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この世からFAX消し去れ|小学校の欠席連絡を考える

この世からFAX消し去れ|小学校の欠席連絡を考える

保育園は保護者が送迎し、保護者が先生と顔を合わせる機会が多いですよね。しかし小学生になると子供は一人で家と学校を往復します。欠席や早退、遅刻の連絡はどうしましょう?

連絡方法は学校によってまちまちですが、FAXのみ! といわれたらどうしますか?

こんな小学校の連絡方法について紹介します。

「この世からFAXを消し去ってください」という匿名ブログ

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2017年1月27日に、あるブログサービスに匿名で「この世からFAXを消し去ってください」という投稿がされました。

投稿者が子供の入学説明会に参加したところ「欠席・遅刻・早退の連絡はFAX送信してください」という説明があったそうです。このため、固定回線を家に引き、FAXを購入しないといけなくなった! という投稿でした。

携帯電話やスマホが普及している今「どうしてFAXなの!」と驚く方も多いかもしれません。また「自分の子供が小学校の時と変わっていない!」と驚いている方も居るでしょう。

少し前は、固定回線を引いていない(携帯電話しか持っていない)人は、社会的信用が低いと言われたことがありました。クレジットカードの審査や銀行口座を開く時に影響する、と言われた時代もあったのです。

しかし今ではスマホがあれば固定電話も自宅にインターネット回線も必要ない、という人が増えています。こうした状況を考えると「FAXなんて古臭い昔の遺産!」と言われてしまうかもしれません。

こんな物議をかもした「小学校の連絡方法」について考えてみました。

よくある連絡方法はなに?

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ブログに投稿されていた連絡方法はFAXでしたが、一般的と言われている小学校の欠席・遅刻などの連絡方法は次のようなものです。

  • 連絡帳を兄弟、姉妹や近所の子に預ける
  • 欠席連絡票(専用の用紙)を兄弟、姉妹や近所の子に預ける

小学校では「連絡帳」というノートがあります。明日の行事や宿題、先生からの連絡事項、親からの連絡事項などを書き込むノートです。

また、欠席連絡票というのは学校が準備している用紙です。書く内容が決まっているので「なにをどうやって書けばいいの?」と悩むことがありません。

こうした連絡帳や欠席票を兄弟・姉妹が持っていく、近所に住む友達に預ける、集団登校している場合は同じ登校班の子に預けることで、学校に連絡できる、という方法で学校に欠席・遅刻といった連絡をするのです。

この方法は解り易くて簡単、と思えるかもしれません。しかし、次のようなデメリットがあります。

  • 兄弟、姉妹がいない
  • 近所にお願いできる子がいない
  • よく頼む子も休んでいる
  • 朝の忙しい時に連絡帳などをどうやって渡せばいいか困る
  • 断られた

簡単そうに思えますが、住んでいる地域や仕事をしているなどの状況、朝の時間などを考えると難しいケースもありますね。

電話はどうしてダメなの?

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連絡方法として真っ先に挙げられるのは「電話」ですが、どうしてNGなのでしょうか。電話一本で済ませられれば楽ですよね。どうしてダメなのか。次のような理由があります。

  • 電話はかかって来た時に即応しなければならない
  • 感染症が流行する時期などは欠席者が増える
  • 欠席連絡で回線が埋まっていると、本当の緊急の連絡ができなくなる
  • 教員が電話の対応に追われて本来業務をこなせなくなる
  • 連絡した、していない、といったトラブルが起こる

電話連絡は身軽だけど欠点が…
保護者としては「相手を確実に捕まえて、早く連絡ができる」というメリットがあります。

しかし教師は「仕事の手を止めて対応しないといけない」というデメリットがあり、目に見える形で連絡した事実が残らないのでトラブルが起こりやすいのも事実です。


朝、起きてすぐにあなたの電話が鳴りっぱなしだとどうでしょう? 電話は突然で、何本も続くと「やらないといけない朝の仕事」がなにもできなくなってしまいますよね。

学校側はこうしたデメリットを重要視して電話NGとしているのです。なんとなく理解できるように思いませんか?

FAXを小学校が薦めるのはどうして?

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ブログに投稿されていた学校が求める連絡方法はFAXでした。私の娘が通う学校も「連絡帳かFAXで連絡してください」となっています。

では、どうしてFAXという方法を小学校が薦めるのでしょうか? これは次のようなメリットが挙げられます。

  • FAXは人が対応しなくていい
  • 放っておいても連絡内容が紙に印字される(伝言ゲームにならず、証拠が残る)
  • 多くの職場にFAXがある(自宅にFAXがなくても職場から送ることが可能)
  • スマホ、パソコン、コンビニなどからもFAXを送ることができる

これらのメリットは小学校側にとって大きなメリットであり、また「自宅にFAXがなくても送る方法が複数ある」という学校側から見た安心感もあるからではないでしょうか。

親にとって楽な連絡方法「メール」はNG?

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連絡帳、電話、FAXといった連絡方法を紹介しましたが、ブログの投稿を受けてネット上で話題になったのは「どうしてメールじゃだめなんだ?」ということです。

確かにメールであれば多くの人が無料で利用が可能ですし、送信履歴・受診履歴といった形に残る連絡方法です。仕事でもメールのやりとりは一般的で、この方が時代に合っていると思えますよね。しかし、このメールには次のような問題がある、と指摘されています。

  • 教師と保護者がメールでやりとりすると、適切な距離を保てなくなる可能性がある(教師が特定の保護者と親密な関係になり、教育上、不都合な点がでてくる)
  • 子供がメール連絡し、ずる休みできる
  • フリーメールなどは送信したのに届いていない、といったトラブルが多い
  • メールアドレス(個人情報)の管理(コストと手間)が学校の負担になる

いろんなデメリットがありますが、一番大きい理由は「個人情報の管理」ではないでしょうか。

小学校には毎年、何十人・何百人という生徒の出入りがあります。流動的な個人情報の管理を適切に行い、情報漏えいなど厳重管理する、といった仕事は企業でも大変なことですよね。それを全ての小学校でできるでしょうか。

全ての小学校に専門の管理者を配置し、情報管理を確実に行う、というのが理想ですが、なかなか難しいことかもしれません。

スクールメールというサービスを導入している所もある

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小学校の中には「スクールメール」というサービスを導入している所があります。これは、保護者が子供の名前とメールアドレスをシステムに登録することで、学校と保護者がシステムを通して楽に連絡できる、というサービスです。

生徒に一括でメール連絡できる、メールの内容を読んだ保護者が「読みましたボタン」を押すことができる、アンケート機能がある、など非常に便利なサービスです。

スクールメールのメリット
システム運営はサービス提供会社が行うので、学校は保護者のメールアドレスなどを管理する必要がありません。また、保護者が確実に連絡を受けられるメールアドレスを間違いなく登録しさえすれば、連絡漏れがありません。学校としても、保護者としてもメリットは大きいですよね。

私の娘が通う保育園ではこのシステムを導入しており、欠席・早退・遅刻の連絡に使ったり、保育園からのメール連絡に対して保護者が「確認しましたボタンを押す」ことで、双方の意思疎通を図る事もあります。

これはとても便利! そう思えますが、やはりデメリットもあります。

  • システム提供会社の信頼性
  • 契約料(自治体が全小学校の契約料を負担できるか)
  • 親がメールアドレスを登録しない
  • 親がシステムを利用できない

小学校は義務教育で、自治体が管理しています。公的機関と民間企業の契約には様々な制約があります。何年間契約するか。どの学校の管理をどの企業に任せるのか。契約は随意契約か、入札制か。入札の場合、安い金額で請けてくれる会社ならどこでもいいのか(信頼性は?)。

お役所問題と言えますが、色々な問題があります。

緊急連絡網にスクールメールを活用するケースも

なお、スクールメールのサービスを一部だけ活用している学校もあります。不審者情報や、震災発生時の連絡など、学校からの緊急連絡はシステムを利用して一斉送信してくるが、親からの連絡には利用できない。そんな小学校もあります。

ここには、クラスごとに緊急連絡網を作ったが、保護者が名簿を売ってしまったり、紛失したりして、不審な電話が掛かって来るようになった。

不審者が登下校中の子供から緊急連絡網の紙を奪おうとしたり、特定の生徒の連絡先を聞き出そうとする事件が発生した。こうした背景があったりします。

今は、個人情報がお金になる時代です。そして子供が標的になる事もあります。便利さと安全性をどうバランスをとるのか。連絡網というものに、こうした問題が関係してくるので怖いですね。

FAXを便利に活用している家庭もあるが…

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小学校というのは学区があり、保護者や子供が自由に選ぶことができません。入学説明会などで「わが校はこうです!」と言われると、それに従わないといけない、というのが保護者としては辛く感じるところですよね。

私の娘が通う小学校では

  • 学校からの連絡は、子供が持ち帰る手紙か一斉メール(電話による緊急連絡網なし)
  • 欠席などは連絡帳かFAXで連絡する

というルールになっています。基本的に電話連絡は緊急時以外NGです。

私は就職すると同時に一人暮らしを始め、固定回線を購入しました。電話もFAX機能付きのものをずっと使っています。

FAXはいつでも自分の都合のいい時に相手の手を煩わせることなく連絡できます。子供が胃腸炎やインフルエンザに感染した時は、朝一番に病院へ行くので、夜中にFAXで欠席連絡を入れています。

幸いにも自宅にFAXが備えられていたことで非常に便利に感じています。

しかし残念ながら家庭へのFAX普及率は全国で46.4%という調査結果があります(総務省:主要情報通信機器の普及状況(平成25年度)より)。今の世の中、私のようにFAXを便利に感じている親は過半数を割っているのです。

微妙な割合ですが、全国の半数の世帯にしか普及していない機器を強要するのは無理があるのではないでしょうか。

子供と一緒にに集団生活をうまく乗り切ろう

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小学校の連絡方法については、家庭の経済状況、保護者の考え方、教師の業務、自治体の財政事情など、いろいろな事情が関係してきます。立場によって、メリット・デメリットは異なりますし、どのメリットを重視し、どのデメリットを受け入れられるか。これも違ってきます。

保護者、学校、自治体、それぞれでどのように意見を交換し合い、どうしていくのがベストなのか。それぞれの事情を考慮しながら最良の方法を探っていけるといいですね。

これから子供が小学生になるなら、とりあえず自分の子供が通う小学校の状況を確認し、どう対応していくのか検討しておきたいです。

ママ友を作る。アプリを探。コンビニを探す。何らかの方法で対応できるようにしておくと安心です。

もし、4月から子供が小学生になるなら、入学説明会や入学式などで兄や姉がいるママの連絡先を確保するのもオススメです。こうしておくと、いろんな情報を手に入れることができ、情報難民にならずにすみます。

また、嫌われがちなPTAですが、PTAとは、保護者と教師を繋ぐ組織です。保護者から学校になにか申し入れをする際はPTAを通すと意見し易くなります。PTA役員経験のあるママと友達になれると心強いですね。

小学校に通うようになるとなにかと面倒に感じることが多くなりますが、確実なのは「自分にとって都合がいいことばかりではない」ということです。必ず、なにかデメリットに感じることを飲まなければならなくなります。

面倒! ふざけるな! そう感じることも増えてくるかもしれませんが、うまく乗り切っていきたいですね。

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