食事や着替えなど、自分のことは自分でできる子供、あるいは、簡単なことでもすすんでお手伝いをしてくれる子供に育てるためには、パパが果たす役割が重要になります。
ママは赤ちゃんの頃から中心となって子供のお世話をしているため、子供が成長しても、あれこれと世話を焼きたがります。逆に、パパは一歩引いて、あるいはわざと突き放して、子供に自分で行動させることが多いもの。
こうした役割の違いを上手に利用すれば、パパが子供をぐんと成長させることができます。
ただし、それには子どもとの信頼関係が築けていることが大前提です。
母親の役割と、父親の役割の違い
それに対して父親の役割は、子供を自立させるため、家庭や社会でのルールや責任を教えること。これが父性です。
ママは、子供に何かお手伝いをさせようと思っても、子供のやることにいちいち口や手を出してしまいます。また、食事や着替えといった子供が自分でやるべきことも、うまくできないとどうしても助けてあげたくなります。
子供は子供で、ママがそうして何でもやってくれていると、いつまでも甘えっぱなしになってしまいますね。
そこで大切になってくるのが、パパの存在。
お手伝いや自分のやるべきことを子供に教えるのは、世話を焼きたがるママよりも、子供をある程度突き放すことができるパパの方が適任なのです。
子供を成長させるためには、信頼関係が大切
しかし、ただ子供に手伝わせよう、自分のことは自分でさせようと思っても、そこに信頼関係がなければうまくいきません。
生まれたての赤ちゃんは、まず母性によって自分の存在を肯定され、ありのままを受け入れてもらうことで安心感を得て、親との信頼関係を作っていきます。
母性はママだけが持つものではなく、パパの中にもあるもの。
パパも、赤ちゃんが生まれた時から母性によって愛し、包み込むことで、子供からの信頼を得ていくのです。
この信頼関係ができていないのに、いきなり父性を持ち出して子供を突き放しても、子供は「拒絶された」と思うだけで、パパの言うことなど聞いてくれません。
子供に家庭での役割としてお手伝いをさせ、自立させるのは確かにパパの方が適役ですが、そこに至るまでには、子供にたっぷりと愛情を与えていることが必要なのです。
子供の成長は、パパの自信にもつながります
仕事が忙しいから、あるいは面倒だからといって育児に関わることを避けていると、子供は大きくなってもパパの言うことを聞いてくれなくなります。
すると、パパはますます育児から遠ざかってしまうため、父親不在感が大きくなり、子供が思春期を迎えてからさまざまな問題が発生する可能性も。
反対に、忙しくてもしっかりと子供と向き合い、お世話をしているパパは、子供を一回りも二回りも成長させるベースを作ることができます。
パパの力で、子供がお手伝いをするようになったり、着替えや食事の支度を一人でできるようになったりすることは、パパにとっても非常に喜びを感じることであり、また育児の自信にもつながります。
ママは別室に隔離。お互いに「早くママが元気になるといいね」と励ましあいながら、家のことや子供の相手をしていました。
この時ふと思いついたのです。ママが普段お世話していることを、子供自身にさせられないだろうかと。
さっそく、子供にこのような役割を与えました。
- 食事の前にテーブルに箸やお皿、おかずを並べる。
- 食事が終わったら自分の食器は流しに片づける。
- 食後の吸入器のセットを自分で行う。
- 朝起きたら一人で着替える。
- 夜寝る時も一人で着替える。
その結果は「なんだ全部自分で出来るんじゃン。ママが見たらびっくりするよー!」でした。子供は嫌がるどころか大喜びで食器を片づけるのです。
子供にとってママに3日も会えないというのは本当に辛く寂しいでしょう。そのような状況の中で、子供に新しい役割を果たせた自信と、ママに会った時に報告する楽しみを与えることができたのです。
ホントこのようなことが実際にできるとうれしいものです。
こうした経験を増やし、子供を成長させていくためにも、まずは育児に積極的に関わっていくことが大切なのです。