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発達の遅れはいつからどれくらい遅れるもの?親が「あれ?」と感じたら

発達の遅れはいつからどれくらい遅れるもの?親が「あれ?」と感じたら

「発達が遅れている」と言われても、いつの時点で、どれくらい遅れていると問題なのか、よく解りませんよね。特に乳幼児は個々の成長スピードが全然違うので、ちょっと遅れているだけなのか、問題がある遅れなのか解りにくいのが本当の所です。

そんな、いつからどれくらい遅れるものなのか、経験から考えてみました。

発達の遅れは「タイプ」によって気付く時期が異なる

発達に遅れがある、といっても、人間の発達にはいろいろな発達があります。発達の遅れの内容によって、気付く時期は異なります。

(1)体の運動機能

  • 目で動くものを追いかける
  • 手足の動かし方
  • 首がすわる
  • 寝返り
  • はいはい
  • つかまり立ち
  • 歩く
  • 走る
  • ジャンプする
  • ケンケンする

といったような、運動機能は目に見える発達です。

乳幼児検診などでも医師などが実際に診てチェックしていますし、親が日々、間近で成長を見守っていますよね。

「目で見て解る発達」であり「健診など医師などがチェックする機会が多い発達」なので、運動機能に遅れがあった場合は、かなり早い段階(乳児期)から気付くケースが多いですよ。

(2)言葉の発達

赤ちゃんの言葉の発達は、まず「人の目を見る」というところからスタートします。意味がわかる言葉を話せなくても「音がしたり、名前を呼ばれたらそちらを見る」という反応があります。

母子手帳の引用:3~4か月健康診査

見えない方向から声をかけてみると、そちらのほうを見ようとしますか?

もし、生後3~4か月の段階で、この項目が「はい」でない場合、耳に問題があるか、コミュニケーション能力に問題があることが疑われます。

そして赤ちゃんは「喃語」を話すようになり、「意味がある単語」を話すようになって、1歳を過ぎてくると「指さし」をするようになります。

さらに2歳を過ぎれば「2語文」を話すようになり、「3語文」を話したり「今日、経験したことを話す」というようなコミュニケーション能力が現れてきます。

こうした言葉の発達の段階を親が把握しておけば、言葉の発達の遅れに親が早く気付くことができます。

私の娘は「指さし」をほとんどせず、「2歳を過ぎてもなかなか2語文を話さない」という所から、言葉の発達の遅れを疑いました。そして、保育園で「他の子供と同じように行動できない(先生の指示がきけない)」ということで、発達の遅れがはっきりと解りました。

(3)箸を持つ、ハサミを使うなど指先の機能

指先の機能の遅れに気付くのは少し大きくなってからになりますね。

  • シールを指定された場所に貼る
  • クレヨンを持つ
  • 丸を描く
  • ハサミを持つ
  • 箸を持つ
  • 箸で食べ物を掴む
  • 折り紙を折る

など、実際に作業をするようになってから気付くことが多いと思います。

保育園や幼稚園で作業をする機会が増えてから「あれ?」と先生達が気付き、指摘するケースが多いかも知れません。繰り返し訓練すれば作業できるようになるケースもありますし、視覚に問題があるケースや、脳の先天的な問題によって訓練でも克服が難しいこともあります。

知的な発達の遅れのケースと、身体的な発達の遅れのケース、その両方のケースなどがあり、専門医の診断がなければ対策が取れないこともあります。

(4)読み書きなど学習面の遅れ

これは3~4歳以降、特に就学後に顕著に表れる発達の遅れですね。

幼稚園や保育園で、

  • 劇のセリフや自分の役を覚えられない。
  • 楽器の演奏ができない。
  • 歌やダンスを覚えられない。
  • 絵本の内容を把握できない。
自宅で親が幼児向けドリル(知能テストなどのドリル)などを使って「あれ?」と気付くことがある発達の遅れです。

また、就学後に学校の成績から気付くケースも多くあるようです。学習面の遅れは、普段の生活に問題がないケースが多く、なかなか気付きにくいケースもあって「本人が勉強していないだけ(なまけているだけ)」と決めつけられるケースもあるようです。

顕著に遅れが見え始めるのは2歳頃から

どの発達の遅れについても「あれ?」と親が気付くようになるのは、2歳前後ではないでしょうか。

この頃になると外へ出るようになり、他の子供達と親子揃って接触する機会が増えます。比較対象が増えるということですね。

「他の子と違うかも?!」そんな、ちょっとしたきっかけから遅れに気付くことも少なくありません。

子供同士を比較することがいいとは思いませんが、数多くの子供達と接触することで「あれ?」と気付くことがあるのは確かです。

2歳前後になれば、子供自身が自分の意志で動くようになりますし、保育園に通ったり、幼稚園の入園を視野にいれるようになってきます。2歳前後になると、発達の遅れに気付くキッカケが増えると言えるのではないでしょうか。

3歳、4歳で集団に入ると「違い」が目立ってくる

保育園に入った子はもちろん、幼稚園に入園して集団生活が始まると、発達に遅れがある子は色々な意味で目立ちます。

  • いつもボーッとしている
  • 先生の話を聞いていない
  • 友達に感心がない
  • 話しかけても返事がない
  • 自分のことばかり喋り続ける
  • 友達との距離が異常に近い
  • ハサミやノリを使えない
  • 歌を歌えない
  • 発表会の練習が進まない
  • 運動がまったくできない
  • 自分の世界に閉じこもるタイプ
  • なにをすればいいか理解していないタイプ
  • 空気が読めないタイプ
  • 自分の事だけをどんどん全面に押し出してくるタイプ

など、いろいろな形で目立つようになります。

それでも周囲に迷惑をかけず、本人も困ることがなくて集団生活を送れるのであれば「強烈な個性」といえると思います。

しかし

  • なにをすべきか解らない
  • 自分の役割が解らない
  • 友達が嫌がっているのが解らない
  • 自我が強すぎて手が出てしまう(他害トラブル)

といった本人や他人が困る場合は、大人が傍について手助けしてあげる必要が出てきます。

保育園であれば「加配」といって先生がひとり子供に専属で付き、いま、どんなことをすべきなのかサポートしながら集団生活を送る、という方法があります。

また、先生1人に対して数名程度という少人数の集団の中で、集団生活の練習をする、という方法もあります。

日本は「集団生活が送れないと辛いことが増える社会」です。本人が困ることになりますので「あれ?」と思うことがあったなら、「集団生活を送る練習からスタート」というように考えて、サポートしていくといいと思います。

就学の時期には、親の目にも「困った違い」が見えてくる

私の経験から、発達の遅れが大きく目立つのは「就学」の時だと思います。しかも「親や子が困る」という形で目立ってきます。

小学校は「先生は一度に30人前後の子供に指示を出し、ひとりひとりに注意を促さない」という特徴があります。幼稚園や保育園のような手厚いサポートはなく、指示を理解できない子や話を聞いていない子は容赦なく取り残されます。自力でなんとかする力がないと、集団についていけません。

自分の力で登下校し、学校内では先生の指示に従い、決められた時間は椅子に座って授業を受け、宿題やプリントなどを指示通りに自宅へ持ち帰って親に報告する。こうした「自力でなんかをする」という力が必要になります。

発達に遅れがあると、授業内容についていけない、忘れ物が多い、先生に叱られる機会が多い、学校からの連絡事項が親に伝わらないなど、親と子、両方が困る機会が増えてきます。

もちろん、定型発達児でも「困ったこと」は多くあります。しかし、発達に遅れがある子の場合は「困ったことだらけ」だったり、「困ったことが起こっている、ということが親に伝わらないまま時間が経過する」という本当に困る状態が続きます。

いわゆる「小一プロブレム」といわれる、正常な学級を保てない理由のひとつになるケースもあります。

小一プロブレム
小学校1年生などの教室において、学習に集中できない、教員の話が聞けずに授業が成立しないなど学級がうまく機能しない状況(いわゆる「小1プロブレム」)にある学校が見られる。

できれば、こうした大きな問題になる前に子供の発達の遅れを把握し、幼稚園や保育園の段階でサポートして、就学時に子供に合った義務教育の体制を整えられるようにしてあげたいものです。

発達の遅れは「あれ?」という気付きから

自分の子供に発達の遅れがある、という事実は親にとって本当に衝撃的なことです。五体満足で産まれ、元気に育っていた、と思ったのに「あなたの子は普通じゃない」「遅れている」と言われると、奈落の底に突き落とされる気分になります。

受け入れられるようになるまで時間がかかりますし「自分の子供がどれだけ普通から遅れているのか」というのは、検査を受けなければ解りません。

さらに「遅れが追いついているのか」というのは1年など時間を置いて繰り返し検査を受けて、結果から判断するしかありません。

ただ、実際に子供の発達の遅れが明確になってから過去を振り返ると「『あれ?』という親の気付きは確かなサインだった」と思えます。特に、傍でよく子供の世話をしている母親の「あれ?」や「勘」は良くも悪くも当たるものです。

子供の発達の遅れにも、いろいろなタイプがあり、タイプによって気付くタイミングが違います。

ですが、もし「あれ?」と思うことがあったら「どれだけ遅れているのか把握することに一生懸命になる」のではなくて「気付いたその瞬間からサポートすること」を考えてみてください。

ちょっと手伝ってもらえればできるのか、根気よく0から教えないといけないのか、どんなサポートが必要なのか考えてみてください。このサポートの有無が、義務教育というひとつの区切りである就学に影響してくると思います。

親は「発達の遅れ」を受け入れるのに時間がかかり、苦悩すると思います。しかし、最終的に困るのは本人です。集団の中で生きなければならない日本に居る以上、どんな形であれ、集団に属さないわけにはいかないのです。

どんな集団の中で、子供がどんな風に過ごすのか。できるだけ子供が「楽しく、楽に過ごせる集団を探す」というきっかけに「あれ?」という親の気付きを役立ててください。

いつ、どれだけ遅れているのか。これを知りたい! という気持ちはわかります。ですが、その答えを探しながらでもいいので「あれ?」と感じた状態を改善するようサポートやケアができないか。これを大切に考えるようにしてあげてくださいね。

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