です。結局は、自力で食事を摂ることができるようになるならOKです。就学前までに食べられるようになればOKというママもいるでしょうし、独り立ちするまでにできるようになればいい、というママもいるでしょう。

どんな育児法を実践するのか、それは親次第ですし自由です。育児法とは、ひとつの宗教のようなもので、何を信じ、何を生活に取り入れるのか。これは自由です。

食育アドバイザー
ただ、二人の子どもを育てている母親で食育実践アドバイザーの私からすると、西原式育児は現代社会を生きる上で、リスクが非常に高く、効果は薄いと思えます。

ポイントとしてあげられていること、ひとつひとつを冷静に考え、取り入れるべきかどうか、判断されるといいと思います。

もちろん「効果があった!」「素晴らしい育児法だ!」という方もネット上にいらっしゃるので、賛同される方は実践するといいでしょう。

でも、孤立することは確実ですし、自ら孤立を選ぶ必要があるのか、私は疑問です。

少なくとも、2歳から離乳食をスタートさせることが、子どもや親にとってメリットが大きいとも、医学的・科学的根拠があるとも言えません。アレルギーやイヤイヤ期を理由に西原式育児法を選ぶのはナンセンスだと私は考えます。

推奨される育児方法は時代の流れでどんどん変わっていきます。10年、20年、50年先に西原式育児法が一般的になっていく可能性もゼロではありません。

しかし、少なくとも今は常識外れと言われる育児方法です。あえてそうした育児法を選ぶ価値があるかどうか。十分考えた上で取り入れていってください。

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