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発達に遅れがある子供の小学校就学|幸せな時間を過ごせる特別支援学級の選び方

発達に遅れがある子供の小学校就学|幸せな時間を過ごせる特別支援学級の選び方

小学校入学を喜ぶ親は多いですよね。しかし、子供の発達に不安がある親にとって就学は深く悩むことです。

自治体から「小学校就学指導」を受け、発達障害児という現実を突き付けられて強い不安や苦しみを感じる親もいます。

そんな発達に遅れがある子供の就学(小学校か、支援学級か、特別支援学校など)についてまとめました。

自治体による就学指導・就学相談を受ける

発達に不安がある子供を持つ親に対して、自治体(教育委員会)は就学指導・就学相談というものを行います。

  • 乳幼児健診などで発達の遅れを指摘されている子供
  • 親が発達支援センターなどに相談したことがある子供
  • 就学時健康診断で発達について指摘をされた子供
  • 療育施設に通っている子供

こうした子供の親には、教育委員会から「就学について事前調査」が行われます。簡単に言えば「子供の発達の状態をチェックし、普通の学校に通うか、支援が受けられる所に行くか考えてください」と言われます。

教育委員会から電話が掛かってきたり、書類が送られてきたり、面談を打診され「就学指導・就学相談」というものを受けます。

大抵、子供が年長になった年の夏くらいから発達支援センターや教育委員会から電話が掛かってきたり、面談の連絡が来ます。仕事をしている親の場合、何度も平日の昼間(相手が指定する日時)に呼び出されるので、正直、イラッとすることもありますよ。

発達に遅れがある子供の就学先

発達に不安や遅れがある子供の場合、

  • 通常学級
  • 特別支援学級
  • 通級指導教室
  • 特別支援学校

など、いろいろな就学先が考えられます。

入学の基準は自治体や学校によって異なり、必ず希望した所に入学できる訳ではありません。ただ、実際にどこに通うのか、というのは親の意向や学校の状況が強く関係してきます。

通常学級(通常の小学校)

いわゆる通常の小学校の、発達に遅れなどがない子供が所属する学級です。1年生の場合、1クラスは35人までです。1年生が全部で35人なら1クラス、1年生が全部で36人なら18人のクラスが2つになります(2年生からは1クラス40人になります)

発達に遅れがある子供であっても、親が支援学級などを拒否するなどして通常学級に通っている例もあります。また支援学級の定員がいっぱいで、やむを得ず通常学級に通っている例もあります。

発達に遅れがある子供が通常学級に通う場合、担任の指導力や、クラスの人数が通いやすさに大きく関係してきます。

特別支援学級(通常の小学校の中にある)

通常の小学校の中にある、発達に遅れがある子供だけが所属するクラスが特別支援学級です。担任1人に対し生徒は8人までという少人数のクラスです。

ひとつのクラスに1~4年生など、異なる学年の生徒が混在することが普通で、同じ時間に算数と国語の授業が同時に行われることもあります。

先生は生徒の席のすぐ傍に座り、それぞれに応じた内容の教材を使って授業をします。算数のドリルを解いている生徒を指導しながら、もう一人に漢字の読み書きを指導するなど、学校というより家庭教師が教えているイメージがいいかもしれません。

図工や音楽などは、異なる学年でも同じ内容を教えることもあります。担任以外に介助の先生が付いてくれることもあり、手厚くケアをしながら、生徒達に合わせた授業を行っています。

支援学級は「知的」と「情緒」に分かれています。「知的」には知的な遅れがあって、なかなか学習が進まないような生徒(知能指数IQ・発達指数DQが通常よりも低い生徒)が所属します。

一方「情緒」には自閉症スペクトラムなど、言葉やコミュニケーション面で問題がある生徒が所属します。

知的と情緒、どちらに所属するか。これは自治体や学校によって判断基準が異なります。特に、複数の発達障害を持つ子供が多いので、どちらが合っているのかケースバイケースで現場が判断しているのが現状のようです。

通級指導教室

これは月に数時間~数日間、特定の施設で開催される、発達に遅れがある子供向けの特別な教室です。

いつも通常学級で学習しているけれど、通級指導教室が開催される時だけ、そちらに行く、ということができます。

いつも通っている学校で通級指導教室が開設されれば、教室が開かれた時だけ教室移動をすればOKです。しかし、自分が通っている学校に開設されない場合は、通級指導教室が開催された時だけ別の小学校へ登校することになります。

別の小学校へ登校する場合は、親が登下校に付き添わなければなりません。このため、共働き世帯や、乳幼児連れの世帯の場合、通いたくても通えないことがあります。

なお、どれくらいの頻度で、どんな内容の教室が開設されるのか。自治体によって異なります。

交流学習

交流学習というのは、通常学級と特別支援学級、両方で授業を受ける学習方法です。多くの特別支援学級で採用されています。

国語と算数は支援学級で授業を受けるけれど、それ以外は通常学級で過ごす。両方のクラスに籍を置くことができます。

苦手な科目は特別支援学級で丁寧な指導を受ける。それ以外は通常学級でたくさんの友達に囲まれて授業を受け、休み時間も通常学級の子供達と一緒に過ごす。通常学級で授業を受ける時でも介助の先生が隣についてくれるため「いいとこ取り」の学校生活を送ることができます。

交流学習は、学校によって方針が違っていたり、介助の先生も学校によって人数が異なります。学校によって交流学習の態勢はさまざまなので、実際に通う学校を見学させてもらうといいですよ。

特別支援学校

特別支援学校は5つの学校に分けられます。

  • 知的な障害がある子供を対象とした学校
  • 視覚の障害がある子供を対象とした学校
  • 聴覚の障害がある子供を対象とした学校
  • 病弱な子供を対象とした学校
  • 肢体不自由な子供を対象とした学校

それぞれ独立した学校の場合もあれば、複数のクラスを併設している学校もあります。特別支援学校の教師は、それぞれの障害について知識が豊富で、ケアの方法や指導方法を熟知しているという特徴があります。

入学については、障害の度合いによって制限を設けているケースが多く、希望しても入学できないことがあります。基準は自治体によって異なるようなので、希望する場合は予め各学校の情報を集めることをお勧めします。

発達に遅れがある子供の就学までの流れ(経験談)

発達の遅れを発見

私の娘は2歳頃から言葉の発達に遅れが出てきました。保育士に「発達障害児」と言われたことがあり、発達支援センターで新版K式発達検査(発達の度合いをチェックする検査)を受けました。

保育園は加配がない認可外保育園に通っていて、自治体の施設:発達支援センターの療育には通いませんでした。

親による就学先の選定

娘が年長になった年の7月頃、発達支援センターから電話がありました。「教育委員会に親から電話をし、就学相談のための面談を受けてください」という内容でした。

指示されたとおり教育委員会に電話し、娘を連れて教育委員会の担当者と面談しました。これは「親は就学について、どう考えているか」を話す場でした。

この面談の場で、就学予定の小学校に連絡して、学校見学することを勧められました。実際に通常学級や特別支援学級を見学して、就学先を考えて欲しい、ということでした。

小学校に連絡して通常学級と支援学級を見学させてもらい、校長や教頭の考え方、学校の方針、実際に支援学級に所属している子供の生活状況を教えてもらいました。

自治体による就学先の選定

9月に就学時健康診断がありました。この健診で自治体は「特別なケアが必要な子供」をチェックしているようです。

10月に教育委員会から

  • 就学に関する親の希望を書いた紙
  • 保育園や幼稚園の先生による集団生活の様子を記した書類
  • 発達検査や医師の診断書のコピー

を一か月以内に教育委員会に送るよう書類が届きました。

発達検査や医師の診断書などは一か月で準備できるようなものではありません。これは非常に困り、教育委員会に抗議の電話をかけようか! と思ったほどです。

幸い、私の娘は発達の遅れがある子供を対象とした民間塾に通っていました。塾の先生にお願いして、臨床心理士になんとか都合をつけてもらい、WISC-IV検査を受けました。

通常は一か月くらいかかる検査結果を半月以内に出してもらうようお願いし、なんとか検査結果を取得しましたが、教育委員会の締切には間に合わず、後から追加で提出することになりました。

自治体の先手を打とう
発達に遅れがある子供の場合、11月までに手元に発達の度合いに関する検査結果や専門医の診断書を準備しておくといいと思います。

12月に教育委員会から「就学指導委員会の審議結果(通知)」という書類が届き、特別支援学級に就学するのが好ましい、と通知されました。不服がある場合は申立ができるようですが、わが家は娘を支援学級に通わせることに決めました。

就学先とのすり合わせ

この後、再び

  • 小学校の見学
  • 入学式より前に支援学級の先生と面談
  • 教育委員会の呼び出し

などが続き、平日に会社を休むことが結構ありました。これは辛かったです。

ただ「支援学級は嫌だ」「特別支援学級でもいいと言っていたが、やっぱり通常学級に変えて欲しい」など、親が教育委員会と揉めるケースも多いようです。

周囲の偏見でゴタゴタも…
実際、ママ友の中には義両親が「特別支援学級は絶対にダメ!」と言っていて、どうすべきか決めかねている、という人もいました。特別支援学級・障害児、というものに対する、周囲の視線や評価が就学の弊害になっているケースも根強くあるようです。

自治体や学校によりますが、発達に遅れがある子供の場合、学校・自治体とやり取りする機会が結構多くあります。自治体や学校の呼び出しは平日の昼間なので、働いている親にとっては結構、大きな負担です。

特別支援学級、就学後の様子

私の娘は家のすぐ傍にある小学校の特別支援学級(知的学級)に就学しました。国語と算数は特別支援学級で受け、それ以外は通常学級にいます。通常学級にいる間は介助の先生が付いてくれることもあれば、付かない場合もあります。

1年生の間は「知的」に通いましたが、2年生からは「情緒」に変わりました。一年間の学習状況から学校が、知的な遅れはケアが不要で、コミュニケーション能力などについて重点的にケアした方がいい(情緒がいい)と判断したようです。

私の娘が通っている小学校では、担任と保護者が毎日連絡帳を使って連絡を取り合い、定期的に面談を行っています。

クラス編成、学習の進め方、交流学習のあり方などについて、綿密に相談できる体制が整っています。娘にとってどんな環境を整えるといいのか。真剣に考えてくれているように感じます。

娘が通う特別支援学級には、障害の度合いが色々な子供がいます。しかし、みんなとても仲が良くて、休み時間には男女・学年関係なく大はしゃぎで遊んでいます。

また、娘が普通学級に交流学習に行った時は、お姉さんのように面倒をみてくれる女児がいて娘も気持ちよく遊んだり学習したりできています。なんとなく合う子(フィーリングが合う子)もいて、そうした子供達と仲良く共同作業をしていることもあります。

ただ、娘はコミュニケーションの取り方が下手で、場にそぐわない発言をしてトラブルを起こしてしまうことがあります。他の生徒とケンカになることもあり、担任が間に入って治めてくれることもあれば、子供同士で場が治まることもあります。

今の所はイジメもなく、娘は毎日、自力で楽しく学校に通っています。就学前は色々と大変でしたが、特別支援学級に所属して交流学習するというのが娘に合っている。そう感じています。

準備は大変だが、環境を整えれば就学後の不安は少ない

発達に遅れがある子供の就学先はいろいろあります。通常学級、特別支援学級、特別支援学校など、どこにどんな形で通うのかチンプンカンプン! という親もいるでしょうし、希望通りにいかなかったり、絶対、通常学級という人もいると思います。

大切なのは、まず、情報を集めることです。就学先の学校がどんな学校なのか。どんな方針なのか。これを見学によって把握し、どんな環境が子供にとって望ましいか考えましょう。そして、学校と綿密に連絡を取り合い、定期的に子供の環境を確認していくことも大切です。

就学先を決断する際、周囲の目・評価、イジメが心配になると思います。私もとても不安でした。なにを第一に考え、どういう道を選ぶのか。発達に遅れがある子供を持つ親にとって就学は、辛い思いをする時でもあり、大きな決断を迫られる時です。

しかし、就学は最終決断ではありません。後から変更が可能だったり、違う方法でケアをするという道もあります。

発達に遅れがあっても学校の都合で特別支援学級に通えず、通常学級に通いながら別途、塾に通って学習面のケアをしている、という子供だっています。特別支援学級に通っていたけれど、途中で通常学級に変えた、という子供もいます。

あまり思い詰めて苦しんだり、悲観しないでください。子供の状態を観察しながらいろんな道を模索する。そんなつもりで就学を考えてくださいね。

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