急に母乳を飲んでくれなくなった赤ちゃんは、どうすれば再び飲んでくれるようになってくれるのでしょうか?
母乳育児を経験した82人のママにアンケートを取り、赤ちゃんが母乳を飲まなくなった時期やきっかけ、心がけた対策などについて聞いてみました。(※アウトソーシングサイト。ランサーズでのアンケート)
今回はその結果をもとに、傾向と対策をまとめてみたいと思います。
ちなみに、こういったものを食べた後に授乳したところ、赤ちゃんに母乳を拒否されたという意見が多く寄せられました。
- チョコレートやケーキなどの甘いもの
- カレーなどの辛いもの
- パクチーなどの香りが強いもの
- 揚げ物など脂っこいもの
また、最初のうちは混合栄養でも、ミルクを飲ませているうちに赤ちゃんがミルクばかり飲むようになったというケースや、哺乳瓶でミルクや搾乳した母乳を与えたところ、おっぱいを吸わなくなってしまったというケースも見られました。
おっぱいの吸い方がまだ上手ではない赤ちゃんが哺乳瓶で母乳やミルクを飲むと、おっぱいを吸うよりも楽に飲めると感じるからか、哺乳瓶を好むようになることは多いようです。
もしも今、赤ちゃんが母乳を飲んでくれなくて困っているという方は、他の赤ちゃんはいつ、なぜ母乳を飲まなくなったのか、その時ママはどのように対応したのかを、ぜひご参考にしてみてくださいね。
目次
赤ちゃんが急に母乳を飲まなくなった時のこと、現役ママたちに聞きました
赤ちゃんが母乳を飲まなくなったのはいつですか?
- 生後すぐ~1ヶ月…18人
- 生後2ヶ月~3ヶ月…18人
- 生後4ヶ月~5ヶ月…16人
- 生後6ヶ月~7ヶ月…15人
- 生後8ヶ月~9ヶ月…8人
- 生後10ヶ月~11ヶ月…2人
- 1歳以降…3人
- 最初から飲まなかった…2人
しかし、生後6ヶ月を過ぎてから急に授乳を拒否するということは少なくなるものの、回答にはばらつきがあり、どの時期の赤ちゃんでも母乳を飲まなくなる可能性があることが読み取れます。
ただ、生後すぐから1ヶ月頃に関して言えば、赤ちゃんが生まれたばかりでまだおっぱいの吸い方が上手ではないことや、母乳の分泌が十分ではないことが母乳を飲まない理由としてあげられるでしょう。
この時期は「母乳を飲まなくなった」というよりは、「まだ上手に飲む・飲ませることができない」時期、と考えた方が自然かもしれません。
赤ちゃんが母乳を飲まなくなった時、どのような対応をしましたか?(複数回答)
- 食生活を改善した…24%(回答数17)
- 母乳マッサージ、母乳外来や母乳相談に行った…15%(回答数11)
- 搾乳して哺乳瓶で母乳を飲ませた…12%(回答数9)
- ママまたは赤ちゃんの体調をととのえた…11%(回答数8)
- 赤ちゃんのペースで授乳できるようにタイミングを見直した…10%(回答数7)
- 泣かれてもとにかく根気よくおっぱいをくわえさせた…7%(回答数5)
- 毎回ミルクの前に母乳を飲ませるようにした…5%(回答数4)
- 赤ちゃんが眠そうな時に飲ませた…6%(回答数4)
- 乳頭保護器を使って授乳した…4%(回答数3)
- 精神的にリラックスし、気持ちを切り替えた…3%(回答数2)
- 遊び飲みをしないよう、静かな環境で授乳した…3%(回答数2)
一番多く寄せられた回答は「食生活を改善した」というものでした。具体的な方法は、
- 和食中心の食事にする
- 野菜をたっぷり食べる
- 甘いもの、辛いもの、脂っこいものを控える
など。このように、ママが食生活をあらためたことによって、赤ちゃんが再び母乳を飲むようになったという意見が目立ちました。
母乳の味や質と食事内容との関係については、まだ明らかになっていない部分が多く、ママが甘いものや刺激物を食べたからといって、必ずしも母乳の味が変わるとは言い切れないようです。
「母乳の味や質は母親の食べるもので大きく変わることはない」とする専門家の意見もありますし、現在では、乳腺炎もママの食事が原因で起こるものではないという説が主流になっています。
しかし、自分が食ベた物によって赤ちゃんが母乳を飲まなくなったり、再び飲むようになったりしたと実感しているママが多くいるのも、事実です。
赤ちゃんが再び母乳を飲むようになったのは、実際にママの食生活改善がきっかけだったのかもしれませんし、あるいは、赤ちゃんが母乳を飲まなくなったことで、ママは食生活を改善するとともに、無意識のうちに授乳間隔や抱き方などにも気をつけるようになり、総合的な結果として再び授乳できるようになったのかもしれません。真実は赤ちゃんのみぞ知る、といったところでしょうか。
しかし、食生活に気を配ることは、母乳のためというよりも健康な体で育児するために大切なことですから、ストレスにならない程度に注意してみるのも有効な方法でしょう。
プロの協力を得るママも多い
また、母乳マッサージ、母乳外来、母乳相談など、専門家のサポートを受けたママも多かったようです。
一人で悩んだり、何とかしようとしたりすると精神的にも追い詰められてしまうことがありますので、医師や助産師など、プロから的確なアドバイスをもらうのも良い方法ですね。
そして、しっかり休んで体調を回復させたり、ストレスを解消したりするといった体と心のケア、赤ちゃんが泣いても焦らず母乳を飲ませ続けるという根気も大切であるようです。
- 赤ちゃんの吸う力が強くなったら自然に飲めるようになった
- お腹が空きすぎていると飲んでくれないので、一度ミルクを飲ませて落ち着いてから母乳を飲ませた
- ストローマグで母乳を飲ませた
- 抱き方を変えたり、いつもと違う方のおっぱいから吸わせたりした
- ボディソープを無香料のものにして、乳首に香りが残らないようにした
といったものがあげられました。
その後、赤ちゃんは再び母乳を飲んでくれるようになりましたか?
- また飲んでくれるようになった…68人
- そのまま飲まなくなった…14人
今回のアンケートでは、赤ちゃんが母乳を飲んでくれなくなっても、その後また母乳を飲んでくれるようになった、と答えたママが多くいました。
母乳を飲んでくれない赤ちゃんを前にすると、ママは心配したり不安になったりするものですが、それも一時期のことと考えて、あまりストレスをためずに対応した方が良いのかもしれませんね。
ちなみに、赤ちゃんがそのまま母乳を飲まなくなったと答えたママのうち、月齢が低かったため完ミに移行した方は10人、ある程度離乳食が進んでいたためフォローアップミルクに移行した、またはそのまま卒乳した方は4人でした。
赤ちゃんに乳首を噛まれた時の対応が原因になることも?
今回のアンケートの中で、興味深い回答を寄せてくれたママのエピソードをひとつ、ご紹介したいと思います。
その後は、ママが「痛いって言ってごめんね。おっぱい飲んでいいんだよ」と赤ちゃんに言葉で伝えたことによって、再び母乳を飲んでくれるようになった、ということでした。
遊び飲みが始まる時期や歯が生えてくる時期、赤ちゃんはママのおっぱいを吸いながら乳首を噛んでしまうことがよくあります。
その時、ママが反射的に大きな声を出したり、赤ちゃんを強く叱ったりすると、赤ちゃんはますます面白がって乳首を噛むようになったり、上記のエピソードのように母乳を飲まなくなったりすることも。
赤ちゃんに乳首を噛まれた時は、大きな声を出すよりも、静かな低い声で注意することが有効であると言われています。また、そのほかの対策や、赤ちゃんが乳首を噛む原因については以下の記事で詳しくお伝えしていますので、ご参考にしてみてくださいね。
こうしてアンケートを実施してみると、赤ちゃんが母乳を飲まなくなった時期やきっかけは、実にさまざまであることがわかります。そして、ママたちも試行錯誤しながら対策を取り、再び赤ちゃんに母乳を飲んでもらうための努力をしているのですね。
今、赤ちゃんが急に母乳を飲まなくなって困惑したり、不安になったりしているママも、アンケート結果をご参考に、まずは落ち着いて何が原因で母乳を飲まなくなったのかを見極めてみましょう。
そして、それに見合った対応を心がけて、焦らず根気よく、赤ちゃんが再び母乳を飲んでくれる日を待ってみてくださいね。