結婚する前はいつも穏やかで、にこにこ笑顔を絶やさなかった妻が、結婚・出産を経て次第に変わっていくのは、よくある話。
家に帰れば常に妻がイライラ・カリカリ。
ドアを開けた途端に、妻が子供に対して怒鳴っている声が聞こえると、うんざりしてしまうという夫は少なくないようです。
先日、既婚男性に対して「妻のどんなところに不満を感じるか」というアンケートを実施してみた結果、
- 短気
- いつも嫌味を言う
- 性格がきつい
- すぐに感情的に怒る
などなど、妻の日頃のイライラした態度やキレやすさ、夫への態度に関する不満の声が多く聞かれました。
妻はなぜ、毎日こんなにもイライラしているのでしょう。
ここでは妻の立場からの反論と釈明として、イライラの理由や原因、そしてイライラを少しでも軽減してよい夫婦関係を築くために、夫の立場として理解しておきたいことをまとめてみました。
妻のこんな態度が不満!夫からの声
妻がいつもイライラしていることに不満を抱えている夫たち。
たしかに、仕事で疲れて帰ってきたのに妻がイライラした態度では気持ちも休まらないどころか、疲れも増してしまいますから、不満を持つのも無理はありません。
具体的な不満の中身としては、次のような意見があげられました。
カッとなって思ったことをすぐに言葉や態度に出す
すぐに頭に血が上り、汚い言葉で夫を罵ったり、扉を乱暴に開け閉めしたりする、また、ささいなことでキレて大声で怒鳴る、目についたものに対してことごとく文句を言うなど、妻の感情的な言動が目に余ると答えた夫が非常に多くいました。
一人で抱え込んだ挙句に急に不機嫌になる
夫である自分に相談することもなく、家事や育児のストレスを抱え込み、小さな不満がたまりにたまって爆発するがごとく急に不機嫌になる、という女性によくありがちなパターンも、男性にとっては不愉快に感じるようです。
なぜいつも怒ってばかり? 妻をイライラさせる3つの理由
そもそも、妻をこんなにもイライラさせるものとは、一体何なのでしょうか?その理由や原因として考えられるものを、ここで3つほどあげてみましょう。
1.子育てのストレス
乳幼児期の育児は、ストレスとの戦いでもあります。寝不足や肉体的な疲労はもちろん、子供の成長や発達に関する不安、自分の子育ては正しいのだろうかという焦り。
常に目を離せない子供に神経を尖らせ、外に出れば子連れに対する周囲の視線を気にしたり、ママ友関係で悩んだり……
それを気軽に相談できる人がいなかったり、子供と2人きりで過ごす時間が長かったりするこの時期は、孤独感や閉塞感を持ちやすく、それがストレスとなってどんどん積もり積もってしまいます。
2.いつまでも終わらない家事
小さな子供がいると、子供のお世話でやることが山積みになるだけでなく、目を離した隙に何をするかわからないために家事も細切れになったり、後回しになったりすることが多くなります。
また、共働きにも関わらず、妻の家事育児の負担の割合が大きくなっているケースもあります。
ひとつの家事を片付けるのに時間がかかり、そのうちに次の家事をしなければならなくなる、のくり返しで、いつまでも家事が終わらない無限ループに陥ることも。
妻としては1日の家事が終わらないとスッキリ休めないため、次から次へとやらなければならない家事が出てくると、いつまでたっても休めず、自分の時間も取れないため、疲れ果ててイライラしてしまいます。
3.ホルモンバランスの変化
妊娠や出産に際して、女性のホルモンバランスは大きく変動し、情緒にも影響を与えます。
妊娠中であれば、つわり、体型の変化、出産や育児への不安がそれに拍車をかけ、ますますイライラしやすい状態になると考えられるでしょう。
産後も、ホルモンバランスが急激に変化することや、出産や不眠不休の新生児の育児による疲れ、授乳による貧血、思い通りにいかない子育て、周囲からのプレッシャーなどが積み重なり、非常にイライラしやすくなります。
また、生理が再開すれば、生理前後もホルモンバランスが変化するため、ささいなことでイライラしたり悲観的になったりすることがあります。
こうした時期は、妻も怒りたくて怒っているわけではなく、自分ではどうしようもないイライラに苛まれているのです。
夫が理解しておきたい妻の怒りのポイント
このように、妻側からするとイライラの原因はいくつかあるのですが、そのほかに夫に知っておいてもらいたい、妻の怒りに関するポイントを2つあげてみます。
1.怒りの原因は夫にとって些細なことでも、妻にとっては重大なこと
男性にとって些細と思われるようなことでも、女性が過剰に反応して感情的に怒ってしまうのは、脳の構造の違いが原因であると言われています。
女性は感情の情報量が男性より多いため、ひとつの物事を拡大して捉えたり、解釈したりする傾向があるのです。たとえば、夫が妻の作った料理を残した、という出来事も、夫にとってはただ単に「残してゴメン」で済ませられることに思えても、妻にとっては、
- 自分を否定されて悲しい
- プライドを傷つけられて悔しい
- 夫は私が嫌いなのかもしれない、不安だ
などというさまざまな感情を抱かせる重大な出来事であるため、大きな怒りや落胆につながって過剰に反応してしまうのです。
2.妻が突然キレる時は、積もり積もったものが爆発した時
夫が大したことないと感じるようなことで妻が突然キレるその原因は、今まで積もり積もった怒りやストレスである場合も。
女性の怒りは、しばしばコップの水にたとえられます。
さまざまな出来事によって、怒りは少量ずつ心の中のコップにたまっていき、それがとうとうあふれたところで怒りが爆発するため、目の前で起きた出来事だけが本当の怒りの原因とは限りません。
些細なことで妻がキレた時は、きっかけとなったことだけに注目してしまうと、本質を見失ってしまうおそれがあります。
妻のイライラを回避するために
この2つのポイントをもとに、夫ができる妻のイライラ対策を考えてみましょう。
妻の家事育児の負担を軽減する
まず第一は、妻の抱える負担を減らすこと。家事育児の負担が大きい妻の場合は、家庭内で疲れきってイライラすることが多くなります。
これは単純に仕事量が多いためと考えられますので、その仕事を夫が何かひとつでも引き受けてあげることで、妻を楽にしてあげましょう。
家事育児を手伝うほかには、休日に子供を連れ出したり、妻に出かけてもらったりして、妻が一人で過ごせる時間を作ってあげるのも効果的。
妻の物理的な負担と、精神的なストレスの両方を軽減することは、妻のコップの中の怒りをいっぱいにしない有効な方法です。
「感情的になるな」「もっと冷静に」はNG
妻がイライラしていると、夫としてはどうしても「感情的になるなよ」とか「もっと冷静になれ」などと言ってしまいがちですが、これは女性にとって火に油を注ぐNGワードです。
「感情的になるな」と言われて、「はい、ごめんなさい」と反省する女性はまずいません。イライラする妻を見て嫌な気持ちになり、文句のひとつも言いたくなるでしょうが、そんな時は何も言わずにイライラの嵐が過ぎるのを待つのが得策です。
そして、怒りが少し落ち着いたタイミングを見計らって「さっきは悪かった」とこちらから折れたり、「どうしたの?」と話を聞く姿勢を見せたり、余裕をもって接してあげてください。
怒りのきっかけだけでなく、本当の原因を理解するためにも、共感しながら妻の話を聞いてあげることが大切です。
家庭での妻は上司だと思って接する
家庭という場所は、妻にとっては家事や子育てという仕事をこなす、いわば職場のようなものでもあります。夫はそれを踏まえて、家庭では妻を上司だと思って接するのもひとつの考え方として有効です。
上司がイライラして機嫌が悪い時はひたすら時間が過ぎるのを待ち、またイライラさせないように、自分ができる仕事は自分でする、たまには愚痴を聞いてあげるなど、家庭の中でも気遣いすることを心がけてみるといいかもしれません。
外で仕事をしているのに、家でも上司がいるなんて気が休まらない……と思うでしょうが、上司を大切にすることで、夫自身の家庭内での居心地もよくなっていくものです。
いつも不機嫌、些細なことですぐキレる……、そんな妻の怒りの理由や原因、おわかりいただけたでしょうか?
少しでも妻のイライラを回避し、よりよい家庭生活を送れるよう、上記のような対策をご参考にしてみてくださいね。