私は二児の母です。第一子を出産したのは今から5年前です。
当時の私は出産したら誰でも自然と母乳は出ると信じて疑っていませんでした。
しかし出産後、陥没乳頭でなかなか赤ちゃんがおっぱいを吸えず、私は初めての授乳でなかなかうまくおっぱいをあげられず、入院中は泣きそうな気持でした。
私の入院していた産婦人科は、ミルクの会社とのパイプが強かったため「母乳育児<ミルク」という傾向があり、母乳育児に積極的ではありませんでした。
そんなことをまったく知らなかった私は、入院中にミルク会社の栄養士からミルクの作り方の指導やサンプルをたくさん頂いていたのです。
退院する際も、『引き続き母乳の後にミルクを60CC足してくださいね』と言われ、私は素直に実行し続けました。
自信を失う母親に鞭打つ人たち
里帰り中は、いつ母乳だけになるのだろう?そんな疑問を抱く毎日を送っていました。
そんななか、赤ちゃんが泣くたびに母に「お腹がすいているんじゃない?」と言われます。
自分のすることに自信がもてないので、母に言われるままにミルクを足します。生後1ヶ月の頃には100ccを足すこともあり、一日平均400CCぐらいはミルクをあげていました。
その結果赤ちゃんはビックリするほど大きくなり1.1キロも増えていました。
その頃の私は実母から言われる『お腹がすいてるんじゃない?』の言葉が精神的に苦痛で仕方なかったです。
また、実母が私を生んだ頃の話『私は1ヶ月までは母乳だけしかあげていなかった。その後母乳が足りなくてミルクを足した』話を何度もするのも嫌でたまりませんでした。
母乳が出ない私が責められているような心境でした。
そんな中、一ヶ月検診に出産した産婦人科に行った際に小児科の先生に、授乳後100CCミルクを与えている話をしたところ『出ないおっぱいね!』と断言され、母子手帳の栄養法の欄の{母乳・混合・人工}の {混合・人工}の間に○をつけられました。私にはダブルショックで、涙が出そうでした。
そして、私なりにネットなどで調べ一つの結論を出しました。
母乳が出ない原因は、正しい指導をしてくれる人に出会えなかっただけ
このままでは、母乳育児は出来ない!だから勇気を出して市内にある個人でやっている母乳外来の門を叩いたのです。
もし、ここに通って母乳が出ないならば、諦めよう・・・母乳外来は私にとって最後の頼みでした。
そして、母乳外来で私を待っていたのは母乳育児を生きがいにされているベテラン助産師さんでした。
その方の話では
「母乳が本当に出ない人はほんの少しの人だけで、母乳育児の仕方をしらないまま諦めてミルクに移行してしまう人が多いこと。本当に残念でならない。ただただ、指導してくれる人に出会えなかっただけなのよ」
そうおっしゃっていました。
そして、おっぱいをあげる姿勢やあげる時の声かけなど、一からおっぱい育児の方法を教えてくれました。
また食べ物は片仮名の食べ物はNGだということ、温かい飲み物をたくさん飲むことなど、ありとあらゆる情報をくれました。
また体をマッサージしておっぱいの出をよくする体操を教えてもらって、おっぱいマッサージをしてくれました。
そして驚いたことにおっぱいは張らないと出ないと思っていたけれど、わたしのおっぱいは「差し乳」というタイプで赤ちゃんに吸われるとつーん、と感じるものが出ている証だと知りました。
そして、
「あなたのおっぱいはしっかりでる、いいおっぱいよ。なめてみて!甘いでしょ?これは最高のおっぱいよ!」
と言ってくれたのです。
そして小児科の先生の発言や実は母の発言で心を痛めていたこと等、話を聞いてくれ大激怒。
新米ママの悩みまで解決してくれる、そんな助産師さんに出会えたおかげで、その後2歳まで母乳育児を楽しむことが出来ました。
不安な授乳の時間が、ママと赤ちゃんの最高の時間に
2歳で卒乳する際も卒乳の仕方を教えてくれました。
卒乳のケアもしっかりしてもらったおかげで、第二子を出産した時もスムーズに母乳育児をスタートすることが出来ました。卒乳のケアを怠ると、母乳が残ってしまって、次の子が苦くてまずい母乳で飲むのを嫌がるケースもあると知りました。
私が完母になり、実母も母乳のことで口をはさむこともなくなりました。
そして何より母乳をあげる時間が今までは不安だった。
上手におっぱいを飲めずぐずるわが子…。だけどミルクなら美味しそうに飲む姿に、自分を責めてしまう気持ちというかやるせない気持ちでした。
母乳外来に通った後はママと赤ちゃんの最高の時間に変わりました。
今思えば、もっと早く母乳外来に行くべきだったと心から思います。
もし、母乳が上手にあげられずに悩んでいる方いたら、声を大にして言いたいです。
「悩んでいる暇があったら、母乳外来を探すべき」だと。
私の周りでも一人で悩んで、完ミルクで育てた友人がいます。
彼女は母乳育児が出来なかったことに心を痛めながら子育てをしています。
その結果、母乳があげられなかった代わりに、すべて手作りで栄養バランスのある食事を与えることにやっきになってしまい、食べる時間すら、きっちりしなくては気が済まない状態になっています。
そこまで彼女を追いこんでしまった母乳育児問題…一人でも多くの人が最高の母乳育児が出来ますように!