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生後3ヶ月のミルク育児、心配解消のポイント

生後3ヶ月のミルク育児、心配解消のポイント

赤ちゃんをミルクで育てているママにとっても、生後3ヶ月くらいになると新たな疑問や不安があらわれてくるものです。

ミルク育児に関しては、母乳育児と比べると書籍やサイトなどの情報も決して十分であるとは言えず、赤ちゃんが一度に飲むミルクの量や授乳間隔についてはもちろん、遊び飲み、吐き戻し、体重の増え方など、母乳育児と同じように、「これでいいのだろうか?」という悩みはつきません。

そこで今回は、生後3ヶ月からのミルク育児のポイントや、不安を解消するために知っておきたいことなどを詳しくお伝えしていきましょう。

生後3ヶ月のミルク育児の基本をおさえよう

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ミルク育児の場合、赤ちゃんが飲んだ量がひと目で分かりますが、赤ちゃん一人ひとりの飲める量や性格、体格の差や好みなどもあるだけに、育児書やミルクの缶に書かれている目安量と照らしあわせて「これしか飲んでいない……」あるいは「こんなに飲ませて大丈夫?!」と不安に思うことも多いものですよね。

まずは、ミルク育児の基本的な部分をしっかりとおさえておきましょう。

生後3ヶ月の赤ちゃんのミルクの量は?

一般的に、生後3ヶ月の赤ちゃんが1日に飲むミルクの総量は、850~1000mlと言われています。

1回の量で考えると、およそ160~180ml前後。授乳回数は、1日に5~6回となる計算です。

ただ、赤ちゃんもそれぞれに個性がありますので、一度にたくさんミルクを飲む赤ちゃんもいれば、あまり飲まない赤ちゃんもいます。

ミルクが足りているかどうか、どうやって判断するの?

赤ちゃんにとって授乳量が足りているかどうかを判断するもっとも確実な情報は、やはり体重の増え方です。

体重の増加の考え方に関しては、母乳でもミルクでも基本的に変わりません。

生後3か月までは、1日に25~30gずつ、あるいは1ヶ月に体重が700~1,000gずつというペースで増加するのが目安であり、生後3ヶ月になると出生体重の約2倍になると言われています。

この範囲で体重が順調に増えているのであれば、ミルクの量が多かったり少なかったりしてもそれほど心配はいらないでしょう。

授乳間隔はどれくらい?

ミルクでも、生後3ヶ月頃の授乳間隔は3~4時間が一般的です。

ただ、夜はミルク育児の赤ちゃんの方が長く眠る傾向が高いようですので、中には夜間授乳がなくなる赤ちゃんもいるかもしれません。

ミルクの缶に書かれている量はどう捉えるべき?

ミルクは、赤ちゃんが飲んだ量がはっきりとわかるだけに、ミルク缶に記載されている月齢別の目安量の通りに飲んでくれないと不安を感じるママが多いでしょう。

しかし、赤ちゃんも1人の人間ですから、大人と同じように食欲がある時とない時がありますし、たくさん飲める赤ちゃんとそうでない赤ちゃんがいるのも当然です。

ミルク缶にある量はあくまでも参考程度に頭の隅に入れておき、目の前にいる自分の赤ちゃんのペースを尊重してあげてくださいね。

赤ちゃんがミルクをあまり飲まない時は?

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ミルクの飲みが良くない赤ちゃんの場合、栄養不足や体重が増えないなどの影響が心配になってきますね。

赤ちゃんにもそれぞれのペースがありますので、健康な様子が見られ、排泄の回数も正常で、体重が順調に増えているのであればそれほど心配することはないと考えられます。

ただ、ミルクをあまり飲まないために体重が増えていないことが気がかりであれば、一度小児科などで相談してみることも必要でしょう。

夜間授乳とミルクの量について

この時期からは、完母でも完ミでも、夜中の授乳が必要なくなる赤ちゃんが出てきます。

ミルクを飲んでいる赤ちゃんは特に、夜ぐっすりと寝て起きないこともあるかもしれませんが、それでも生後3ヶ月であまりにも長時間寝ていて授乳ができないという場合、体重の増加が滞る心配も出てきます。

夜の睡眠がどんなに長い赤ちゃんでも、8時間くらいたったら一度起こしてミルクを飲ませ、あまり長時間寝かせ続けることのないようにしましょう。

遊び飲みをしていてミルクを飲まない!

生後3ヶ月くらいになると、赤ちゃんが哺乳瓶のニップルを舌で押し返したり、ママの顔を見て笑ってミルクを飲まなかったり、授乳中に突然口を離して遊び始めたり、といった様子が見られることもあります。

これがいわゆる「遊び飲み」。

遊び飲みは、赤ちゃんの心が発達し、いろいろなものに興味を持つ好奇心が出てきた証拠とも言われますが、ママにとっては少し困ったものですね。

遊び飲みをしてなかなかミルクを飲まない場合は、

  • 周りを静かな環境にし、赤ちゃんが授乳に集中できるようにする
  • ママもスマホを見たり本を読んだりせず、授乳に集中する
  • 遊び飲みが始まったら授乳を切り上げる
  • 哺乳瓶のニップルを変えてみる
  • ミルクの温度が下がらないよう保温しながら飲ませる

などの対策を試してみましょう。

赤ちゃんも本当にお腹が空いていればしっかりとミルクを飲みますので、1回の授乳ではなく、1日、あるいは1週間という少し長いスパンでミルクの総量を確認することをオススメします。

遊び飲み自体も、赤ちゃんの成長とともにおさまることが多いので、ママもイライラせずに乗り切ることを心がけてくださいね。

飲み過ぎが心配……赤ちゃんが欲しがるだけミルクを飲ませる?

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ミルクをあまり飲まない心配もあるものの、逆にたくさん飲み過ぎてもママは心配になってしまいますね。

赤ちゃんがミルクを飲み過ぎていると感じる場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

ミルクを欲しがるなら量を増やすべき?

生後3ヶ月くらいになると首がすわりはじめ、運動量も多くなることから、今までよりもミルクを多く欲しがる赤ちゃんも出てきます。また、ミルクを飲む量にも、赤ちゃんそれぞれの個人差があります。

平均よりも大幅に体重が増えすぎている、ミルクの飲み過ぎによってお腹が張って苦しそうだったり、下痢などの影響が出たりしている、といったトラブルが見られなければ、赤ちゃんが飲みたい量が、今の赤ちゃんにちょうどよい量なのかもしれません。

赤ちゃんが健康であり、もっと飲みたがるようであれば、ミルクを増やしてあげても良いでしょう。

ただ、途中で満腹になった様子が見られたり、遊び飲みをしてしまったりする場合、昼寝の時間が長すぎると感じる場合は、元の量に戻して様子をみてくださいね。

ミルクも母乳と同じで、飲みたいだけ飲ませていいの?

基本的には、赤ちゃんが飲める量であり、授乳間隔がそれなりにあいているのであれば、極端に量を増やすのでない限り、赤ちゃんの飲みたいミルクの量を飲ませて良いと考えられます。

しかし、やはり満腹な様子だったり遊び飲みをしたりする場合は、安易にミルクを増やさないようにしましょう。

大事なポイント
赤ちゃんが泣くのは、ミルクが飲みたいからという理由だけとは限りません。

抱っこしてあやしたり、おもちゃで遊んだりして他のことに注意を向ける、おしゃぶりや歯固めを利用するなどして、本当にミルクを欲しがっているのかを見極めることも大切です。

また、生後3ヶ月からは少しずつ生活リズムもできてくる時期ですし、今後離乳食が始まることを考えると、ミルクは食事の時間と意識していくことも必要です。

完ミの場合は授乳間隔を適切にあけて、リズムをととのえて過ごせるよう、1日のスケジュールを組んでみましょう。

混合や完母にしたいときの注意点

しかし、混合栄養を継続したい場合や完全母乳を目指したい場合には、赤ちゃんが飲みたいだけミルクを与えることはあまりオススメできません。

赤ちゃんがミルクだけでお腹いっぱいになってしまわないように、母乳を飲ませることを優先し、その飲み具合に合わせてママがミルクの量を調節するようにしてみましょう。

母乳とミルクを合わせて十分な量を飲んでいるはずなのに、赤ちゃんがまだ欲しがるようであれば、ミルクではなくママのおっぱいを吸わせてみるのもひとつの方法です。

赤ちゃんも口寂しかったり、ママに抱っこされていたかったりするために泣くのかもしれませんし、ミルクの割合が多い混合栄養であっても、ママのおっぱいを吸うという赤ちゃんの行為は、母子の大切なスキンシップや乳頭刺激につながり、母乳量を増やすために有効なものです。

ミルクの吐き戻しで注意するべき点

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赤ちゃんがミルクを吐き戻すことが多くなると、健康や体重増加の面で不安が出てくるかもしれません。

赤ちゃんの胃は真っすぐな形で未発達な上に、ゲップが上手く出せないこともあって、多少の吐き戻しはどんな赤ちゃんもするものです。しかし、赤ちゃんが勢い良く、噴水のようにミルクを吐き戻す場合は、幽門狭窄症や髄膜炎といった病気が原因である可能性も考えられます。

  • 吐く回数が多くぐったりしている
  • お腹が張っている
  • 熱や下痢など他に心配な症状がある
  • 便に血が混じっている
  • 赤ちゃんの機嫌や顔色が悪い

といった様子が見られる場合は、すぐに病院で診断を仰ぎましょう。

また、もしも赤ちゃんが頭や体を強く打った後に吐いた場合も(すぐにではなくても、数日たってから急に吐いた場合も含みます)、病院を受診してください。

そのほか、吐き戻しが多く体重がなかなか増えない、あるいは減ってしまうという場合も、念の為に専門家に相談してみることをオススメします。

ちなみに、赤ちゃんの鼻からミルクが出てしまうのはよくあること。

鼻からミルクが出てきてしまってもそれほど心配することはありませんが、吐き戻しが窒息につながる恐れもありますので、ミルクを飲ませた後はしっかりとゲップをさせるとともに、すぐに横に寝かせないなどの対処法を心がけましょう。

以上、生後3ヶ月からのミルク育児について、心配を解消するポイントをお伝えしました。
今回のポイントは、次のとおりです。

  • 生後3ヶ月の赤ちゃんが1日に飲むミルクの総量は850~1000mlだが、個人差が大きい
  • 体重増加の目安(25~30g/日、あるいは700~1,000g/月)は母乳育児と同じ
  • ミルク缶に記載されているミルクの量は参考程度に。体重増加でミルクの量を判断する
  • 遊び飲みや満腹になった様子を見極めてミルクの量を調節する
  • 噴水のような吐き戻しや、いつもと違う様子が見られる時は病院へ

赤ちゃんの飲みが悪くても、飲み過ぎても心配が増えてしまうミルク育児ですが、赤ちゃんの体重増加をしっかりと確認しながら、調度よい哺乳量を探っていくのは母乳育児と変わりありません。

遊び飲みも始まってくるこの時期は、ミルクの量の増減も激しくなることが多く、ママも心配やストレスがたまってしまうかもしれませんが、ミルク育児を安心して、楽しく続けていけるように、記事にあげたポイントをご参考にしてみてくださいね。

参考資料
病気がみえる vol.10: 産科  医療情報科学研究所
看護師・看護学生のためのレビューブック第18版 メディックメディア
はじめて出会う育児の百科 小学館
看護師さん・保健師さんへのインタビュー

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