離乳食の苦労の中でママの負担が大きくいのが遊び食べです。毎日、離乳食を作ってあげているのに、食べるどころかグチャグチャにして、顔も手も食器も床もベタベタにしてしまう!
こんなことを毎日3回、何ヶ月も続けられると心が折れますよね。そんな赤ちゃんの遊び食べが始まる時期とお勧めの対処法を紹介します。
遊び食べは赤ちゃんにとって欠かせない成長のプロセス
遊び食べというのは、赤ちゃんが離乳食を食べないでオモチャのように扱ってしまうことです。
- お皿に手を突っ込んで食べ物をグチャグチャ掴む
- 口に入れた食べ物をブーッ! と音を立てながらわざと吐き出す
- 皿や食べ物を床や壁に投げつける
- お茶やスープと離乳食を全部混ぜ合わせてベチャベチャにする
- お茶やスープを頭から被る
ただ、娘は常に大喜び! もう、楽しくてしょうがない! という表情でした。私はその笑顔に騙され続けて乗り切りました。
遊び食べは皆が通る道です。食べ物の感触や温度を確かめたり、物が床に落ちる現象を発見して嬉しくなったり、親の反応を楽しむなど、子供の興味の幅が広がっている証拠であり、心の成長に必要で、親など周囲の人達との関わりを楽しんでいる証拠でもあります。
「離乳食でやってくれなくてもいいじゃない!」と叫びたくなりますが、そこはグッと我慢! ある程度は寛容な心で受け入れ、自由にさせてあげましょう。
必ず遊び食べは終わります。絶対にやらなくなります。あくまで一時的なことで、後から思い返せば笑って話せる思い出になるはずです。
言い替えれば、今しか見せない行動なので、しっかり写真やビデオに撮って成長の証として記録しておくといいですよ。
わが家では、遊び食べの写真としてミートソース・スパゲティで酷い状況になっている写真があります。この写真を撮った時に流行っていたマンガは、巨人が人を襲って食べてしまう! というマンガ。アルバムの写真のコメント欄には、なかなかシュールな一言が残されています。
遊び食べが始まるのは生後9か月前後
遊び食べが始まるのは大体生後9か月頃です。ただ、あ~ん! と口を開けて食べ物をもらっていた赤ちゃんが、自分から食べ物に手を伸ばす時期です。
離乳食の固さはバナナくらい。歯ぐきでつぶして飲み込むことができるようになります。早い子供であれば軟飯を食べられるようになりますし、大きめのものを前歯で囓って一口分を自分で調節できるようになっていきます。
離乳食の回数も1日3回にしていく時期で、1日に必要なエネルギーや栄養を母乳やミルクから50%、離乳食から50%得るようになる時期です。
赤ちゃんが色々なことに興味を示し、活発に自分から関わっていく成長期といえますね。
遊び食べのピークは2歳くらい
遊び食べは離乳食が終わって幼児食になった後も続くケースが多くあります。生後9か月くらいから始まりますが、ピークは2歳前後です。
長い! と思うかも知れませんが、2歳前後でいわゆるイヤイヤ期に入ります。このイヤイヤ期が重なって遊び食べが酷くなるように感じられることがよくあります。
ただ3歳になる頃には必ず治まります。赤ちゃんだって同じことを繰り返せば飽きてきますし、興味も他のことに移っていきます。
いつの間にか遊び食べしなくなった、と感じるようになりますので、神経質にならないようにしてください。
対処法1:掃除しやすい環境を作ろう
まず、遊び食べは止められません。阻止することは諦めてください。掃除しやすい環境を作って、そこで食べさせるようにすると、後処理が簡単になります。
一番楽なのは新聞紙です。赤ちゃんが座る椅子の周囲に新聞紙を広げておき、離乳食を投げ落とされてもポイッと捨てられ、軽く拭き掃除すればOKという状態にするといいですよ。
新聞がないなら、簡単に拭き掃除できる場所で食べさせましょう。畳や絨毯など掃除し難い床の場合は、ツルツルした素材の広めのマットを敷くといいですよ。
クイックルワイパーなどでサッと拭いて掃除を済ませられるマットは離乳食が終わってからも大活躍しますので、思い切って床全体に敷き詰めるのもひとつの手だと思います。
対処法2:離乳食は多めに作る
遊び食べが始まると、テーブルに出した離乳食の多くが床に落ちてしまって赤ちゃんの口に入りません。それなのに、離乳食から得る栄養の比重が大きくなってくるので食べてもらわないと困ります。
ですから、離乳食は多めに作って出しましょう。私の場合「最低でもこれくらいは食べて欲しい!」という量の倍くらいお皿にのせて出していました。
また「これは絶対に食べる」というものを出しておき、一定量はお腹に入るように心がけました。
赤ちゃんは素直なので、食べたい! と思うものはグチャグチャにしながらでも食べます。一度食べ始めると、意外にあれもこれも食べる、というケースだってあります。
悲しいですが、半分は無駄になるくらいに思って、多めに出すようにしましょう。
対処法3:水分が少なめのメニューを準備して
生後9か月を過ぎると、比較的硬めの食材も使えるようになります。基本的に前歯で噛み分けたり、歯ぐきで潰せるくらいの固さのものを準備しますが、ちょっと硬めのものも出してみましょう。
具体的には、リンゴスティック、茹でたブロッコリー、普通のご飯も出してみてください。とろみが付いている離乳食の方が飲み込みやすいのですが、水分が少ないものも出すと意外に食べてくれることがあります。
水分が少ないと掃除も楽になりますし、硬いものの方が赤ちゃんの興味を引くこともあります。
肉も魚も野菜も、かなり多くの食材を活用できるようになる時期ですから、水分少なめの離乳食を作って出してみるのもお勧めです。
対処法4:赤ちゃん用の椅子とテーブルを準備して
遊び食べが始まる時期には、赤ちゃんが自分で取って食べられるように、赤ちゃんの体に合った椅子とテーブルを準備してあげましょう。
安定して座って食べ物に手が届くよう、ズルズルとおしりが動いたりしないサイズで、足がブラブラしない踏ん張ることができる椅子を準備します。
毎日の掃除が簡単で衛生的に使え、赤ちゃんが「ここが私の席!」と理解し易いので短い期間しか使いませんが、テーブル付きのチェアを買ってよかったです。
対処法5:時間を決めてメリハリある食事時間を!
遊び食べは成長に欠かせないプロセスですが、いつまでもダラダラと遊ばせる訳にはいきません。
食べないで遊び続けるなら、食欲がない(お腹がいっぱい、お腹が空いていない)というサインなので、適当な時間を決めて切り上げましょう。30分でおしまい、というように決めておき、30分を過ぎたら片付けてしまうのもアリです。
ほとんど食べていない、と思ったなら、赤ちゃんの様子を見ながらおやつを多めにしたり、食事の回数を増やすといった工夫をして、食事時間にメリハリをつけてみましょう。時間はかかりますが、赤ちゃんは「食べないとママが片付けてしまう!」と理解するようになりますよ。
対処法6:手抜き離乳食で作る側の気持ちに余裕を!
毎日毎日、捨てられるだけの離乳食を作り続けるのは辛いものです。「頑張って作ったって、どうせ食べてもらえないんだ」と思うと、作る気力もなくなりますよね。
生後9か月になってくると、ほとんどの食材がOKになり、味付け前の大人の料理から一部取り分けやすくなります。
大人からの取り分け、大量につくっておいて冷凍保存、市販の離乳食を活用するなど、ちょっと手を抜いて作れる離乳食を準備してみてください。
毎日毎日、頑張りすぎるとママの心が折れてしまいます。ママが嫌になってしまうと元も子もありません。魔の2歳児、イヤイヤ期も到来しますので、離乳食で頑張りすぎないでください。
対処法7:スプーンやフォークを必ず準備して!
遊び食べをする時、赤ちゃんはスプーンやフォークを使いません。手で食べ物を掴んだり、顔をお皿の中に突っ込んだりして食べます。
スプーンやフォークを準備しても意味がない、と思いがちですが、必ず赤ちゃん用の小さなスプーンとフォークを準備してください。そして、家族が一緒に食事をしてスプーンやフォークを使って食べる姿を見せてあげましょう。
赤ちゃんはちゃんと周りを見て学んでいます。すぐに使わなくても、パパやママがスプーンやフォークを使っている姿を見ていれば、自分も使ってみようと思います。スプーンやフォークに興味が向けば、遊び食べが減っていくこともあります。
赤ちゃん用のスプーンには、柄が輪になっていて握りやすいスプーンなどもあります。さりげなく、手掴みしなくても食べられる環境を作っておいてあげるといいですよ。
対処法8:おやつに朝ご飯メニューを導入しよう
生後9か月を過ぎてくると母乳やミルクよりも離乳食から得る栄養の方が多くなってきます。鉄不足など、ミネラル類が不足し始める時期でもあります。
離乳食をしっかり食べて栄養を摂らなければならないのに、遊び食べでなかなか食べない。しかも、あちこち動き回るようになるので消費エネルギーがどんどん増えていく! これでは体重が増えなくなったり、栄養不足になりかねません。
離乳食は母乳やミルクと合わせて1日3回となっていますが、なかなか食べてくれないときは午前と午後に1回ずつ、おやつの時間を作りましょう。
おやつのメニューは朝ご飯と同じメニューにします。混ぜご飯のおにぎりだったり、サンドイッチのようなパンを準備しましょう。
エネルギー源になる炭水化物と、ミネラル類を取ることができる野菜、筋肉などを作るのに欠かせないタンパク質が一緒に摂れるメニューをおやつにしてください。
この午前と午後のおやつの時間は、保育園で広く取り入れられている方法です。おやつというとお菓子を思い浮かべがちですが、食事を補完するためと考えましょう。
遊び食べが落ち着き、一度に食べられる量が増えてくればおやつの回数や量を減らすことができますから心配要りません。
遊び食べは根気よく付き合っていこう
生後9か月頃から始まる遊び食べは、長いと3歳くらまで続きます。イヤイヤ期が重なるので、ママにとって食事の時間が苦痛の時間になってしまいます。
ですが、遊び食べは赤ちゃんの五感を刺激し、好奇心や興味の幅を広げていく大切なプロセスです。温かい目で見守ってあげましょう。
そして、少しでもママの負担が減るように掃除が楽になる環境を整えたり、水分の少ないメニューを試したり、持ちやすいスプーンやフォークを準備するなど、工夫してみてください。
家族が一緒にテーブルを囲んで、スプーンやフォークの使い方、食事の仕方を見せてあげるのも効果があります。
なかなか大変な時期ですが、後で思い返せば笑って話せる思い出になるでしょう。少しの期間、一緒に遊ぶくらいの気持ちで付き合ってあげてくださいね。