生まれて間もなくから生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんは2~3時間おきの授乳が必要で、ママも眠る暇があまりありません。
それに加えて、赤ちゃんはとても敏感。
ちょっとした物音で起きてしまうのはもちろん、ぐっすり寝ていると思っても「何だかよくわからないけど泣いて起きる」ということが多くあります。
低月齢の赤ちゃんは、なぜこんなに頻繁に目を覚ましてしまうのでしょう?
赤ちゃんは眠りが浅い?
生まれて間もなく~生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、まだ昼夜の区別がついていません。
お腹が空くと目を覚まして泣き、授乳によってお腹がいっぱいになるとまた眠るというリズムで過ごしていますが、新生児は母乳やミルクを約3時間で消化するため、昼夜関係なく寝たり起きたりを繰り返します。
赤ちゃんが常にウトウトしている理由
また、低月齢の赤ちゃんは眠りが浅いのも特徴的。
人間の睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠があります。
私たちはまずレム睡眠から眠りに入り、徐々に深い眠りであるノンレム睡眠へと移行していきますが、この間隔が大人は90分であるのに対し、新生児期の赤ちゃんは40~50分、生後3ヶ月の赤ちゃんは50~60分なのです。
それに加え、小さな赤ちゃんは1日のほとんどを眠って過ごします。
短い周期で睡眠の質が変わるとともに、1歳くらいまではレム睡眠が占める割合が50%と、浅い眠りで過ごす時間が多いため、低月齢の赤ちゃんは常に目が覚めやすい状態なのです。
赤ちゃんが不快にならないよう、眠りの環境をととのえて!
新生児の時期は、ちょっとした刺激で目覚めやすいとともに、快・不快が感情の大部分を占めています。
そのため、不快を感じると猛烈に泣きだしたりするのです。
この時期は、赤ちゃんが快適に眠れるような環境をととのえてあげることが第一。
室温・湿度や光に気を配り、心地よい寝室を作るとともに、赤ちゃんを寝かせる時は
- お腹はいっぱいか
- ゲップは出ているか
- オムツは濡れていないか
- 便秘はしていないか
などをチェックして、基本的な不快を取り除くことが大切です。
それとともに、この時期から朝と夜の区別をつけておくことはとても重要なこと。生活リズムは生後3ヶ月になれば勝手につくものではありません。
低月齢のうちは生活リズムを作る基礎固めの時期として「昼は明るく夜は暗い」という環境にすることを徹底しましょう。
ママの子守唄は逆効果?
育児書:【ママの「育児3大悩み」解消BOOK―寝ない・食べない・泣きやまないは、こうすればOK!】にて、このような記述を見かけました。
低月齢の赤ちゃんが泣くのは、ほとんどが自分の欲求を満たすため。「お腹が空いた」「眠い」という自分の欲求を満たしてもらうために泣くのです。
パパやママの顔を赤ちゃんが認識し、構ってほしい、遊んでほしい、抱っこしてほしいなどの欲求が出てくるのは、生後3ヶ月くらいから。
愛着形成といって、いつもお世話をしてくれるママを求めて泣く、あるいは「ママじゃなきゃダメ」という感情が芽生えるのも、その少し後のこと。
ですから、新生児期にママがそばでずっと子守唄を歌うのは、本来必要のないことなのです。
かなり複雑な気持ちになりました。「そんなことはない!この説はおかしい!」そう感じたママもいらっしゃるでしょう。
子守唄には、赤ちゃんの安心だけでなく健康にも良い影響を与えることがわかっており、この説に対しては賛否両論ありそうですが、参考としてとりあげておきます。
この説を受けるなら、生後3ヶ月過ぎくらいから、入眠儀式として子守唄を歌ってあげるといいかもしれません。
感情が細分化されていない新生児期は、周りの環境をととのえることと、生活リズムの基盤を作ることを優先して、寝かしつけをしていきましょう。
産まれたばかりの新生児期の赤ちゃんでも、すでに備わっている機能があります。それは嗅覚と聴覚です。赤ちゃんはママのお腹にいる時からママの声を聞き分け、ママの臭いを覚えます。生後1日目からでも、赤ちゃんはママの母乳の臭いを区別できているというデータがあります。また、皮膚感覚も新生児期からしっかりと働いています。
3ヶ月未満の赤ちゃんに「子守歌を歌ってあげる」と思うのではなく、ママの「声」と「臭い」と「優しいタッチング」で、赤ちゃんとコミュニケーションをとっていると考えてみてはどうでしょう?
赤ちゃんはたくさんの刺激を受けて成長します。赤ちゃんとの関わりで意味がないものなどありませんよ。